犬が「今は触られたくない」と飼い主に伝えているサイン
犬はその人懐っこさもあり、いつでも触れてOKと思っている方もいるかもしれません。
もちろん、犬は基本的にスキンシップは大好きですが(今は触られたくないな…)と思うときもあります。
犬は言葉を話せない分、ボディランゲージやカーミングシグナルを使って伝えてきているのです。
そこで今回は、犬が「今は触られたくない」と飼い主に伝えているサインについて解説します。飼い主として、そのサインを正しく理解することが大切なのです。
1.目を合わせようとしない
犬が目をそらすのは「あなたに敵意はありません」という意思表示です。
しかしその一方で、近寄ってきた相手に「近づかないで」というネガティブな意味も持ち合わせています。
目線を外すことで「今は触らないでください」とアピールしているのです。中には顔全体をそむけて拒否することもありますので、そんなときは構わないようにしましょう。
2.あくびが多い
人間と同様に、犬も眠いときにあくびをします。たくさん遊んだ後やご飯を食べた後など、リラックスしているときによく見られます。
しかし実は犬が(ちょっと嫌だな…)と思っているときのストレスサインでもあることをご存じでしょうか。
愛犬の体を触り始めたらあくびをした、という場合は明らかにストレスサインですので、一度手を止めてみましょう。また、少し緊張したような表情や体が強張っている場合は「今はやめて」というサインかもしれません。
3.舌なめずりをする
犬が自分の鼻や口周りをなめる仕草は、不安やストレスの表れです。鼻や口をなめることで、自分自身を落ち着かせているのです。
なお、空腹のときにも同じような仕草をしますので、前後の状況などから見極めが必要です。
愛犬に近寄ったときや触ろうとしたときに舌なめずりをするようなら「距離をとってほしい」「今は触られたくない」というストレスサインかもしれません。
4.飼い主さんと距離をとる
愛犬の名前を呼びながら撫でようと近づくと、気配を察知して飼い主さんから離れることがあります。これは「今はひとりでいたい」というサインです。
このような場合も、愛犬の気持ちを尊重してそっとしておいてあげましょう。
物理的に距離をとられるので少し寂しいですが、決して飼い主さんのことを嫌いになったわけではありません。ひとりの時間を満喫したあとは「撫でて~♪」と寄ってくると思いますよ。
5.鼻にシワを寄せる
飼い主さんに対して、鼻にシワを寄せるような仕草をすることは比較的少ないと思います。
しかし、体調が悪いときなどは気分も不安定ですので、触ろうとすると威嚇される場合もあります。これはもちろん威嚇なので「今は触らないで」「無理に触ると怒るよ!」というサインです。
このようなときは、無理せず素直に引き下がりましょう。体調不良が原因の可能性もありますので、落ち着いたら体のチェックをしてみてください。
犬と適切な距離感を保つために心掛けるべきポイント
犬にも「今は触られたくない」というときがあり、そのような場合はそれぞれサインを出していることが分かりました。
では、愛犬にストレスを与えないために、適切な距離感を保つために心掛けるべきポイントにはどのようなことがあるのでしょうか。
常に一緒にいすぎない
意外かもしれませんが、四六時中一緒にいることも愛犬のストレスになりがちです。
前述のように、犬の中にはひとりでいる時間を好む子も結構多いです。
なお、愛犬を構い過ぎてしまうと、飼い主さんと離れることを極度に寂しがる「分離不安症」となるリスクがありますので、くれぐれも気を付けましょう。
過度なトレーニングやお手入れをしない
一緒に暮らす中で、愛犬のトレーニングや歯磨きなどのお手入れはとても大切です。
しかし犬の集中力は「5分程度」とも言われていて、歯磨きやブラッシングが苦手な子は多いものです。
愛犬のストレスにならないように、ダラダラと長時間のトレーニングやお手入れは避け、短い時間で頻度をあげて行うようにしてください。
愛犬の気持ちを尊重する
犬は人の言葉を話せない分、仕草や表情でサインを出しています。
そのため、日頃から愛犬をよく観察し、自分主体の接し方になっていないか意識してみましょう。
(今どんな気持ちだろう?)(何をしてほしいのかな?)と、常に愛犬の立場になって考えてみてください。愛犬の気持ちを尊重することが大切なポイントです。
まとめ
愛犬との関係は、お互い大好きな相手であることに間違いはありません。
しかし、そんな仲良しの間柄であったとしても、いつでも触っていいとは限りません。そしてその線引きは、犬種による特性やその子の性格によっても大きく左右されます。
愛犬が出すサインをしっかり見極め、程よい距離感で接することがお互い気持ちよく暮らせる秘訣です。
もし愛犬を撫でようとした際に、今回解説したサインを見せているときは、一度手を止め、前後の状況や愛犬の気持ちを考えてみましょう。