犬の「ムキ顔」は威嚇のサイン
犬が鼻に皺を寄せ、歯を剥きだしにして見せてくる表情のことを、SNSなどでは「ムキ顔」と呼ばれています。
犬の感情が露わになるムキ顔は、「可愛い」と言われることもありますが、実はこの表情は、犬からの「それ以上近づくと噛むぞ」という威嚇のサインです。
まれに喜んでいるときにも興奮してムキ顔をする犬もいますが、通常は威嚇や怒りの気持ちを伝えようとしていることがほとんど。ムキ顔をしている犬には、気をつけなくてはいけません。
特に、初対面の犬にムキ顔をされたら警戒されている印なので、距離を取ったほうが良いでしょう。
犬が「ムキ顔」をしているときの絶対NG行為
ここからは、犬が「ムキ顔」をしているときの絶対NG行為をご紹介します。
場合によっては怪我をする恐れもありますので、愛犬の「ムキ顔」を目にしたらくれぐれも注意しましょう。
1.むやみに触ろうとする
ムキ顔をしている犬は「それ以上近づくと噛むぞ!」という気持ちを伝えてきているので、触ろうとしたり近づこうとすると、噛まれてしまう可能性が高いです。
しかも甘噛みなどではなく、本気で噛んでくることが多いため、噛まれた人は怪我をしてしまうことが多いでしょう。
2.叱る
ムキ顔をする犬に「歯向かうな!」「ダメでしょ!」などと叱ってはいけません。
犬にとって歯を剥くのは「やめて」という意思表示でもあります。それを叱ってしまうと、犬は飼い主のことを信頼できなくなってしまい、問題行動がさらに悪化することも考えられます。
3.おやつを与える
歯をむく犬をなだめようとオヤツなどのご褒美を与える人がいますが、それはNGです。
オヤツを貰うと、犬は「ムキ顔をすればご褒美が貰える」と勘違いしてしまいます。そうすると、それほど嫌がっていなくてもわざとムキ顔をするようになってしまうのです。
ご褒美は、犬がムキ顔をしていないタイミングで与えるようにしましょう。
犬が「ムキ顔」をしてる時の対処法
ムキ顔を見せている時の犬は、恐怖心やストレスから興奮している状態にあります。まずは犬が落ち着くまで見守りましょう。そして犬が何に対してムキ顔をしているのか、原因を考えてみてください。
もし犬がムキ顔をしている原因が物理的に離れられるものなら、距離を置くのが良いでしょう。避けられるものは避けたほうが犬のストレスも少なく済みます。
ブラッシングなどに怒っているなら、少しずつ慣らすことにチャレンジしてみてください。
「ブラシを見せる→ムキ顔をせずにいられたらおやつをあげる」という流れができたら、次は「ブラシを体に近づける→我慢できたらおやつ」というように、焦らず根気強く慣らすのがポイントです。
また、普段から愛犬と信頼関係を築くことも大切です。
まとめ
犬が「ムキ顔」をしている時の絶対NG行為をご紹介しました。
『犬のムキ顔は威嚇のサイン』とお伝えしましたが、「ムキ顔をすればご主人が笑ってくれる」「歯を見せたら嫌なことをやめてくれる」と学習して怒っていなくてもムキ顔を癖のように行う犬もいます。
特に、独立心の強い柴犬などの日本犬や、臆病な性格が多いチワワなどはムキ顔をしやすいといわれる犬種です。
愛犬がムキ顔をしている時は、なぜ歯をむいているのか様子をよく観察するようにしてください。
なお、初対面の犬がムキ顔をしている時は、噛まれる危険性がかなり高いので触らないようにしましょう。