犬が『部屋のモノを破壊する』心理5つ 部屋を荒らしてしまう理由や破壊行為をやめさせる方法まで

犬が『部屋のモノを破壊する』心理5つ 部屋を荒らしてしまう理由や破壊行為をやめさせる方法まで

ちょっと目を離したり留守番をさせている間に、愛犬に家の中のモノを破壊され、部屋が荒らされたという経験をお持ちの飼い主さんは、決して少なくないはずです。犬の問題行動の中でもよくあるとされているのが、破壊行為だと言われています。犬が「部屋のモノを破壊する」心理や、理由別の破壊行為をやめさせる方法について考えてみましょう。

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その行動、犬にとってはいたずらではありません!

ボロボロのソファと犬

よく、犬が部屋を荒らした様子を見て「いたずらをして困る」という飼い主さんが多いです。いたずらを漢字で書くと「悪戯」になります。意味は、「悪ふざけ」とか「人の迷惑になることをすること」となります。

漢字に「悪」という文字もあるように、いたずらには少なからず「わざとやっている」というニュアンスがあります。しかし、犬はやきもちをやくことはあっても、悪意で人に意地悪しようという意識は持っていないと考えられています。

一緒に暮らすご家族にとっては困った問題行動であっても、それをいわゆる人間の行う意地悪とかいたずらと同じものだと考えてしまうと、間違った対処をしてしまうかもしれません。

飼い主さんにとっては大きな問題行動である、「部屋のモノを破壊する」という行動の裏に隠されている、犬の心理をご紹介した上で、理由別に破壊行為をやめさせる方法について考えてみたいと思います。

犬が「部屋のモノを破壊する」心理や理由

噛みちぎったトイレットペーパーと犬

では、まずは犬が「部屋のモノを破壊する」心理や理由について考えていきましょう。

1.歯茎のむず痒さをどうにかしたい

人間の子どもと同様に犬にも歯の生え変わる時期があり、そのときには歯茎がむず痒くなります。そのむず痒さをどうにかしようと、その時期の子犬はなんでも噛んでしまいます。だいたい、生後半年くらいの時期です。

この時期はどうしても目についたものを噛んでしまうため、誤って飲み込んでしまうと危険な素材や成分を含んでいるモノは、犬の手の届かない場所に片付けておきましょう。

2.正体を確かめたい

歯が生え変わった後も、子犬たちはまだまだ好奇心旺盛です。子犬たちは見知らぬ物を見つけると、舐めたり噛んだりして正体を探ろうとします。

そのため、まだやんちゃな子犬は、何でも口に入れてしまうことが多いのです。それでも1〜2歳程度になれば、だんだん落ち着きを見せ始めるようになるでしょう。

3.退屈で気を紛らわしたい

何もやることがなくて退屈になり、気を紛らわすために目に入るモノを次々と噛んでは壊していくという行動を見せることがあります。

飼い主さんの不在時間が長い、在宅していてもあまり愛犬にかまわないといったご家庭で見られることが多いです。

4.うっぷんを晴らしたい

日頃のストレスが溜まり、そのうっぷんを晴らすために家中を走り回り、目に入るものに噛みつき、部屋の中を荒らすことがあります。いわゆる「ストレス発散」です。

犬にとっては、思いっきり運動できないことや退屈な日々の他に、引っ越しやリフォーム、家族の増減などといった住環境の変化もストレス源になります。

5.不安を紛らわしたい

飼い主さんのことを完全には信頼できていない犬の場合、飼い主さんの姿が見えなくなると「このまま帰ってこないかもしれない」という不安にかられます。不安の度合いが強くなりすぎると、パニックを起こして部屋の中を荒らすことにつながります。

この症状を「分離不安症」と言い、部屋を荒らすだけではなく、犬自身の体調を崩したり、血が出るまで自分の足を舐めたり噛んだりすることもあります。

分離不安症になると、飼い主さんの姿がちょっと見えないだけでも不安になるため、飼い主さんの後をついて回ったり、姿が見えるまで大きな声で鳴き続けて近所迷惑になったりという問題を起こすこともあります。

破壊行為をやめさせる方法

ケージの中で留守番する犬

部屋ノモノを破壊してしまう犬の心理が分かったところで、ここからはその破壊行動をやめさせる方法について解説します。

犬が破壊行動をしてしまう理由はそれぞれ異なるため、理由別に説明していきます。

噛まれて困るものは片付け、安心して噛めるモノを与える

歯が生え変わる時期の歯茎のむず痒さは、止めることができません。子犬に噛むなといっても止めることはできません。

そのため、噛まれては困るもの、誤飲しやすい素材や形状、有毒な成分を含んでいるものなどは、犬の手の届かない場所に片付けるようにしましょう。

また、むず痒さを鎮めるために、犬専用の噛めるおもちゃなど、犬が安心して噛めるものを与えることも大切です。

犬の行動範囲を制限する、ストレス発散させる

好奇心や退屈、うっぷんなどを鎮めるために破壊行為をする場合は、ケージに入れたり柵で囲うなどで、留守中の犬の行動範囲を制限すしたり、壊されたくないものは部屋に置かない、というような対策が有効です。

しかし最も有効な対策は、犬のストレス発散をすることです。ちょっとした運動や散歩を習慣化し、留守中は知育玩具などを与え、頭を使わせることで退屈しないように工夫しましょう。

愛犬のストレスを発散させて、退屈しない生活を継続させることができれば、自然と破壊行動はおさまっていくでしょう。

信頼関係の構築、専門家への相談

常に飼い主さんの後をついて回ったり、飼い主さんの姿が見えないと鳴き続けたりするといった分離不安症の兆候が見られる場合は、「飼い主さんが帰ってこないかもしれない」という不安にかられている可能性があります。

まずは、愛犬との間に信頼関係を築くことです。忙しくても、毎日必ず愛犬と一緒に過ごす時間を作り、しっかりとコミュニケーションを図りましょう。

手に負えない場合は動物病院やドッグトレーナーなどの専門家に相談し、行動療法や投薬などと並行しながら信頼関係を構築していくことが大切です。

まとめ

破壊行動をした犬

本来、犬は見知らぬものの正体を確かめたり、狩りで獲物を仕留めたりする際に噛み付きます。噛むという行為は、犬にとってはごく普通の行動なのです。そのため、犬にモノを噛ませないようにするのは容易ではありません。

大切なものを噛んだら叱って噛まないようにしつけることも大切ですが、噛まれたくないものを噛ませないような環境を整える方が、犬にとっても飼い主さんにとっても負担がかからず理にかなった対策です。

愛犬がモノを破壊する理由を突き止め、その理由に適した対処法をとるようにしましょう。

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