犬は本能で痛みを隠そうとする
犬は怪我や病気で体が辛くても、痛みを隠そうとすることがあります。野生時代に敵に弱みを見せないよう、平気なふりをしていた頃の本能が残っているためです。
なかには逆に大げさに痛がる性格の犬もいますが、自立心が強い犬やクールな性格の犬は痛みをごまかすことが多く、辛くても鳴いたりせずに我慢してしまうことが珍しくありません。
怪我や病気は早期に治療することが大切ですから、犬が痛みをごまかしていることに飼い主ができるだけ早く気づけるようにしておきましょう。
犬が「痛みをごまかしている」ときにする行動
ここからは、犬が「痛みをごまかしている」ときにする行動をご紹介します。愛犬が次のような行動をしていたら痛みを我慢している可能性がありますので、注意しましょう。
1.体を舐める
犬は体に痛みがある時、自分の体を舐めることでごまかそうとすることがあります。
特に、目の前にある前足を舐め続ける犬が多く、足先が炎症を起こしてしまうこともあるようです。
2.いつもより大人しくなる
普段は元気いっぱいな愛犬がいつもより大人しい時は、何らかの痛みを抱えている可能性があります。
単純に疲れて休んでいるだけという場合もありますが、時間が経っても動く元気がない、動きづらそうにしている時は様子をよく観察するようにしましょう。
3.呼吸が荒い
犬が運動をした後でもないのに、ハアハアと荒い呼吸をしていたら要注意です。
呼吸が荒い犬は痛みや辛さを我慢していたり、呼吸困難になっている可能性がありますので、すぐに動物病院へ行くようにしてください。
4.触られるのを嫌がる
犬は痛みをごまかしている時、飼い主さんが触ろうとすると嫌がったり逃げてしまうことがあります。なかには、噛みつこうとしたり唸ったりする犬もいるでしょう。
体が痛い時は、無闇に人に触られたくないものです。他に症状がなくても、愛犬が急に触られるのを嫌がったり、物陰に隠れて出てこなくなる時には注意してください。
5.震えている
犬は痛みがあると「震え」の症状がでることがあります。我慢していても、生理現象で体が震えてしまうのです。
寒がっている場合もありますので、室温のチェックも忘れずに行いましょう。
6.食欲がない
愛犬がいつもより食欲がない場合、体のどこかに痛みを感じているかもしれません。普段と変わりなく見えても、ご飯を食べないのは何らかの理由があるはずです。
単純にお腹が空いていないこともありますが、他に症状がなくても3日以上食欲不振が続く場合は動物病院へ行きましょう。
愛犬の異変にいち早く気づくために飼い主ができること
愛犬の異変にできるだけ早く気づくためには、毎日愛犬の様子をしっかり観察することが大切です。
- 動き方
- 表情
- 食欲
- 飲水量
- 排泄物の状態や回数
これらは毎日チェックし、記録をつけておくと良いでしょう。毎日意識して見ていれば、ほんのわずかな異変にも気づきやすくなります。
病気や怪我は悪化する前に早期治療を開始できれば、治る可能性も高くなります。そのため、愛犬の様子に違和感があれば早いうちに獣医師に相談するのがオススメです。
また、定期的な健康診断も欠かさずに受けるようにしましょう。
まとめ
犬は「お腹が痛い」「足が痛い」と口で飼い主に訴えることができません。また、「弱っていることを知られたくない」という本能から、痛みをごまかそうとすることがあります。
痛みを隠してしまいがちな犬の健康チェックをするのは、飼い主の務めです。
毎日しっかり愛犬の様子を観察し、異変があればすぐに動物病院へ行って診察を受けましょう。