犬の問題行動は本当に犬が悪いの?それは当たり前の行動かもしれない
犬が何か人間にとって困る行動をした時、それは問題行動として定義されます。
しかし、犬の問題行動とは犬を悪者にするという意味ではなく、結果として人にとっても犬にとっても問題となってしまっている行動に過ぎません。
たとえば、犬が吠えるのは犬が犬である以上当たり前の行動です。
鳥が羽ばたいて空を飛ぶのが当たり前のように、犬が吠えるというのは至って当たり前のことという意味です。
しかし、鳥が羽ばたいても問題行動と言われないのに、なぜ犬が吠えると問題行動として捉えられてしまうのでしょうか。
それは、人間にとって不都合と感じるかどうかで判断されているからです。
吠えることによって近所迷惑になっているのではないか?飼い主さん自身の生活がストレスになっていないか?など、犬が吠えることで起こりうる問題は確かに存在します。
ですが、同時にそれは犬にとって当たり前の行動をしているだけ、というのを忘れてはいけません。
それを無視して「これは問題行動だ!しつけなければ!」となるのは、とても犬に対しフェアとは言えないでしょう。
犬の行動をよく観察して見つかる解決の鍵
とはいえ、やはり不都合が生じてしまっている犬の行動にはどうにか対処したいですよね。
それ自体は間違いではないと思います。ただ、対処をすべき対象を犬ではなく環境に目を向けてみてほしいのです。
たとえばテーブルにのぼって食べ物を取ってしまうのであれば、テーブルに登る必要がないように片付けることで問題が解決します。
もしテーブルの上に何もなくても登ってしまうのであれば、テーブルに登れないようにテーブルを高くしたり、椅子を上げるなどしてアクセスしにくくすれば良いのです。
吠えるのであれば、何に対してどんな時に吠えるのかを観察し見極め、そのきっかけとなっている対象にアプローチできれば、それに対して吠えることもなくなるでしょう。
このように、犬をどうにかしようとするのではなく、生活の中で犬を取り巻く環境にアプローチすることで、犬の問題行動と呼ばれるものを解決することができます。
犬を観察しなぜ問題行動が出現してしまうのか?それを知るためには、環境に目を向けなければなりません。
解決の鍵は犬の行動を観察して環境を見ることだということを、ぜひ忘れないよう意識してみましょう。
犬との問題が悪化する前に早めにプロに相談しよう
観察し環境を整えることでほとんどの問題行動は解決しますが、それでも介入が必要なケースも確かにあります。
もしくはまだ環境にアプローチできるだけのカードが存在することを知らず、どうすればいいのかわからない状態に陥っている場合も少なくありません。
そこで、もしも自分だけではうまくいかないようであれば、ぜひ早い段階で行動と環境を観察し、そのために手助けができるプロに相談してみましょう。
動物福祉と応用行動分析学を正しく学んでいるプロが近年増えてきています。
そうしたプロは決して飼い主さんと犬のせいにせず、そして罰を使うことなく人道的な手助けをしてくれるので、犬にとっても人にとってもポジティブな取り組みができます。
また、必要なら行動学を専門にしている動物病院への相談も、ひとつの選択肢にいれてみてください。
まとめ
人が問題だと感じている行動は、犬自身もどうしたらいいのかわからず困っています。
お互いの幸せと豊かな暮らしのためにも、よく犬の行動と環境を観察して、犬が問題行動と言われるような反応をしなくていいように手助けしてあげてください。
それでもうまくいかない、どうしたらいいかわからない場合は、悪化してしまう前にプロに相談しましょう。