犬が散歩中に地面のニオイを嗅ぐ「クン活」とは
犬は散歩中に地面のニオイを嗅ぎまわる、通称「クン活」と呼ばれる行動をすることがあります。
人間からすると他の犬のおしっこの跡やゴミなどがあるのが心配で、「そんなところ嗅がないで~」と思ってしまうこともあるでしょう。犬を飼うのが初めての人であれば、「うちの犬、変なのかな」と不安になるかもしれません。
しかし、実は犬が地面のニオイを嗅ぐのは本能からくる行動であり、嗅覚の優れた犬にとって多くのメリットがあります。今回は、そんな犬の「クン活」について詳しくご紹介していきましょう。
犬が散歩中に地面のニオイを嗅ぐ心理
ここからは、なぜ犬が散歩中に地面のニオイを嗅ぐのか、その心理や理由についてご紹介します。愛犬に当てはまりそうなものがあるかチェックしてみてくださいね。
1.他の犬の情報を得ようとしている
犬は人間よりも一億倍も優れた嗅覚の持ち主ですので、ニオイを嗅ぐだけでさまざまな情報を得ることが可能です。
散歩の時に地面のニオイを嗅げば、そこを通った他の犬のニオイを嗅ぎ取り、相手の性別や年齢など細かいデータを調べることができます。
2.気持ちを落ち着かせようとしている
犬は地面のニオイを嗅ぐことで、不安やストレスを和らげることができます。
知らない場所に初めて散歩に行った時などは、情報収集だけでなく不安感を取り除くために一生懸命ニオイを嗅ぐ犬が多いでしょう。
犬にとってニオイを嗅ぐ行為は、本能を満たし自分の気持ちを落ち着かせるリラックス効果があるのです。
3.気になるニオイがある
犬が地面の同じ場所をしつこく嗅いでいる場合、何か気になるニオイがついている可能性があります。
他の犬のおしっこや人が落とした食べ物、他の動物の痕跡など、強くニオイが残っている場所が気になるのでしょう。
落ちている物の誤飲や汚い物を嗅いでしまう可能性がありますので、犬が何かに反応していそうな時は注意してください。
犬が地面のニオイを嗅ぐのはやめさせたほうが良い?
犬の「クン活」にはメリットとデメリットの両方があります。
犬がクン活をすることには、「ストレスの発散になる」「脳への刺激になる」「気持ちを落ち着かせられる」というメリットがあります。
一方、デメリットとしては、「拾い食いに繋がる恐れがある」「外で排泄をしやすくなってしまう」「ご近所トラブルの原因になる場合がある」などの恐れも考えられます。
そのため、犬に地面のニオイを嗅ぐ行為をやめさせるべきかどうかについては、専門家でも意見が分かれることがあります。
しかし最近では、「飼い主がOKのサインを出した時にだけ嗅がせる」ことが推奨されることが多くなってきました。
つまり、犬には普段は顔を上げて散歩する練習をし、飼い主が安全だと判断した場所でのみクン活をさせるのです。そうすれば、異物や除草剤などに犬が触れる危険性は減りますし、犬もストレスを発散させることができます。
犬に散歩中、顔を上げてもらうためには、以下の方法で練習してみましょう。
- リードを短く持つ
- アイコンタクトを取る
- 「つけ」や「ついて」のコマンドで犬を横に歩かせる練習をする
- 早歩きで散歩をする
- ご褒美を使って視線を上に向ける
「クン活」は無理やり止めてしまうと犬のストレスになるため、うまく誘導するようにしてください。
まとめ
今回は、犬が散歩中に地面のニオイを嗅ぐ心理について解説しました。
犬のクン活には、メリットとデメリットの両方があることをしっかりと理解した上で、愛犬にどう行動させるかを考えるようにしましょう。
とはいえ、地面のニオイを嗅いでいる時は、誤飲などの事故が発生する恐れがないとはいえません。
そのため、犬にクン活をさせるときは、できるだけ安全な場所で行うようにしてくださいね。