犬を興奮させすぎないことの大切さ
犬は、嬉しい時や警戒している時、また何か要求があるのにそれが叶わずにストレスが溜まった時などに興奮してしまいます。
一旦興奮してしまうと、周囲からの刺激により興奮度が増してしまうことも多く、落ち着かせるのが難しいこともあります。
愛犬があまりにも興奮した場合、道路に飛び出して事故に遭う、見知らぬ人や犬に飛びかかったり大きな声で鳴き続けたりして近所迷惑になる、動物病院でなかなか検査できない、災害時にスムーズに避難できないなど、困ることが多いです。
逆に、飼い主さんが愛犬を落ち着かせられるようになれば、毎日のお散歩がさらに楽しくなる、愛犬と一緒に旅行しやすくなる、動物病院でも興奮しなくなるなど、愛犬と飼い主さんの双方の負担が軽くなり、より楽しく暮らせるようになるでしょう。
犬を落ち着かせることができる言葉
犬を言葉で落ち着かせることができるようになれば、あらゆる場面でお互いの負担が軽くなり、より楽しく暮らせる可能性があることがわかりましたね。
そこで今回は、飼い主さんが興奮している愛犬にかけることで落ち着かせられる言葉をご紹介します。ぜひ愛犬との暮らしの中で活用してみてくださいね。
1.愛犬の名前
愛犬の名前を呼び、注意を飼い主さんに向けさせましょう。
まだしつけが不十分でも、「名前を呼ばれると良いことがある」と分かっていれば、名前を呼ばれることで飼い主さんに意識を向けるようになり、アイコンタクトも図れるようになります。
そのためには、愛犬を褒めるときには必ず名前を呼び、叱るときには決して名前を呼ばないようにしましょう。
2.オスワリ
初期段階で教えるべき基本のしつけが「オスワリ」です。
いつどんな状況でも愛犬に「オスワリ」をさせられれば、過度な興奮状態にさせずに落ち着かせられるようになります。
名前を呼び、愛犬とアイコンタクトを図れるようになったら、「オスワリ」で落ちついて座れるようにさせましょう。
3.マテ
「マテ」も、重要なしつけのひとつです。
オスワリができるようになったら、「マテ」でじっと待てるようにさせましょう。
興奮の原因となったモノへの注意を断ち切れるため、「マテ」でじっと待てるようになれば、道路への飛び出しや人への飛びかかりも止められます。
4.フセ
犬が前脚の肘の部分とお腹を地面につけた姿勢が「フセ」です。これは、犬がリラックスしたときの状態に近く、体への負担も軽い姿勢です。「フセ」をさせることで、興奮状態だった愛犬も落ち着くことができるでしょう。
5.オイデ
散歩中などに相性の悪い犬や子どもとすれ違って興奮しそうだったり、不意に大きな音を聞いて興奮し始めてしまったり、ということもありますよね。
このような場合に、「オイデ」で愛犬を飼い主さんの下に呼び寄せられれば、飛び出しや飛びつきなどの事故を防いだり、過度に興奮させるような事態を回避させられます。
6.ハウス
インターホンのチャイムや来客時に興奮しやすい犬の場合は、チャイム音がなったときに、「ハウス」で自分のケージやクレートに入れさせましょう。
犬にとってハウスやクレートの中は自分だけの安全領域なので、警戒心や不安感を払拭して落ちついて過ごせます。
7.こんにちは!
愛犬へ掛ける言葉ではありませんが、散歩中に見知らぬ人とすれ違う際、飼い主さんの方から相手の方に、笑顔で「こんにちは!」と明るく挨拶をすることで、愛犬に「この人に対して警戒する必要はない」と間接的に伝えることができます。
警戒心の強い犬の場合は、過度な興奮の予防として効果が期待できます。
指示語を決める際のポイント
愛犬が過度に興奮しそうになった場合、愛犬を座らせたり伏せさせたり呼び寄せたりすることで、愛犬を落ち着かせることができます。
今回の言葉は、犬への基本的なしつけとしてごく一般的に使われている指示語をそのままご紹介しました。
同じ効果を果たせるのであれば、「オスワリ」「マテ」「フセ」「オイデ」「ハウス」といった指示語をそのまま使う必要はありません。例えば「オスワリ」ではなく「スワレ」とか「シットダウン」でも問題ありません。
指示語を決める際のポイントは、「短く、犬にとって聞き取りやすい音」であることです。そして、一つの指示に対して必ず一つの指示語を使うことが重要です。
例えばお父さんは「スワレ」、お母さんは「オスワリ」、お子さんは「シットダウン」とバラバラの指示語を使うのは、犬が混乱するため避けましょう。
指示語はご家族内で統一し、上手にできたら必ずすぐに褒め、何度も繰り返して練習することで、確実に身につけさせましょう。
まとめ
今回は「犬の名前」や「オスワリ」「マテ」「フセ」「オイデ」「ハウス」といった指示語、「こんにちは!」という挨拶など、ぜひ使ってほしい日常で使える神ワードとなりうる「犬を落ち着かせるための言葉」について解説しました。
愛犬が過度に興奮してしまうと、道路に飛び出して事故に遭ったり人にケガを負わせたりしてしまう場合があります。それを防ぐためには、飼い主さんが愛犬を落ち着かせられなければなりません。
ぜひ今回解説した言葉を普段の生活で活用してみてください。すでに使っているという方も、今一度基本を見直すきっかけにしていただければ幸いです。