犬は自分の名前を認識している?
結論から先にお伝えしてしまいますが、犬は自分の名前を認識していません。「名前」という概念がないのです。
我が家の愛犬は、名前を呼んでも反応します。呼び名やあだ名で呼んでも反応します。「おチビちゃん」と呼んでも反応します。他の部屋から「ちびすけー!」と呼ぶと、走ってやってきます。
名前に反応したわけではなく、「ママは私のことを呼んでいるんだ!」というその状況を理解し、反応しているのです。
名前にはどんな意味があると思っているの?
犬には名前という概念はありませんが、自分の名前を「よく聞く言葉」として覚えています。その言葉を発するときの飼い主の感情も覚えています。
その言葉を聞くとき、おやつがもらえたり、お散歩に連れて行ってもらえたり、飼い主が褒めてくれたことを「良い出来事」として覚えています。そのため、その言葉(名前)を聞く度に犬は嬉しい気持ちになります。
一方で、『犬の名前を呼びながら叱ってはいけない』と聞いたことがあるのではないでしょうか。その言葉(名前)を聞くとき、「嫌な出来事が起きた」として犬が覚えてしまうからです。
名前を呼びながら叱ったり怒ったり、叩いたことがある、ケージに閉じ込めたことがある場合、犬は自分の名前を呼ばれる度に不安になります。さらには、名前を呼ばれることを恐怖に感じるようになります。
名前は犬にとって「言葉」です。これまで教えられてきた、覚えてきた言葉の中のひとつです。嬉しい出来事や楽しい出来事と結びつけてあげるべきなのです。
犬の名付けのコツ
犬に名前という概念はないけれど、名前として認識することはできないけれど、それでも愛をこめてつけてあげた名前なので、できればしっかり覚えてほしい言葉ではあります。
言葉の中のひとつとしてでも良いので、犬にしっかり認識してもらうための名付けのコツは『短い名前』であることです。短ければ短いほど、犬は覚えやすいのです。
2023年の『犬の名前ランキング(オス・メス総合)』では、「ムギ」「ココ」「クウ」「モカ」「ソラ」など、2文字の名前がトップにランクインしていました。ちなみに3文字では「キナコ」「サクラ」「コムギ」、4文字では「コタロウ」が人気のようです。
最近の犬の飼い主さんは名付けが本当に上手で完璧だと思います。2文字の短い名付けをされていますので、愛犬はしっかり覚えているでしょう。
長い名前はいけないの?
では、長い名前を愛犬につけてはいけないのでしょうか。いいえ、いけないわけではありません。ただ犬が認識しづらい、というだけです。
例えば、「チャチャマル」という名付けをしたとしましょう。ほとんどの場合、「チャチャ」と呼ばれます。フルネームで呼ばれないのです。ただそれだけのことなので、どんなに長い名付けをしてもOKです。
我が家の愛犬のお友達犬には「銀次郎之介(ぎんじろうのすけ)」という名前の犬がいます。みんな「銀」「銀ちゃん」と呼び、飼い主でさえフルネームでは呼びません。
よく考えてみると、人間にも同じようなことってありますよね。
まとめ
犬に名前という概念はなく、自分の名前を認識することもできません。人間と暮らすようになり、人間から与えられたものだからでしょう。
犬に名前という概念や認識がないのは、人間のように言葉を使って会話をする必要がないからかもしれません。
犬同士の交流の仕方を見ていると、お散歩中、飼い主の肉眼では確認できないほど遠く離れている場所からも「あの子だ♡」と反応し、お互い嬉しそうに駆け寄りますよね。遠くから発せられるニオイや足音で相手が誰かを認識することができるため、名前というものを必要としないのではないでしょうか。
名前としての認識はできないかもしれませんが、その言葉が愛犬にとって嬉しい言葉であることが大切です。良い気持ちで呼んであげましょう。
なお、(飼い主の)機嫌が悪いとき、イライラしているとき、叱るときなどは、名前を口にしないということを意識しましょう。