愛犬が寝たきりになる理由
死期が近くなると、犬が寝たきりになることがあります。我が家の愛犬も亡くなる前の1週間、寝たきりでした。老化によって寝たきりになることは、よくあることです。
シニア犬になると、病気や症状が原因で寝たきりになることもありますし、筋力の低下や関節の痛みによって寝たきりになることもあります。起き上がろうとするけど起き上がれななかったり、立ち上がろうとするけどしりもちをついてしまったり、というような様子もよく見られます。
その一方で、『寝たきりになった後になぜか急に状態が良くなり、再びお散歩に行けるようになった』という老犬の話を聞いたこともあります。
犬も寝たきりになることには苦痛を感じます。起き上がりたくて鳴いたり、歩き回りたくて手足をバタバタさせたりします。
大事なことは、寝たきりにさせないための対策を早い段階から考え、行動することです。
シニア期に入る前にできること
ではここからは、愛犬がシニア期に入る前に、飼い主としてできることを考察してみましょう。愛犬が寝たきりになってから後悔しないように、できることは全部やっておきたいですね。
病気の可能性を考える
愛犬がシニア犬になったらどのような病気にかかる可能性があるのか、ということを事前に考えておくとよいと思います。
「超小型犬は心臓が肥大したりして心臓病にかかりやすい」など、愛犬の犬種によく起こりやすい病気について調べてみましょう。
また、避妊手術を受けていない場合は子宮蓄膿症の可能性があったり、去勢手術を受けていない場合は前立腺肥大の可能性があったりなど、犬種は関係なくかかりやすい病気などもあります。
今の健康状態を知る
「まだシニアじゃないから…」と済ませてしまうことがありますが、若く元気で健康に見えるからこそ、シニア期に入る前に、今の健康状態を知っておくことが大切だと思います。
獣医師から「この犬はここは注意して見ておいた方がいいかも」という注意点を教えていただけるので、シニア期に備えやすくなります。
標準体重を維持する
もしも今、愛犬が肥満なのであれば、シニア期に入る前に標準体重までダイエットを済ませておいた方がよいでしょう。
若いうちにダイエットできなかった犬が、シニアになってダイエットしようとすると、難易度は高くなります。
食事を減らすと栄養が偏って健康を阻害したり、筋力が低下した重い体では運動ができなくて効率が悪かったりするためです。
犬が肥満になる原因は食べ物です。犬用のおやつの与えすぎ、サツマイモやカボチャなどの高カロリーな食材の与えすぎ、人間の食べ物を与えることなどです。
寝たきりになった愛犬の介護のポイント
どんなに予防をしていても、残念ながら寝たきりになってしまう場合もあります。
飼い主として、いざというときのために、寝たきりになった愛犬の介護のポイントについて学んでおきましょう。
歩行の介護をする
寝たきりでも、介護があれば歩くことができる場合があります。介護用のハーネスを使って、筋力を維持するためにも、少しでも歩かせてあげるとよいと思います。
外に出て歩くことができるのであれば、途中までペットカートに乗って行き、安全な場所で介護用のハーネスを使って歩くのがおすすめです。
寝たきりの愛犬にとっても、介護で大変な飼い主にとっても、よい気分転換になります。
床ずれ対策をする
完全に寝たきりになってしまったときは、床ずれ対策をしましょう。「予防」と「ケア」が大事です。
圧迫されやすい部分には、床ずれ防止グッズを使うのがおすすめです。寝返りは、2時間~3時間に1回が理想です。
食事の介護をする
上半身を起こした状態で食事ができるよう、愛犬が飼い主の体に寄りかかるようにしたり、上半身を持って支えたり、サポートします。
食器のまま食べることができない場合には、スプーンや手を使って口に運んであげます。お水は、注射器やスポイトを使って口の中に少しずつ流し入れてあげます。
排泄の介護をする
基本的には、おむつを着用することになります。犬によっては「トイレに行きたい」や「出たよ」と言って鳴いて知らせることもあります。
自力で排泄することができなくなってしまったときは、膀胱や肛門を圧迫するなどの介護が必要になる場合もあります。
まとめ
過去に2匹の介護をし、今現在2匹のシニア犬と暮らす私の経験では、とにかく「筋力を低下させないこと」が、何よりの寝たきり予防になると思います。
特別な運動は必要ありません。毎日のお散歩を習慣にするだけで十分です。朝夕の2回、20分~30分程度を目安に習慣化できるとよいと思います。