犬のケンカと遊びの違い
愛犬や他犬の安全と命を守るためには、犬のケンカと遊びの違いを理解しなければなりません。
ケンカと遊びの違いを見極めるコツ、見守るのか止めるのかを判断する目安を解説します。「どちらなのかよく分からなくて対応に困る!」というときにお役立てくださいね。
相手の異変にすぐ気づくかどうか
遊びであるときは、相手の異変にすぐ気づき、咄嗟の対応を取ることがあります。
じゃれ合って遊んでいるとき、取っ組み合って遊んでいるとき、相手が「キャンッ!」と甲高い声を上げることがあります。体のどこかに痛みを感じたのでしょう。嬉しくて楽しくて興奮し、つい力が入ってしまったのです。
相手の異変にすぐ気づいた犬は、サッと体を離し、我に返った様子で真顔になり、相手の様子をうかがったり、飼い主とアイコンタクトしたりすることがあります。自分まで驚いてしまい、(どうしよう…!?)と焦っているのです。
噛んでもすぐに放すかどうか
相手の手足やしっぽをパクッと噛むことがあります。遊びによる甘噛みなのか、ケンカによる本気噛みなのかは、すぐに放すかどうかで判断することができます。
相手が痛がったとき、飼い主が止めに入ったとき、すぐに放すのであれば、それは遊びであると判断することができます。
相手が痛がろうと、飼い主が力ずくで引き離そうとしようと、それがケンカであるときは絶対に放そうとしません。勝ち負けが決まるときまで噛んで放そうとしないのです。
犬がケンカをしたときの対処法
ケンカをしているのか、遊んでいるだけなのか、判断が難しい場合もあると思います。どちらなのか分からないときは、止めに入ってください。
遊びであったとしても、犬を興奮させてしまってはいけません。興奮してしまう前に犬を引き離し、遊びにも休憩をはさむようにしましょう。
「上下関係を確かめるためにケンカをするんだ」と言われることがあるかもしれませんが、それはケンカではありません。攻撃しているわけではないからです。本気で噛むこともありません。
とくに大型犬同士の喧嘩は、飼い主が仲裁に入ることも難しくなります。咬みついていれば、牙が食い込んでいます。絶対に放さないぞ!という強い意志があるからです。
着ている服、ブランケット、お散歩バッグなどを使って、犬の顔を覆いましょう。視界を遮ることで、放すことがあります。
犬の顔に水をかけることも有効的です。嫌がって放すことがあります。スマートフォンの音量を最大にし、アラーム音や着信音を耳元で聞かせるという方法もあります。驚いて放してくれることがあります。
やってはいけない対処法
女性が甲高い声をあげることは、やってはいけない対処法です。パニックになった女性の飼い主が「キャアーッ!」と叫ぶ声は、ケンカ中の犬の興奮を高めてしまうことがあります。
首輪を掴んで引っ張ることは、やってはいけない対処法です。ケンカ中の犬の興奮を高めてしまい、咬みついている口元にさらにグッと力を入れてしまうことがあります。
咬みついている犬の口元をこじ開けようとするのは、やってはいけない対処法です。一瞬は放すかもしれませんが、また咬みつきます。対象が犬から人の手に変わってしまうこともありますので注意しましょう。
まとめ
犬同士のケンカと遊びの違いは、飼い主でも見極めが難しいことがあります。最も重要なことは、ケンカに発展してしまう前に犬を引き離すということです。
長く犬と暮らしていると、(あ、これはケンカになるかもしれないぞ)という犬の反応に気づくことがあります。
遊びのまま終わる場合もありますが、(ケンカになりそうだな…)と感じていられる間に引き離すようにしましょう。遊びにもクールダウンが必要なのです。