犬は「時間」を理解している?
一般的に犬には「時間」の感覚はないといわれています。時間の概念は人間が作り出したものですから、犬が理解することは難しいですよね。わたしたちは1日24時間の中で暮らしていますが、犬の感覚ではどうなのでしょうか?
どんなに医療が発達しても、犬がわたしたちと同じ寿命を生きることはできません。犬の時間が流れるスピードは私たちよりもずっと早いのです。「犬の1日は人間の約7時間分」といわれます。そう考えると、愛犬との1分1秒も、より限られた大切な時間だと思えます。
犬はよく「今この瞬間を生きている」といわれますが、本当にそうなのでしょうか。家族の帰宅時間が近づくと玄関で待つという犬の話はよく聞きますし、初めて会う犬と以前会ったことのある犬とでは、愛犬の態度も異なると思います。
今までの経験則や記憶から「もうすぐ家族が帰ってくる!」「この子は前会ったことがあるな!」と認識しているといえます。私たちが思う以上に、犬は優れた時間感覚を持っているのではないでしょうか。
犬がごはんのタイミングを分かる理由
「うちの子、ごはんや散歩の時間分かってるみたい」と感じたことはありませんか。
犬には時間の感覚はないといわれているのに、なぜ分かるのでしょうか。
実は様々な要因が合わさって、犬はタイミングを理解しているのです。
体内時計
わたしたちと同じように、犬にも体内時計が備わっています。朝日を浴びることでリセットされ、時間の誤差が修正されます。
この体内時計のおかげで朝・昼・夜の大まかな時間を判別し、また眠ったり起きたりのサイクルも整えられます。何度も同じサイクルを繰り返すことにより「ごはん」や「散歩」などのルーティンを理解できるのです。
外の明るさや暗さ・気温
犬の祖先たちは外の明るさや暗さ、気温、光、影など様々なことから1日の行動を決めていました。その習性が残っており、これら複数の要因を判別して時間の感覚を掴んでいると思われます。
「外が明るくなってきたから散歩かな?」「陽が落ちて暗くなったからごはんかな?」などと予測をしていると考えられます。
飼い主の行動パターン
犬はわたしたちの行動を日常的に観察しています。ガサゴソと袋の音がすると「ごはんかな?」いつもの上着をとると「散歩かな?」というように、飼い主さんの動きから次の行動を判断しています。
例えば、飼い主さんが食事を終えた後に愛犬にごはんを与えることが習慣化していると、「飼い主さんが食べ終わったから次は自分の番!」とソワソワしたりお座りして待つこともあるのです。本当にわたしたちの行動をよく見ていますね。
犬の生活リズムを整えよう
人間同様、犬にも不規則な生活はおすすめできません。1分1秒決まったルーティンで動く必要はありませんが、生活のリズムを整えることは、犬の健康にとっても非常に大切です。
朝日を浴びる
「セロトニン」という言葉を聞いたことはありますよね。別名「幸せホルモン」とも呼ばれており、セロトニンは朝日を浴びることで分泌され、精神を安定させたり体内時計を改善する効果が期待できます。
セロトニンが不足すると情緒不安定になったり攻撃性が高まるともいわれています。ぜひ愛犬と一緒に毎日朝日を浴びましょう。
睡眠サイクルを保つ
愛犬の時間のサイクルを保つためには、睡眠がとても重要です。犬の睡眠の量や質は光の刺激によって大きく影響されます。
そのため、飼い主さんの生活スタイルが愛犬の負担とならないよう注意する必要があります。夜更かし朝寝坊が習慣化している場合は、できる範囲で改めてくださいね。
犬は不規則に細かい睡眠を繰り返します。わたしたちほど熟睡の時間は長くないですが、愛犬が気持ちよさそうに寝ているときはそっとしておいてあげましょう。
まとめ
犬に備わっている体内時計によって、「時間」の感覚はある程度持ち合わせていると考えられます。また、飼い主さんの行動パターンによって次に起こる出来事を予測することもできます。
わたしたち人間が思う以上に、犬は時間の流れを理解していると推測されます。
改めて考えると、犬の時間が流れるスピードは本当にあっという間です。
大切な愛犬の時間を少しでも充実したものとできるように配慮しながら、愛犬と共に過ごせる一秒一秒の貴重な時間を大切にしていきたいですね。