一般向け犬の遺伝子テストは本当に正確だろうか?【調査結果】

一般向け犬の遺伝子テストは本当に正確だろうか?【調査結果】

一般の飼い主さんが申し込むタイプの遺伝子テストは色々な会社がサービスを提供していますが、どのくらい正確なのでしょうか。アメリカでの調査結果をご紹介します。

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犬の遺伝子テストって本当に正確なのだろうか?

犬とDNAのイラスト

犬の遺伝子テストは、一般の人にも多く知られるようになってきました。特定の病気の遺伝的因子を持っているかどうかを調べるものから、ミックス犬のルーツを知りたいというものまでさまざまな種類があります。

これらのテストは、一般消費者が自宅で犬の頬の内側を綿棒で拭ったサンプルを郵送して検査してもらうという手軽さから利用者の人気を博しています。しかしこのような消費者直販型の遺伝子テストはどの程度の正確性があるのでしょうか?

アメリカのコロラド大学医学部の研究チームは、DNA解析から犬の祖先を予測する遺伝子テストを提供している企業6社を対象にして、その正確性を検証する調査を行ないました。

遺伝子テストの会社は純血種の犬を判定できるか?

さまざまな純血種の犬

調査に参加したのは一般募集された12犬種12頭の犬たちでした。参加犬は全員が犬種団体に登録されているか、登録の資格を証明する純血種です。

犬の飼い主は愛犬の頬の内側を綿棒で擦ったサンプルを計6本提出しました。研究チームは飼い主から受け取ったサンプルを遺伝子テストの会社に送ったのですが、その際に半数のサンプルにはサンプルの主である犬の写真を添付し、残り半数には遺伝的にも身体的にも全く異なる別の犬の写真を添付して送付しました。

別の犬の写真とは、例えばチャイニーズクレステッドドッグのサンプルにブリタニースパニエルの写真を添付するといった具合です。

本来DNAの分析に犬の写真が必要な科学的な理由はないのですが、返送されて来た遺伝子テストの結果はどのようなものだったのでしょうか。

遺伝子テストを申し込む場合は会社をよく吟味する必要がある!

ロットワイラーとビーグル

研究チームがサンプルを送った6社のうち5社のテスト結果は、常にその犬が登録されている犬種を含むものでした。例えば、ある会社のテストでは100%ビーグルであると報告された犬は、別の会社のテストでは90%ビーグルと報告されていました。

これは検査の仕組みや検査に使われたマーカーにばらつきがあったからであろうと研究者は推測しています。

しかし残りの1社のテスト結果は、添付した写真をもとに推測したとしか思えないものだったといいます。この会社の報告では純血種のビーグルがプードル50%、ビションフリーゼ50%、ビーグルは0%とされていました。

この会社はまた、ジャーマンショートヘアードポインターとゴールデンレトリーバーをピットブルの血統を持つ犬として報告しています。

研究チームはこの会社をAccu-Metrics社であると明記しています。Accu-Metrics社の検査結果の報告はAKCに登録されている犬でさえ、登録と食い違っていることが多かったといいます。

Accu-Metrics社ほどではないものの、DNA My Dog社がブルドッグをオオカミの血統を持つ雑種、ビーグルをロットワイラーの血統を持つ犬と判定したことも報告されています。これらは他の会社のテスト結果では全く出てこない犬種でした。

オオカミ犬、ピットブル、ロットワイラーなどは州によって飼育が禁止されていたり、賃貸住宅や住宅保険への加入が制限されることがあります。これらの制限が遺伝子テストに基づいて行われた場合には、飼い主が大きな不利益を被ることにもなりかねません。

ちなみに実際の犬種との一致率が100%だったのは、Wisdom Panel社とDarwin's Ark社の2社であったそうです。

今回の調査では犬の祖先の血統を予測するテストだけが対象で、健康状態のテストについては調査していません。研究者は上記のような結果を受けて、病気や健康に関する遺伝子テストはその結果がより重要であるだけに、さらなる懸念材料であると述べています。

消費者が直接申し込むタイプのDNAテストを受ける場合には、サービスを提供する会社をよく吟味して注意することが必要だと呼びかけられています。

まとめ

ラブラドールとクエスチョンマーク

アメリカで犬の遺伝子テストを提供している会社に純血種の犬のサンプルを送ってどのような結果が報告されるか調査したところ、6社のうち1社は実際の犬種が全く含まれていないという結果を報告し、他にも精度の低い会社があったことをご紹介しました。

研究者は、獣医師は患者に推奨も注文もしていない遺伝子テストについて、飼い主を教育する必要に迫られているかもしれないと述べています。

人間の遺伝子テストについても規制が緩い部分についての問題が多く指摘されていますので、動物の遺伝子テストはさらに注意が必要だと思われます。

《参考URL》
https://doi.org/10.2460/javma.23.07.0372

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