️「狩猟犬に向いている犬」の特徴とは
近年のジビエブームなどもあり、日本では狩猟を始める若い人たちが増えている傾向があるようです。またそのような人たちをテレビや新聞が取り上げることで、更なる狩猟人口の増加があるのではないかとも言われています。
そんな初心者ハンターの方々で、「いずれは狩猟犬を飼いたい」「狩猟犬を連れて狩猟に行きたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。
しかし、実際どのような犬が狩猟犬に向いているのでしょうか。
「狩猟犬」と一口に言っても、実は盲導犬や介助犬などのように法律で認定された基準はありません。実際に人が狩猟をする際に連れて行かれて一緒に作業をする犬や、狩猟犬の競技会に出場しているような犬全般を指して「狩猟犬」と呼んでいます。
狩猟犬の種類は、大きく分けると二つあります。獣を追い立てたり獣の動きを止めたりしてハンターの猟を助ける「獣猟犬」と、草むらに隠れている鳥を見つけて場所を教えたり、追い立てて飛び出させたりする「鳥猟犬」です。撃ち落とされた野鳥を回収してくるのも鳥猟犬の大切な仕事のひとつですね。
獣猟犬は、嗅覚に優れクマやイノシシ、キツネ、シカなどに走りまけない走力が必要です。また、近距離で獲物に対して吠え立てて足止めをする必要もあるので、精神的な強さと吠え続ける体力が大切になってきます。
このような狩猟スタイルの場合、中型犬の中で甲斐犬や紀州犬、四国犬などの日本犬が向いていると言われています。いずれも勇敢で、筋肉質な体躯を持っています。
獣たちは犬に見つかると大急ぎで逃げたり、追い詰められると反撃してくる可能性もあるため、体力の他にも胆力と忍耐力も必要です。また、アナグマやウサギの猟をする際は巣穴に潜り込む必要があるため、ビーグルのように小柄な犬や、小さく細長い体を持つダックスフンドなども適性があると言えますね。
鳥猟犬は、撃ち落とされた野鳥を見つけてハンターの元に持ち帰る仕事があるため、主に嗅覚に優れている犬種である必要があり、さらには水辺での猟の際に泳ぐことも多くなるため、泳力がある犬種が選ばれます。
また、隠れている野鳥を見つけた際に「ポイント」と呼ばれるポーズでハンターに鳥の居場所を教える仕事もあります。こちらに選ばれるのが、ポインター、レトリバー、セッター、スパニエルといった犬種です。
さらに、とても良い視力で遠くから獲物を見つけて追いかける「視覚ハウンド」と呼ばれる犬のグループも、猟犬に向いている犬種が多いですね。こちらは背が高く、とても足が速い犬種が多いのが特徴です。圧倒的な速さで一気に獲物に迫るタイプの狩りをします。
️「狩猟犬」の実際の訓練方法
ひとくくりに狩猟犬といっても、家庭で飼育される以上、基本的な躾は必ず必要になります。この躾ができていなければ、飼い主であるハンターと円滑なコミュニケーションが行われませんし、ハンターの指示を聞いてくれることがないでしょう。
特に、狩猟犬に向いている犬は賢く自立心が旺盛なことが多いため、飼い主が信頼できないと感じればすぐに言うことを聞かなくなってしまいます。愛情を持って基本的な躾を行い、しっかりと信頼関係を築くことがなにより大切です。
ちなみにここでいう「基本的な躾」とは、飼い主とのアイコンタクトやスキンシップを嫌がらずに受け入れさせること、座れ、待て、伏せ、来い、などのコマンドも含まれます。もちろんお散歩やトイレのトレーニングも必要です。日常生活を送る中で飼い主と犬との信頼関係を結ぶことが、その後のトレーニングにも有効に働きます。
狩猟犬としてのトレーニングは、犬種や狩猟の形態によって、それぞれ異なる方法で行われます。
家庭でできるトレーニングとしては、ボールやおもちゃなどを使った「もってこい」を模した回収の練習やおもちゃを隠して見つけさせる練習などでしょうか。遊びの中で犬たちが得意な技能を見つけ、それを専門のトレーナーに伸ばしてもらう方法もあります。
何より、飼い主と一緒に行動すること、飼い主の言うことを聞いて作業をしたら楽しいことがある、ということをしっかり感じてもらうようにトレーニングすることが大切です。楽しい、飼い主が喜んでいる、と犬が感じると、一層飼い主の声に耳を傾けてくれるようになります。
そのほか、専門業者にトレーニングをされている成犬を引き取ることも可能です。このばあい、訓練の内容や血統などで価格に変動があるようです。
️まとめ
今回は、「狩猟犬に向いている犬」の特徴について解説しました。
「狩猟犬」の仕事は、獲物を見つけたり追跡したりというような、狩猟のサポートをすることです。
犬の特性、性格、犬種としての特性をよく理解し、狩猟の内容に適した犬を迎えてくださいね。