犬が電柱のニオイを嗅ぐ理由
散歩で道を歩いていると、電柱のニオイを嗅いで回る犬は少なくありません。夢中になってニオイを嗅ぐ犬のリードを引っ張って、「早く行こう!」と急かしたことがある飼い主さんも多いのではないでしょうか。
犬が電柱のニオイを嗅ぐ大きな理由として考えられるのが、「情報収集をするため」です。
犬は、マーキングなどのために電柱や塀などに排泄をすることが多くあります。そのため、電柱には犬の排泄物のニオイが残っていて、他の犬はそのニオイを嗅いで情報収集しているのです。
犬はお尻のニオイを嗅ぎ合ってあいさつをすることからもわかりますが、排泄物にはその犬が持つ様々な情報が含まれています。性別や体調をはじめ、犬の個体識別ができるような情報がわかるので、動物にとっては情報交換をする大切な方法のひとつなのです。
そのため、いつもの道で電柱のニオイを嗅いで歩くのは、犬にとっては地域の掲示板や新聞を読んでいるようなものかもしれません。
犬が電柱のニオイを嗅ぐリスク
犬が電柱のニオイを嗅ぐには「情報収集」ということが分かりましたが、この行為自体にはリスクはないのでしょうか。
ウイルスや細菌感染
犬が電柱のニオイを嗅ぐのは、他の犬の排泄物のニオイを嗅いで情報収集しようとしているからだと考えられます。それは犬にとって大切なことですが、おしっこやうんちには様々な菌やウイルス、病原体が存在している可能性があります。
そのため、電柱に残った菌や病原体に触れることで、病気に感染してしまうリスクもあるということを覚えておきましょう。
縄張り意識を持つ
電柱のニオイを嗅ぐだけでなく、ニオイを嗅いだあとに自分も排泄する場合、縄張り意識を持っている可能性があります。
電柱のように目印になるような場所に、マーキングとして排泄をすることは、「この辺りは自分の縄張りだ」と主張していることにもなります。
必ずしも「排泄=マーキング」というわけではありませんが、他の犬の排泄物の上に排泄をしたり、電柱の高い位置に排泄をしたりする場合は縄張りを主張しようとしていることが考えられます。
そのため、電柱のニオイを嗅いで排泄をする、という行動を日常的にくり返していると強い縄張り意識を持って、他の犬に対して攻撃的な態度を取るようになってしまう可能性もあるので注意しましょう。
犬の散歩で注意すべきポイント
前述したように、犬が電柱のニオイを嗅ぐ行動には、いくつかのリスクが伴います。そのため、散歩中に電柱のニオイを嗅ぐことはあまりおすすめできることではありません。
また、電柱のニオイを嗅ぐことに執着するあまり、散歩で飼い主さんのことを無視したり、自分の好きなように歩こうと主導権を握ろうとしたりすることがあります。
さらに、歩道にある電柱のニオイを嗅いで歩いていると、他の通行人の迷惑になることもあるのでできるだけやめた方がいいでしょう。
ただし、犬にとってニオイ嗅ぎをすることは、楽しみのひとつでもあります。そのため、公園など危険のない場所でニオイ嗅ぎをさせたり、他の遊びを提案してあげたりして、散歩の楽しみを作ってあげましょう。
まとめ
犬が電柱を嗅ぐことは、本能的な行動としてごく自然なことです。しかし、その行動にはいくつかのリスクがあるため、あまりにも執着して匂っているのはあまりおすすめできることではありません。
犬がニオイを嗅ぎたいと思う本能は、別の場所や遊びで満たすようにして、リスクを避けながら楽しくお散歩をするようにしてください。