シニア犬の食事はいつから切り替えるべき?
総合栄養食には、「○歳~」と表示されているものもありますが、シニア犬の食事を切り替えるタイミングを年齢で推し量ることは難しいです。
これまで4匹のシニア犬をお世話してきた私個人としては、「犬それぞれに切り替えるタイミングがあり、シニア犬ほど健康面を重視した切り替えが重要である」と考えています。
「○歳だから切り替えよう」ではなく、どうしても食事を切り替えなければならない状況が起こる、と考えておくとよいのではないかと思います。
- ドライフードを上手く噛むことができなくなってきた
- 頻繁に消化不良を引き起こすようになった(嘔吐や下痢を繰り返す)
- ごはんを食べ残すようになった(1回の食事量が減った)
- 病気で療養食と投薬が欠かせなくなった
- ごはんの好き嫌いをするようになった
- 飼い主が与えたときではなく、自分が食べたい時間に食べるようになった
シニア犬になった愛犬の食事を切り替えようと考えるタイミングは様々にあります。今なのかな…と思われる瞬間があれば、かかりつけの獣医師にも相談してみましょう。
シニア犬用「ごはんの選び方」とは
では、シニア犬用のごはんを選ぶ際には、どのようなことに配慮して選ぶべきなのでしょうか。
1.消化しやすい原材料が使われていること
シニア犬には、消化しやすい原材料が使われているごはんを選ぶのがおすすめです。
犬は雑食ですが、肉食に近い食性であるため、牛肉・豚肉・鶏肉など、肉類が原材料として使われているごはんは消化しやすいと言えます。
原材料の表示は、「肉類」ではなく、「鶏肉」というように、おおまかな分類名ではなく、食材名そのものが表示されている方が安全です。
また、原材料の1番最初に肉類の食材名が表示されているものが、最もおすすめできます。
2.食物繊維が適度に含まれていること
「水溶性食物繊維」と「不溶性食物繊維」をバランスよく含んだごはんは、シニア犬の腸内環境を整えてくれます。
水溶性食物繊維を摂りすぎると、うんちが緩くなったり、下痢になったりすることがあります。不溶性食物繊維を摂りすぎると、便秘になったり、切れ痔になったりすることがあります。
ごはんを変えたとき、これまでと比べて「硬い・ちょうど良い・緩い」など、うんちの状態をよく見て判断するとよいと思います。
3.食べやすいこと
シニア犬になると、噛む力が弱まります。
小粒でも、分厚いごはんは上手く噛めないことがあります。大粒でも、薄いごはんなら上手く噛めることがあります。
どうしても今のごはんでなければ食べてくれないけど噛みづらそうだな…というときは、細かく砕いたり、お湯をかけてやわらかくしたり、工夫して与えるとよいと思います。
4.サポート成分が含まれていること
老化による機能の低下をサポートしてくれる成分が含まれているごはんがおすすめです。
ビタミンEやベータカロテンには抗酸化作用があり、エイジングケアに役立つ成分です。カルシウムやグルコサミンは、骨や関節の健康をサポートする成分です。DHAやEPAは脳を活性化させ、認知症予防や改善に期待できます。
また、ナトリウムやリンの含有量をシニア犬に合わせて調整されたごはんは、腎臓と心臓の健康維持に繋がります。
健康診断を受け、愛犬の健康状態を知り、どんな栄養素が必要で、どんな成分の摂りすぎに注意しなければならないのかなど、総合的に判断するとよいと思います。
まとめ
シニア犬用ごはんの選び方を4つ解説しました。
- 消化しやすい原材料が使われていること
- 食物繊維が適度に含まれていること
- 食べやすいこと
- サポート成分が含まれていること
愛犬はシニア犬だけど、「いつごはんを切り替えるべきなのか」と悩むことがあるかと思います。
我が家では、頻繁に消化不良を引き起こすようになったこと、病気で療養食が必要になったことが、ごはんを見直そうと考えるきっかけになりました。
(せっかく買ったけど、食べてもらえなかったらどうしよう…)と考えることもあるのではないでしょうか。
動物病院では、1食分のサンプルをいただける場合が多くありますので、シニア犬になった愛犬の健康診断もかねて、食事相談をしてみてくださいね。