「レッグペルテス病」の症状とは
大腿骨頭への血液供給が何らかの原因で阻害されて壊死してしまうことから、こちらの病気を発症した犬は、まず歩行の様子に異常が見られるようになります。
具体的には、後ろ足を痛がったり、ひょこひょこと片足を地面につけないように歩いたりし、症状が進行すると全く足を地面につけないようにあげたままにしておくようになります。
このような状態が続くと、使用しない足の筋肉が委縮し、徐々に細くなっていきます。痛がっている足が細くなっているようでしたら、相当「使っていない」状態であることから、既に病状はかなり進行していると見て良いでしょう。
これが更に進行し重度になると、大腿骨頭の変形や壊死、骨折などの障害を起こします。あまりにも痛みが激しい場合は、触ろうとすると起こったり、じっと同じ体勢をとるようになる場合があります。
- 後ろ足をかばいながら歩く
- 痛がる
- 足が細くなる
愛犬にこれらのような症状がみられる場合は「レッグペルテス病」の疑いがあるため、至急動物病院の検査を受けてください。軽度である場合はX線検査で異常が見られない場合もあるそうなので、歩様の観察や触診、CT検査などを併用します。
またこちらの病気はトイプードルやミニチュアダックスフンド、パグ、ポメラニアンなどの小型犬種に頻発します。3~4ヶ月の若齢犬から1歳半程度の若い成犬に起こりやすい病気で、大型犬が発症するのは稀、と言われています。
詳しい原因は分かっていませんが、先天的に発症することが多く遺伝要素があるようです。また発症する犬は膝の疾患を持っていることも多く、歩様の異常が膝によるものなのか股関節によるものなのか、よく見極める必要があります。
「レッグペルテス病」の予防対策
残念ながら「レッグペルテス病」については発症する原因がはっきりわかっていないこともあり、これといった予防対策はありません。
まずは、愛犬に足をかばうなどの歩行が見られたらなるべく早く受診し、治療を始めることが大切です。一度の検査で分からなくても、繰り返し検査をすることが早期発見につながります。
軽度の場合は抗炎症剤や鎮痛剤などで様子を見ながら、運動制限で進行を遅らせる方法をとります。しかし抜本的な治療とはならず、病気自体は徐々に進行することになります。
病気が進行し痛みが激しくなると、大腿骨頭を外科的に切除する治療方法が取られることもあります。
大型犬で発症した場合は人工骨頭を入れることもありますが、小型犬の場合は人工骨頭を入れずともリハビリテーションをしっかり行うことで歩行ができるようになる場合があります。
その反面、発見が遅く進行した状態が長く続くと、股関節の変形や背骨の湾曲につながり最悪の場合には歩行ができなくなってしまう可能性があります。
若い犬に多い病気なので、早く治療することでリハビリを早く始め、筋肉を委縮させずに歩行を続けられるようにすることが大切です。
先述した通り、こちらの病気は軽度の場合X線検査で異常が見られないこともあるため、複数の検査の結果を合わせて診断されることになるでしょう。その際、日ごろの歩行の様子をしっかり伝えられるようによく観察しておくことが大切ですね。
まとめ
今回は、「レッグペルテス病」について解説しました。
この病気は若い小型犬に多く発症するため、特に頻発するトイプードルやポメラニアンなどの犬種を迎えた場合は、家の中での歩行の様子をしっかり観察してあげましょう。
痛みがある様子、後ろ足をかばっている様子などが見られたら早めに動物病院へ相談してあげてください。