犬にとって『呼び戻し』が重要な理由5選 教えるべきワケや回避できるトラブルとは

犬にとって『呼び戻し』が重要な理由5選 教えるべきワケや回避できるトラブルとは

呼び戻しは、かなり難易度が高い部類のしつけです。普段はあまり呼び戻しの必要性を感じないという飼い主さんもおられるでしょう。しかし、いざという時に愛犬を確実に呼び戻せるか否かは、愛犬の安全のためにもとても重要な問題です。犬にとって呼び戻しが重要な理由や、失敗しないための考え方などをご紹介します。

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「呼び戻し」は犬にとって難しいトレーニング

女性から呼び戻されるトレーニング中の犬

あなたの愛犬は、きちんと「呼び戻し」ができるでしょうか。呼び戻しとは、飼い主さんの「オイデ」「コイ」「カム」などの指示語を聞いたら、いつ、どんな場所にいて、何をしていても、すぐに飼い主さんの下に戻ってくるというしつけです。

呼び戻しができれば、何らかのトラブルが起きても飼い主さんが愛犬の安全を守れるようになります。ただし、「いつどんな場所や何をしていても」という条件は、かなりハードルの高いトレーニングになります。

少しずつハードルを上げながら、飼い主さんが根気よくトレーニングを重ねていくことが求められます。ところが、あまり呼び戻しのトレーニングを行おうとは考えていない飼い主さんもおられます。難しさの割には、あまり必要性を感じていないのかもしれません。

そこで今回は、呼び戻しが愛犬の安全を守るために重要な理由や、回避できるトラブルなどをご紹介します。あわせて、せっかくのトレーニング成果をご破産にしてしまう飼い主さんの行動もご紹介します。

犬にとって「呼び戻し」が重要な理由

道路に飛び出そうとする犬

ではここからは、犬にとって「呼び戻し」が重要な理由についてより詳細に解説します。

1.逸走の予防

呼び戻しができると、愛犬の逸走を予防できます。散歩中や屋外での係留中などに、リードを手放してしまった、リードが切れてしまったなど、意図せずに愛犬が逸走してしまうシーンは少なくありません。

このようなアクシデントでは愛犬がパニックを起こすことも多く、普段は名前を呼べば飼い主さんに注意を向ける犬でも、気付かずに走り去ってしまうことが多いのです。そんな時、呼び戻しの指示語で呼び戻せるようにしておけば、迷子にさせずにすみます。

2.交通事故の予防

リードフリーの時やロングリードの使用時に、驚いた愛犬が車道に飛び出して車や自転車にぶつかってしまうことも十分にあり得ます。

このような場合も、飼い主さんの指示語で愛犬を呼び戻せれば、交通事故から愛犬を守れます。

3.犬同士のトラブル予防

ドッグランや人の少ない河原などで、リードフリーやロングリードで遊ばせている場合、飼い主さんから離れた場所で、他の犬と喧嘩になることがあります。その場合も呼び戻せれば、喧嘩を中断して飼い主さんの下に戻らせることができます。

犬同士の喧嘩を中断させられれば、愛犬をケガから守れるだけでなく、加害者にすることも防げます。

4.近隣住民とのトラブル予防

愛犬を加害者にさせないという点では、近隣住民等とのトラブルも大きな問題です。散歩中や公園などで、愛犬よりも体格の小さい方、力の弱い方、おぼつかない足取りの方、極端に犬を恐れる方、全く警戒せずに犬に接近される方など、さまざまな方と出会います。

場合によっては、愛犬も恐怖を感じたり戸惑ったりするかもしれません。そこからちょっとした興奮状態になってしまうと、相手の方に飛びかかったり噛みつこうとしたりすることもあるでしょう。

そのようなときに飼い主さんの指示ですぐに呼び戻せれば、大きなトラブルへの発展も防げるでしょう。

5.愛犬の自由行動範囲を広げられる

呼び戻しには、愛犬の身の安全を守るだけではなく、「愛犬の行動の自由度を上げる」という効果も期待できます。

いつどんなときでも愛犬を呼び戻せるのなら、飼い主さんも安心して愛犬を自由に行動させられる機会が増えるからです。

人が少ない時間帯の野山のような場所やドッグランなら、ロングリードやリードフリーで愛犬を自由に過ごさせることも可能になるでしょう。

こんな経験が愛犬の「呼び戻し」トレーニングをご破算に!

逃げようとする犬

ようやく愛犬が落ちついている状態なら呼び戻せるようになってきた、と喜んでいたら、突然呼び戻せなくなることがあります。

このような場合、呼び戻しに従って飼い主さんの下に戻った結果、飼い主さんから嫌なことをされた、という経験が原因であることが多いです。

飼い主さんからされた嫌なことの具体例としては、下記のようなことが挙げられます。

  • 歯磨き、シャンプーなどの嫌いなお手入れをされた
  • 強制的に動物病院に連れて行かれた
  • おもちゃを取り上げられて遊びを強制終了させられた
  • ケージに入れられたり抱き上げられたりして拘束された
  • 叱られた

他にも、「無視していると飼い主さんが追いかけてくるので楽しい」と遊びになってしまっていたり、「戻っても戻らなくてもあまり変わらないので、気分が乗った時だけ戻る」というようなケースも見られます。

せっかく身につきかけた「呼び戻し」も、その後の飼い主さんの対応によっては犬から拒否されたり、遊びに変わってしまったり、守る必要がないと思われたりすることもあるのです。

とはいえ、再トレーニングで学び直させることは可能です。

指示語を変え、低いハードルからトレーニングを再開し、失敗させずに成功体験を積み重ねさせながら、少しずつ難しい状況でも呼び戻せるようにしていきましょう。呼び戻した後や、呼び戻せた時の褒め方など、飼い主さんの行動を見直すことも忘れないでください。

まとめ

ドッグパークで子供とおにごっこをする犬

今回は、犬にとって「呼び戻し」が必要な理由について解説しました。

「呼び戻し」は、何かに夢中になっている犬でさえも、飼い主さんの下に戻ってこさせるしつけです。

せっかく戻ったのに嫌なことをされてしまうのでは、愛犬だって戻る気にはなりません。かといって、戻らないと飼い主さんが怖いから戻るというのも、いざという時に愛犬の身を守る行動には繋がらないでしょう。

「呼び戻し」には、トレーニングだけではなく、普段からしっかりと信頼関係を構築しておくことも大切なのです。

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