犬の「外耳炎」とは
犬の「外耳炎」とは、外耳道、つまり耳の穴の入り口から鼓膜までに炎症が起こる耳の病気を指します。
耳の中で、カビの一種である「マラセチア」という真菌や細菌の繁殖が起きてしまったこと以外にも、アトピー等のアレルギー性疾患も原因のひとつにあげられます。
動物病院では耳鏡検査や耳あかの顕微鏡検査により診断することが多いです。
また症状に応じて、レントゲンまたはCTやMRIでの検査が必要になるケースもあります。
犬が「外耳炎」になりやすい理由
外耳炎は、どんな犬でもかかる病気です。犬の耳の形状や性質など、かかりやすい理由を知ることで予防につながり、早期発見もしやすくなります。
そこで今回は、犬が「外耳炎」になりやすい理由について解説します。ぜひ参考にしてください。
「外耳炎」になりやすい耳の形状
犬の耳はL字形という形状であるせいで、人間の耳と比較すると通気性が悪い状態です。
とくにビーグルなどの垂れ耳の犬種は、耳の穴が塞がってしまうため、外耳炎の原因となるカビが繁殖しやすいです。
健康な状態であれば耳あかは自然に排出されますが、何らかのトラブルを起こすと耳あかがたまりやすくなり、外耳炎を引き起こす原因となります。
また、耳毛が多い犬種も耳道が塞がりやすいため、注意しなければなりません。
アトピー等のアレルギー体質だから
アトピー等のアレルギー体質を持つ犬は、皮膚トラブルから外耳炎になりやすいです。
また、「脂漏症(しろうしょう)」と呼ばれる、皮脂が多く出たり、逆に乾燥したりするような皮膚の状態が不安定な犬も、外耳炎になりやすいといわれています。
傷をつけやすいから
犬が足で耳をかいた拍子に傷をつけてしまい、傷口から感染が起こり、外耳炎になるケースもあります。
犬は遊びや散歩の中で傷をつけてしまうこともあり、日ごろから注意しなければなりません。
「外耳炎」が悪化しやすい犬種
冒頭で犬は「外耳炎」になりやすいとお伝えしましたが、ここでは、外耳炎にとくになりやすい犬種について解説します。
ダックスフントやビーグルというような耳が大きく垂れている犬種、シーズーやプードルなどの耳の中の被毛が密集している犬種、そしてゴールデンレトリバーのような垂れ耳で耳垢が多い大型犬は、外耳炎になりやすいとされています。
ほかにも、柴犬やレトリーバーなどアレルギー性皮膚炎になりやすい犬種や、パグやブルドッグなどの短頭種、パピヨンやチワワのような小型犬など外耳道が狭い犬種も外耳炎になりやすいため注意が必要です。
犬の「外耳炎」の症状
犬が外耳炎になると、「耳にかゆみが出る」「赤く腫れる」「耳がにおう」「耳あかが増える」「黄色い耳だれが見られる」「音への反応が鈍る」というような症状が見られるようになります。
犬が耳をかいたり、地面に耳をこすりつけたり、あるいは頭を振るようなしぐさが増えたら、外耳炎である可能性を疑ってください。
犬の耳掃除は月に1〜2回程度の頻度で大丈夫です。
湿らせたコットンで耳を軽く拭き取るように行います。ただし、綿棒を使うと、耳あかを奥まで押し込んでしまいかねませんので避けた方が良いでしょう。
また、犬の耳はデリケートなので、お手入れする際はなるべく優しく触れるようにしましょう。
もし愛犬が外耳炎になった場合は、耳の洗浄や点耳薬、投薬や注射などの治療が行われます。再発しやすい病気なので、しっかり治療を行うことが大切です。
まとめ
今回は、犬が「外耳炎」になりやすい理由や悪化しやすい犬種を解説しました。
冒頭で書いたように、この病気はどんな犬でもなりやすいので注意が必要です。とくに、悪化しやすい犬種の場合はお手入れ時に異常がないか丁寧に確認する癖をつけましょう。
そして、愛犬の耳に少しでも異変を感じたら、動物病院で診察してもらいましょう。
まずは愛犬の耳の状態を確認し、異常が起きてもすみやかに気付けるようにしておきたいですね。