安易に飼ってはいけない犬の特徴は?
どの犬種であっても安易に飼ってはいけませんが、飼育の難易度が高く特に注意が必要な犬種が存在します。以下では、安易に飼ってはいけない犬の特徴をご紹介します。
1.運動量が多い
必要な運動量は、犬種によって異なります。基本的にルーツが牧羊犬や牧畜犬、狩猟犬である犬種は運動量が多いです。小型犬や中型犬でも、大型犬と同じくらいの運動量が必要な犬種もいます。
運動量が多い犬種は毎日散歩や遊びで十分に運動をさせないと、ストレスから問題行動を起こすようになることが少なくありません。忙しい人や体力に自信がない人には、運動量の多い犬を飼うのは難しいでしょう。
2.しつけが難しい
比較的しつけがしやすいと言われている犬種と、しつけが難しいと言われている犬種があります。しつけが難しい犬種は、一般的なしつけ本の方法では上手くいかないことが多く、特に初めて犬を飼う人は苦労することになるでしょう。
例えば、独立心が強い犬種は自己主張が強く頑固なため、しつけが難しいと言われています。また賢い犬種は、飼い主を信頼できないと判断すると言うことを聞かなくなり、しつけが難しくなります。「賢い=しつけがしやすい」とは言えないので注意が必要です。
3.大きいサイズに成長する
犬を飼う際は、成犬になったときのサイズを把握しておかないと、将来的に金銭面やケアの面で苦労することになる可能性があります。
犬はサイズが大きくなるほど、医療費や飼育費の負担が大きくなります。小型犬よりも大型犬のほうがお金がかかるのです。そして抜け毛の量も体が大きくなるほど多くなり、ケアが大変になります。
4.特定犬に指定されている
一部の自治体では、条例で「特定犬制度」が導入されており、人に危害を与える可能性のある犬種を「特定犬」として指定しています。現在、特定犬制度を導入している自治体は、札幌市、茨城県、水戸市、佐賀県です。
例えば茨城県では、秋田犬、土佐犬、紀州犬、ジャーマンシェパードドッグ、ドーベルマン、グレートデーン、セントバーナード、アメリカンスタッフォードシャーテリア(アメリカンピットブルテリア)の8犬種を特定犬として指定しています。
そしてこれらの犬種を飼う場合、檻の中で飼うことと、特定犬標識を飼養場所住居の見やすい場所に貼ることを義務付けています。
特定犬を飼うには、そうでない犬種を飼う以上にその犬種の特性や気質、しつけ方などを深く理解し、飼育環境を適切に整える必要があります。居住する自治体が特定犬制度を導入していなくても、特定犬は安易に飼ってはいけないと考えたほうがいいでしょう。
安易に飼ってはいけない犬種は?
では具体的に、安易に飼ってはいけないのはどの犬種なのでしょうか。ここでは、安易に飼ってはいけない5犬種をご紹介します。
1.秋田犬
忠犬ハチ公で有名な秋田犬は飼い主に忠実で従順ですが、それは信頼関係を築き適切に社会化やしつけができる飼い主が飼ってこそ。それができない飼い主が飼ってしまうと、攻撃的になったり、言うことを全く聞かなくなったりする可能性があります。
頑固で神経質な秋田犬の社会化やしつけは簡単ではなく、初めて犬を飼う人にはかなり難易度が高いです。
また、秋田犬は日本犬の中で唯一の大型犬で運動量が多く、朝夕各1時間の散歩が必要です。飼い主には、毎日それをこなせる体力と時間が求められます。
秋田犬は、特定犬制度を導入している4つの自治体全てで特定犬に指定されており、このことからも、安易に飼ってはいけない犬種であることが分かります。
2.ボーダーコリー
ボーダーコリーは、全犬種の中で最も知能が高く運動能力も優れています。大変賢いので、しつけがしやすく飼いやすいイメージがありますが、実は安易に飼ってはいけない犬種です。
なぜかというと賢すぎるゆえに、一貫性のない態度で接する飼い主や曖昧な指示を出す飼い主を見くびり、言うことを聞かなくなることがあるからです。犬の飼育経験が豊富で、しつけが適切にできる飼い主でないと手に負えない犬に育つ可能性があります。
また元々は牧羊犬のため運動欲求や作業欲求が高く、これらが満たされないとストレスがたまり、問題行動を起こすことがあります。ボーダーコリーの飼い主には、朝夕各1時間の毎日の散歩に加えて、頭を使った遊びもできる体力と時間が必要です。
3.ビーグル
世界的に有名なスヌーピーのモデルであるビーグルも意外なことに、安易に飼ってはいけない犬種のひとつです。
ビーグルには、古くから猟犬として活躍してきた歴史があります。集団で吠えながら獲物を追い詰める猟をしていた名残で吠えやすい傾向があり、吠え癖に悩む飼い主が少なくありません。吠え声が大きいため、ご近所トラブルに発展することもあります。
ビーグルを飼うのなら、子犬の頃から無駄吠えをしないようにしつけを徹底する必要があります。
4.柴犬
柴犬も秋田犬と同じく飼い主に忠実で従順ですが、信頼できない飼い主には反抗的になることがあります。また神経質で警戒心が強い面があり、子犬の頃から適切に社会化やしつけをしないと、吠えや噛みつきといった問題行動を起こしやすいです。
そして柴犬は長い間猟犬として活躍していたため、見た目よりもスタミナがあり運動量が多め。散歩は朝夕各30分は必要です。
信頼関係を築いて適切に社会化やしつけができ、毎日の散歩をしっかりこなせる飼い主でないと柴犬を飼うのは難しいため、安易に飼ってはいけない犬種と言えます。
5.ジャックラッセルテリア
ジャックラッセルテリアは、キツネ狩りに使われていた猟犬のため、小型犬でありながら非常にパワフル。運動欲求が高く必要な運動量は大型犬並と言われています。
明るく活発な性格ですが頑固で負けず嫌いな面があるため、しつけには時間と根気が必要です。
しつけの難易度が高く運動欲求も高いことから、安易に飼ってはいけない犬種と言われています。特に初心者には向かない犬種です。
まとめ
安易に飼ってはいけない犬の特徴として、以下のようなことが挙げられます。
- 運動量が多い
- しつけが難しい
- 大きいサイズに成長する
- 特定犬に指定されている
具体的な犬種で言うと
- 秋田犬
- ボーダーコリー
- ビーグル
- 柴犬
- ジャックラッセルテリア
が挙げられます。これらの犬種を飼うには、相当の覚悟がいると考えましょう。
ご紹介したほかにも、ピットブルやシェパードなどのように安易に飼ってはいけない犬種はいます。そのため犬を飼いたいと思ったら、まずは飼いたい犬種の特性や気質などについて知識を深めましょう。
その上で自分の性格やライフスタイルに合った犬種か、また最後まで責任を持って飼うことができるか、よく考えることが大切です。