犬の「花粉症」の症状とは
実は犬にも花粉症があり、中にはアレルギーの症状を発症してしまう子もいます。正確に言えば人のような涙や鼻水が止まらなくなる花粉症というより「花粉による身体各所に発症するアレルギー反応」になります。
春になると、花粉症をお持ちの方は、花粉を払い落としやすい衣服を着たり目鼻に花粉が付かないようにマスクやゴーグルをしたりというような防御対策をしていらっしゃいます。
しかし犬の場合は全身が毛皮で覆われているため、どうしても外で浴びた花粉を室内へ持ち込んでしまいますよね。
また、犬の場合の花粉症は、人間ほど強い症状がでることは少ない上、多少の花粉に触れた程度では問題にならないことが多いため、それほど心配することはありません。
しかし花粉症は紛れもないアレルギー症のひとつですので、たくさんの花粉というアレルゲンに接すると、犬でも身体のなかで免疫が過剰に反応し、様々な症状を発症してしまいます。
そこで今回は、犬の「花粉症」の症状について解説します。最近愛犬の調子がどうも…という場合にはぜひ確認してみてくださいね。
1.皮膚炎
犬の場合、花粉によってアレルギー症状が出やすいのが「皮膚」といわれています。
「普段より体を痒がる」「体の一部を気にしてしきりに舐める」「激しく掻きすぎて毛が抜けている・血が出る」などの症状が出た場合、花粉による皮膚炎が発症しているかもしれません。
皮膚炎を起こすと掻いたり舐めたりをしますが、それを続けてしまうと、掻いたり舐めたりする刺激で炎症が悪化するため、早めの治療が必要です。
春が近づいてくるにつれ、愛犬の脱毛やフケが増えて気になってきた…という場合は、皮膚炎を起こしていないか、十分にチェックしてあげましょう。
2.目やにが増える、目の周りが赤くなる
それまでなんともなかったのに、春が近づいてきた途端に涙目になっていることが多かったり、特定の季節になると目やに、目の周りの赤みなどが見られるようになったりということがあれば、それは花粉症の症状かもしれません。
これにくしゃみや鼻水というような症状が加わると、犬の場合も花粉症を疑います。
上記の皮膚炎と同様に、愛犬が赤くなっている目の周りを気にしてしきりに掻いたりしている場合、そのままにしておくと炎症が進んでしまう恐れがあります。また目がかゆくて搔いていることが続くと、爪などで眼球を傷つける恐れもあるため、早めに治療してあげましょう。
3.咳や喘鳴がある
あまり多くはありませんが、咳が続いて呼吸音に「ぜいぜい」という喘鳴が聞こえる場合、アレルギーによる気管支炎や喘息を起こしていることがあります。
激しい咳が続く、呼吸音がいつもと違うと気が付いた場合、速やかに動物病院を受診しましょう。放置すると呼吸困難を起こしてしまう可能性があります。
犬の「花粉症」の原因と予防
犬の花粉症の原因は、人間ほどはっきりとは分かっていません。しかし「花粉症」なので、植物の花粉を多く吸入してしまったり接触してしまうことによって引き起こされます。
花粉症を引き起こす原因は、スギ、ヒノキ、シラカバというような春の花粉や、秋のブタクサ、ヨモギというような花粉の場合があります。(愛犬のアレルゲンはなんだろう?)と気になった場合は、動物病院で検査をしてみても良いかもしれません。
また花粉症は、アレルゲンに接する機会や、アレルゲンに接した量が減れば減るだけ症状が出なくなります。
そのため、犬をお散歩に連れて行った際など、室内に戻る前に、十分に愛犬の花粉を落としてあげることが大切です。濡れタオルで身体全体を拭ってあげたり、ブラッシングを念入りにしたりすることで、アレルギー発症の可能性を減らしてあげましょう。
さらに、こまめなシャンプーで皮膚を清潔に保つことも必要でしょう。長毛種、大型犬などでなかなかシャンプーが大変という場合は、着脱しやすいサラサラの手触りの服を着せて散歩をし、玄関でそれをちゃんと脱ぐという方法もあります。
とにかく、花粉を皮膚に残さない、部屋に入れない、ということを徹底しましょう。
まとめ
今回は、犬の「花粉症」についてまとめてみました。
人の花粉症対策同様、花粉に触れる機会を極力減らし、シャンプーや保湿ケアしてあげると良いようです。
季節性の皮膚炎症状がみられる場合は犬の花粉症の可能性もありますので、獣医さんに相談してみてくださいね。