犬に渡してはいけないものは?
私たちの身の回りには、犬に渡してはいけないものがあります。一見、何の害もなさそうなものが、実は犬にとって危険ということがあるので注意が必要です。
飼い主がうっかりそのようなものを愛犬に渡してしまうと、誤飲などのトラブルを引き起こし、最悪の場合は命を落とすこともあります。以下では、犬に渡してはいけないものを具体的にご紹介します。
1.紐状のもの
糸や毛糸など、紐状のものは一見、そんなに危険に思えないかもしれません。しかし、犬が紐状のものを飲み込んでしまうと、非常に危険なため注意が必要です。
犬が紐状のものを飲み込み、それが消化管の途中で引っかかってしまった場合、腸がアコーディオン状に折りたたまれて、腸閉塞を起こします。症状が進むと、腸が壊死したり腹膜炎を起こしてしまい、命に関わります。愛犬に紐状のものは、絶対に渡さないようにしましょう。
2.布類
タオルや靴下などの布類をおもちゃ代わりに噛むのが好きな犬は多いですが、噛んでいるうちにその一部を飲み込んでしまうことが少なくありません。
犬が布類を誤飲した場合、食道や腸で詰まるおそれがあります。また、噛んで裂いた布類が紐状になることもあり、それを飲み込むと先述の通り非常に危険です。
愛犬にタオルや靴下などを渡さないようにすることはもちろんですが、置きっぱなしや脱ぎっぱなしにも要注意です。
3.口の中に収まるサイズのおもちゃや壊れやすいおもちゃ
犬用のおもちゃなら安心して愛犬に渡せる気がしますが、おもちゃの大きさや素材によっては危険です。愛犬の口にすっぽりと収まってしまうサイズのおもちゃは、誤飲して窒息や腸閉塞を引き起こす可能性があります。
また壊れやすい素材のおもちゃは、噛んで遊んでいるうちに破損してしまい、破損した欠片を飲み込んでしまうおそれがあります。安全に思えるロープのおもちゃも、ほつれやすいものは誤飲につながりやすいです。
愛犬には飲み込む心配のないサイズ、かつ耐久性の高いおもちゃを渡しましょう。
4.硬すぎる噛むおもちゃ
犬のおもちゃには耐久性の高さが求められます。噛むおもちゃは、特にそうです。とはいえ、硬すぎると犬の歯が折れたり欠けたりするリスクがあります。犬の歯は丈夫なイメージがあるかもしれませんが、人よりも歯のエナメル質が薄く、意外と脆いです。
飼い主がおもちゃに爪を立ててもくぼまないようなら、そのおもちゃは硬すぎます。そのような硬すぎるおもちゃは、愛犬に渡さないようにしましょう。
5.中毒を引き起こす食べ物
人間が食べても全く問題ないものでも、犬が食べると中毒を引き起こす危険がある食べ物があります。
例えば
- チョコレート
- ぶどう、レーズン
- ねぎ類(玉ねぎ、にら、にんにく、長ねぎなど)
- キシリトール入りの食品
などが挙げられます。
愛犬がこれらの食べ物を食べることによって命を落とすこともあるため、絶対に渡してはいけません。
犬が誤飲をした場合の対処法は?
飼い主が気をつけているつもりでも、愛犬が誤飲をしてしまうことがあるかもしれません。愛犬が誤飲した場合、飼い主はすぐに動物病院に連絡をして獣医師の指示を仰ぎましょう。
動物病院へ連絡の際には、以下のことを分かる範囲で伝えましょう。
- 何時頃誤飲したのか
- 何を誤飲したのか
- どのくらいの量を誤飲したのか
- 下痢や嘔吐などの症状はあるか
獣医師から受診の指示が出た場合は、誤飲したものの現物または成分表示のある箱やパッケージを持参すると、診察に役立ちます。
インターネットでは、犬の誤飲の応急処置法として、食塩やオキシドールを飲ませて吐かせる方法が載っていますが、それを飼い主の自己判断で行うのは危険です。状態を悪化させる可能性があるため飼い主は何もせず、まずは動物病院に連絡しましょう。
また口や肛門から紐状のものが出てきていても、それを引っ張ってはいけません。無理に引っ張ると消化管を傷つけるおそれがあります。
まとめ
今回は、犬に渡してはいけないものとして、次の5つをご紹介しました。
- 紐状のもの
- 布類
- 口の中に収まるサイズのおもちゃや壊れやすいおもちゃ
- 硬すぎる噛むおもちゃ
- 中毒を引き起こす食べ物
これらのものは、誤飲トラブルなどにつながる可能性があり、命に関わることもあるため、愛犬に渡さないようにしましょう。これらのものに限らず、もし愛犬が誤飲してしまった場合は、すぐに動物病院に連絡し、獣医師の指示を仰ぐことが大事です。