犬に与えるドッグフードの適量とは?
犬に与えるドッグフードの量は、当然のことながらドッグフードの種類によって異なります。ドッグフードには様々な種類があり、それぞれ含まれている栄養素やカロリーが全く違うため、与えるドッグフードの種類を変えたら与える量も変える必要があります。
基本的にドッグフードごとに定められている給餌量を目安にして、与える量を決めます。ただし、これはあくまで目安であり、それに従っていれば問題ないというわけではありません。
目安の給餌量で与えてみて、体重や体調に変化がないかをしっかり確認しましょう。犬の体の状態によって、同じ量を食べていても太る場合もあれば痩せる場合もあります。
そのため、しっかり食べているにも関わらず痩せてしまったり、どんどん太ってきてしまったりするようなことがあれば、その犬にとって適量ではないのかもしれません。その場合は、少しずつドッグフードの量を増減させながら、適正体重を保てる量を探すようにしましょう。
ドッグフードの量に配慮が必要なパターン
体の大きさや犬種によってドッグフードの最適な量は異なりますが、人間と同じように、犬の年齢や状態によっても異なります。
そこでここからは、ドッグフードの量に配慮が必要な犬の年齢や状態について解説します。愛犬の年齢や状態によっては、特別な配慮が必要なことを覚えておきましょう。
幼犬・子犬期
幼犬・子犬期は、短期間のうちに体がどんどん成長していきます。そのため、体重維持をする成犬よりも、体重に対して多くのエネルギーを必要とするのです。
時期によりますが、成犬と比較して2〜3倍のエネルギーが必要となる場合もあるので、カロリーが不足しないように注意しましょう。
シニア期・老齢期
年齢を重ねると筋力や体力が少なくなって、基礎代謝が低下します。そのため、消費カロリーが減るため、成犬時と同じ量のドッグフードを食べているといつのまにか太ってしまうことがあります。
シニア期に突入したら、運動量や活動量に合わせてドッグフードを与える量を調整してしっかりと体重コントロールをしましょう。
妊娠・授乳中
お腹の中で赤ちゃんを育てている犬や、生まれた子犬に授乳をしている犬は、非常に多くのエネルギーを必要とします。
不足すると、赤ちゃんの生育に支障が出たり、母体に負担がかかりすぎたりするため、こまめに体重測定などをおこない、適宜調整をしてください。
病中・病後
疾患を抱えている犬は、健康時とは体の状態が異なるため、必要とするエネルギー量が異なります。特に、疾患治療中は獣医師に確認をして、適切な食事量を見極めなければなりません。
また、病後は体力回復のために多くのエネルギーを必要とする場合もあれば、安静にすることから摂取カロリーを抑えなければならない場合もあります。
病中・病後に関しては、決して自己判断せずに獣医師と相談してください。
1日の摂取カロリー計算方法
その犬にとって必要なカロリーを知っておくと、ドッグフードを与える量も決めやすくなります。当然ですが、生きるために必要なカロリーに対して、摂取したカロリーが上回ると太ってしまいます。
下の計算方法で『1日の必要カロリー』を知って、ドッグフードを与える量を決める際の参考にしてください。
これは運動せずに常温環境で安静にしているときに必要な要求量で、これを基本にしてライフステージごとに本当に必要なエネルギー量を定めます。
ちなみに、(体重(㎏))0.75×70は電卓で計算すると簡単で、体重を3乗(体重×体重×体重)したあと、ルート(√)を2回押して、さらに70を掛けると算出されます。
指数部分に入る数値は以下の通りで、成長段階にある子犬や妊娠・授乳中の犬は多くのエネルギーを必要とします。また、避妊・去勢をおこなうと、基礎代謝に変化が起こり太りやすくなるため、摂取カロリーを調整する必要があります。
生後4ヶ月までの幼犬:3.0
生後4ヶ月から1年までの幼犬:2.0
避妊・去勢済みの成犬:1.6
避妊・去勢なしの成犬:1.8
避妊・去勢済みの中高齢犬(7歳以上):1.2
避妊・去勢なしの中高齢犬(7歳以上):1.4
妊娠期(前半)・授乳期:1.8〜2.0
妊娠期(後半):3.0〜5.0
肥満傾向の成犬:1.0〜1.2
減量が必要な成犬:0.8
まとめ
ドッグフードを与える量は、犬の健康を維持するためにとても大切なポイントです。
ドッグフードごとに決められた給餌量をそのまま与えている飼い主さんも多いと思いますが、定期的に体重を測って、それが本当に愛犬にとっての適量かを見極める必要があります。
また、日々の生活やライフステージに合わせて、細かく調整することも必要だと考えられています。
「しっかり食べているのに痩せてしまう」「与えすぎていないはずなのに太っていく」と悩んでいる飼い主さんは、ドッグフードを与える量をぜひ一度見直してみてください。