高齢者が犬を飼うリスクやトラブル
1.お世話が難しくなる
犬を飼育していくのは、なかなか体力が必要になります。高齢になると若い頃と比べ、体力は衰えてしまいますよね。筋力の低下や関節などの痛みなど、歩きにくくなってしまうこともあると思います。お散歩を含めた愛犬のお世話が辛いと感じることがあるかもしれません。
飼っている犬が比較的健康で、最低限のお世話で済むのであればまだ楽ですが、アレルギーや疾患がある場合にはプラスアルファのお世話が必要になるため、その分体力も時間も必要になってしまいます。
もし一人暮らしの高齢の方で犬を飼うのであれば、何かあった時に手助けしてくれる人がそばにいるほうが安心でしょう。
また「犬のお世話」は犬自身に対することだけではなく、トイレの始末や被毛の掃除なども含まれます。掃除はしっかりとやらなければ、ニオイが近隣に漏れトラブルになる可能性も。しつけがなかなか上手くいかない場合は、鳴き声も近隣トラブルとなるケースがあります。
2.飼育費用を負担に感じる
高齢者に限らずですが、犬を迎え入れる前には経済的に余裕があるかということを、しっかりと考慮しなくてはいけません。毎日のご飯代やトリミングにかかる費用、ペットシーツやシャンプーなどの消耗品にもお金はかかります。
また思いがけず病気になってしまった時は、高額な治療費が必要になることも珍しくありません。もし退職後で収入が減っているのであれば、負担はそれなりに大きなものになってしまうと思います。
3.介護の負担や最期まで飼育できない可能性
人間の寿命が延びているのと同じく、犬も獣医学の発展と共に寿命が延びています。大型犬や中型犬よりも、体の小さな小型犬が一番寿命が長く平均15歳と言われています。
もちろん15歳以上でも元気に過ごしている犬もたくさんいますし、少し寿命が短いと言われる大型犬であっても平均寿命は10~12歳です。
犬も高齢になると人間のように老化現象が起こります。犬の老化現象は被毛の変化から始まり、筋力や関節の衰えにより動きが鈍くなり歩くことを嫌がる、また認知症が始まると家中徘徊することもあります。体が思うように動かず寝たきりになってしまった場合、介護が必要になるケースも。
高齢の飼い主さん自身も体力の衰えを感じている場合、愛犬を介護することが難しいケースも多いようです。老犬のお世話をしてくれる施設に預けることも可能ですが、こちらも金銭的に余裕がないと難しいでしょう。
犬の平均寿命が延びていることは嬉しいことですが、高齢の飼い主さんが愛犬を残して最期を迎えてしまうこともあります。自分自身に何かあった時に愛犬のお世話をしてくれる人を確保しておくことは必要になるでしょう。
高齢者が犬を飼う前にチェックしておくべきこと
犬の飼い主になると言うことは高齢者であってもなくても、リスクやトラブルの可能性はあります。しかし体力面や経済面は大丈夫なのか、また自身に何かあった時、家族や近くにお住いの方の協力を得ることは出来るかなど、犬を迎え入れる前にしっかりと確認しておくべきこともいくつかあります。
- 飼える犬種を選択してるか
- 周囲に協力者はいるか
- アレルギーはないか
- 飼えなくなった時にお世話をしてくる人はいるか
- 体力面経済面に負担はないか
- お世話が出来るか
- 近隣に迷惑をかけずにすむか
- 最期まで犬に負担をかけずに済むか
犬は犬種によって運動量や必要なお世話が異なってきます。ご自身のライフスタイルに合った飼える犬種を迎え入れるようにしましょう。周囲に協力者を確保しておくことも大切ですし、ご自身と協力者に犬のアレルギーがないかも確認しておくと安心でしょう。
愛犬のお世話をしっかりとすることが出来なければ、結果的に近隣の方へのご迷惑に繋がる可能性もあります。自分の時間を削ってでもお世話が出来るのか、今一度考慮してみましょう。
愛犬を最期の日までお世話することが出来るのか、また飼えなくなってしまった時にお世話をしてくれる人はいるのかしっかりと確認してください。
犬の寿命も長くなっています。中途半端な気持ちで迎え入れてしまうと、愛犬に負担をかけてしまう結果になりかねません。大切な家族となる愛犬に悲しい思いをさせないためにも、しっかりと計画立ててから迎え入れましょう。
まとめ
高齢者でも比較的飼いやすいと言われる犬種の特徴は、小型犬で運動量が少なく力が弱い、またお手入れがしやすく病気になりにくい健康的な犬種と言われています。
具体的にはヨークシャテリアやシーズー、またチワワやトイプードルなどになります。小型犬は平均寿命が長いため、成犬になっている保護犬を迎え入れるのも良い選択のひとつかもしれません。
犬を迎え入れたからには、最期の日までしっかりと責任を持つことが飼い主さんのやるべきことだと思います。愛犬を幸せにすることが出来るのか、また愛犬が旅立ってしまった時のペットロスに耐えることが出来るのかなど、色々と考慮してから迎え入れるようにしましょうね。