成長してほかの犬と遊ばなくなる理由
子犬の頃はじゃれあって他の犬と一緒によく遊んでいたのに、成長したらそのような様子はあまり見られなくなった…と寂しく思うこともあるのではないでしょうか。
そこで今回は、犬が成長してほかの犬と遊ばなくなる理由について解説します。
1.大人になったから
人間同士でも同様の事が言えますが、子どもの頃は同級生と体をぶつけあったり一緒に笑い転げたり、様々な遊びを共有するものです。その遊びを通じて心身共に大人になっていくのですが、成長して大人になると、子どものように誰彼構わずに遊びに付き合うということはなくなります。
犬も同様で、子犬の頃は誰彼構わず近くにいれば誰でも遊びの仲間としてくんずほぐれつ取っ組み合いをしたり、お互いに跳ねまわったりするものです。そこで体力を付けたり社会化をしたりします。しかし、成長していくと同時に、気が合う仲間、あるいは飼い主とじっくり付き合うようになるのです。
2.社会化がうまくいっていない
散歩の途中やドッグランなどで、飼い主となら遊んだり走ったりできるけれど、他の犬が来ると途端に態度が変わってはいないでしょうか。
もし「けたたましく吠える」「威嚇する」「逃げる」などの行動が出る場合は、その犬が「社会化が出来ていない状態」であると言えます。
「社会化」とは、犬が周りの環境や人、犬の社会に順応する力を養うことを指します。
およそ生後3週齢から14週齢ほどの時期を「社会化期」といい、この時期にたくさんの遊びやふれあいによって様々な経験をしておくと、その後も社会に順応しやすい傾向がみられるる、と言われています。
幼い時期に母犬や兄弟犬と離れた子犬の場合、他の犬との接し方、付き合い方を学んでいないことが多く、そのため、大人になっても犬同士で遊ぶことができずに怯えてしまうことが多いのです。
他の犬と遊べない愛犬に飼い主がしてあげるべきこと
付き合い方が分からず、他の犬に対して威嚇したり、怯えたりということが多いと愛犬もストレスがたまることでしょう。他の犬や飼い主さんに迷惑がかかることもありますし、けたたましい吠え声などをあげる場合は近所迷惑になってしまうこともあるでしょう。
犬達の穏やかな生活のためにも、社会化をさせることはとても大切です。子犬のうちに様々な体験をさせてあげるほうが良いのは言うまでもありませんが、成犬になっても根気よく慣れさせることは可能です。
成犬になってから社会化をさせる場合、とにかく、何に対しても「ゆっくりと時間をかけて」慣らしてあげるように配慮しましょう。新しいものを見せるとき、知らない人に会わせるとき、他の犬に会わせるときなど、いきなり犬に近づけてはいけません。新しいもの、ことに対する警戒心がより強められてしまう可能性があります。
また、お散歩は知らない音やにおいに出会ったり知らない人とすれ違ったりする経験が得られ、社会化に最適です。慣れてきたら一本だけ違う通りを歩いてみたりすると、また新しい刺激が得られます。
毎日少しずつ、遠くから少しずつ近づけたりにおいを嗅がせてみたりして、ゆっくり犬の気持ちに寄り添って慣らしてあげてください。
その際、飼い主さんに焦りは禁物です。飼い主さんがいつも通りにリラックスしている表情を見せることで、犬たちは余計な緊張をせずに過ごすことができるからです。
まとめ
今回は、成長して他の犬と遊ばなくなる理由について解説しました。
人間の子どもにも個性や相性があり、小さい子どものうちは一緒に遊べたけれど少し大きくなったら気が合わなくなった、ということはよく見られることです。
同様に、犬も成犬になって犬同士で遊ばなくなるというのは、割と普通にある事です。犬の場合も成長するにしたがって個性や相性が強調され、自然と仲良くなることもあれば付き合おうとしなくなることもあるのです。
社会化が出来ている犬も、出来ていない犬も、犬が嫌がる素振りを見せたら無理に犬同士の交流をさせないなど、愛犬の気持ちに寄り添ってあげてくださいね。