犬が「他人と仲良くできない」理由
犬と一緒の生活をしていても、家にお客さんがくることもあれば、お散歩の途中で知り合いに会うこともあります。
このとき、愛犬に愛想よくしてもらいたいものですが、実際にはあまり他人に対して仲良くしようとしない犬もいます。
では、なぜ飼い主以外の人間と仲良くしようとしないのでしょうか。
そこで今回は、犬が「他人と仲良くできない」理由について解説します。飼い主以外の人を避けるワケや原因を知って、気まずい雰囲気を解決できるようにしましょう。
1.あまり他人と会う機会がない
飼い主以外の人間と仲良くしようとしないのは、飼い主以外の人に「慣れていない」からです。
近年、犬は基本的に室内飼育されていることが多く、日常的に触れ合うのは飼い主や家族だけです。子犬のころから触れ合う人間が制限されている生活を送っていると、社会化期に適切な人間との距離感を学ぶことができません。
そのため、普段会うことがない人間にどう接してよいかわからず、知らんぷりをするようになるのです。
このような犬の場合、毎日ちょっとずつでも他人に会わせて、少しずつ触れ合い方を慣らしてあげると仲良くできる可能性があります。
しかし、急に一気に距離を縮めようとせず、毎日顔を合わせるだけにしたり、ちょっとだけ声をかけたり、というところから始めてみましょう。まずは「家族以外の他人でも怖くはない」ということを教えてあげましょう。
2.他人によい思い出がない
飼い主以外の人間に会う機会がない、あるいは会う機会が限られている場合、犬は他人に対して仲よくしようとはしなくなります。
散歩が早朝や深夜など人に会わない時間だったり、お客さんがあまり来ない家だったりすると、犬が他人に会う機会は本当に限られます。
その限られた機会が、動物病院だったりトリミングサロンだったりすると、犬は「他の人間は自分に対していやなことをする」ことが多いと学んでしまうのです。
こうすると、犬は他人に会ってもなるべく近寄らず、知らんぷりを貫き通します。近寄ってしまうと、自分が嫌いな爪切り、シャンプーや耳掃除をされると思っているのかもしれません。
こちらの場合も「それ以外の人」がいることを教えてあげると良いかもしれません。
ドッグランなどで他の飼い主さんに会わせてかわいがってもらう経験をすることで、「他人というのは嫌なことをする人ばかりではない」と教えてあげることができます。
3.興味がない
人間にも、外交的で誰とでも仲良くなれる人や元気がよい人がいれば、内向的であまり他人に興味がない人もいますよね。犬の場合も同様で、あまり人間自体に対して興味がないタイプもいるようです。
かといって、別にうなったり吠えたりというような威嚇や攻撃をするわけではありません。一応は挨拶としてにおいをかいだりちょっと撫でさせてくれるのですが、一緒に遊びたいわけでもなければそれ以上の触れ合いを求めるわけでもない、というタイプです。
無理に近寄るとあからさまに嫌そうな気配をさせたり、さっさと距離をとって逃げたりするのもこのタイプでしょう。おもちゃで誘ってもあまり乗ってこないで、一人遊びを好むタイプでもあります。
日本犬は他人に対してはこのような塩対応の犬が多いと言われています。また、犬種の差もありますが、個体差による性格差とも言えます。そのため、その犬の生まれ持った性格なのだと思ってあげたほうがよさそうです。
まとめ
今回は、犬が「他人と仲良くできない」理由について解説しました。
筆者が以前飼育していたゴールデンレトリバーは、他の犬と遊ぶより飼い主さんたちに構ってもらうほうが好きなほど、人間大好きな子でした。しかし、現在飼育している犬は、他人に対してはまさに「塩対応」で、自分がにおいをかいで満足したら知らんぷりをするような子です。
人と触れ合う経験値が多いほど他人と仲良くなれる可能性が高まりますが、個性によってはもともと人間に興味がない子もいます。
そのため、仲良くさせることを無理強いすることなく、その犬のペースに合わせてゆっくり慣らしてあげてくださいね。