愛犬を呼んでも来てくれない原因を考えよう
愛犬を呼んでも来てくれないとき、ほとんどの人は「しつけができていないからだ」と考えるでしょう。
なかには「うちの子は賢くないから」と考える飼い主さんも。
しかし、決して犬に問題があるのではなく、むしろ正直だからこその反応だと知っておく必要があります。
では、なぜ愛犬においでと言っても来てくれないのか。考えられる原因をいくつかご紹介します。
- 呼ばれたら嫌なことが起こると思っている
- 魅力が負けている
- 「おいで」の意味をまだ知らない
- どこでもできる状態にない
考えられる理由としてはこれらのものがありますが、特に気をつけてほしいのは『呼ばれたら嫌なことが起こると思っている』ケースです。
その他の原因は、練習を重ねることで自然とできるようになります。
しかし、嫌なことが起こると愛犬が学習している場合、あまり良い状態とは言えません。
愛犬があなたのもとへ来るメリットを約束しよう
愛犬が「呼ばれて飼い主のところにいくと嫌なことが起こる」と学習している場合、飼い主さんと愛犬の関係はマイナスになっている可能性があります。
つまり、あなたのもとへ行けばデメリットこそあれど、メリットはないと考えているため、良好な関係であるとは言えません。
大切なのは、愛犬が「飼い主のもとへ行けばいいことが絶対ある!」といった、メリットを感じていることです。
思い返してみてほしいのですが、どんな状況であれ愛犬があなたの下へ行ったときに、愛犬にとって嫌な刺激となる行動をしたことはありませんか?
例えば、せっかく愛犬が近づいてきたのに叩いたり、叱ったりなど。
「これくらい軽いから、痛くないから大丈夫」と言ってやってしまう人もいますが、強弱は関係ありません。
それが愛犬にとって嫌な刺激であるか否かの問題です。
あなたのもとへ行った結果、嫌な刺激が与えられるという経験をした場合、犬は次からあなたのもとへ行くことを拒否します。
愛犬を呼んでも来てくれないのは、犬が悪いのではなく、あなたが不適切な対応をしてしまった結果の可能性もあるということです。
愛犬を呼ぶと嬉しそうに戻ってきてくれる。そんな関係になりたいなら、『呼ばれて来てくれたら必ずいいことがある』という約束をしましょう。
愛犬との信頼貯金をマイナスにしてはいけない
愛犬との約束は、原則絶対に裏切ってはいけません。
もちろん治療など、何かしら嫌な刺激を回避できない状況はあります。
しかし、それでも普段から信頼貯金がプラスであれば、早々にあなたに対して不信感を抱くことはないのです。
一方で信頼貯金がマイナスの状態だと、日常的にあなたへ不信感を抱いているため、呼ばれても行かないしむしろ逃げる…なんてこともあります。
それを「しつけのできていない犬」「飼い主をバカにしている犬」「賢くない犬」とレッテルを貼り、犬のせいにするのはナンセンスです。
犬は非常に高度な知能を持った動物です。もし犬に問題があると感じるのであれば、それは関わり方含め環境に問題があることを意味します。
問題のある環境のひとつが、愛犬に対する不適切な接し方であり、信頼貯金をマイナスにしていく行為なのです。
マイナスから0にするには、プラスにするよりも時間を必要とします。
もし愛犬を呼んだときに戻ってきてほしいなら、決して信頼貯金をマイナスにするような接し方はしないようにしましょう。
まとめ
愛犬を「おいで」と呼んだとき、あなたのもとへ戻ってこないのは、決して愛犬が悪いのではありません。
練習不足の可能性は十分にありますし、練習不足ならコツコツ練習をしたらいいのです。
しかし、もしもあなたに対して不信感があり「行きたくない」と拒否をしているのであれば、あなたとの関係性はマイナスになっている可能性があります。
マイナスな関係は呼び戻すときに限らず、さまざまなところで弊害をもたらします。
現れる弊害は決して飼い主さんにとっても愛犬にとってもよくないので、普段から愛犬に嫌な刺激を与えるのではなく、良い結果を約束する存在であってください。
どのようにアプローチしたらいいかわからない場合は、早い段階でプロへの相談をおすすめします。