犬は飼い主の顔を認識しているの?
ヘルシンキ大学で行われた実験結果によると、『犬は飼い主の顔を認識することができる』としています。その実験内容と結果は次のようなものでした。
スクリーンに飼い主の顔写真と他人の顔写真が映し出されたとき、飼い主の顔写真には強い視線を向けて見つめたが、他人の顔写真には視線が固定されなかったそうです。
このことから、『犬は飼い主の顔と他人の顔を見分けることができる』、つまり、犬は飼い主の顔を認識しているとしたのです。
犬はどうやって飼い主を判断しているの?
では、犬はどのようにして飼い主と飼い主以外を判断しているのでしょうか。
声
犬は声で飼い主を判断することができます。
我が家の愛犬を3日ほど実家に預けたとき、「ママのこと探してずっと鳴いてるの」と、実家の家族から困ったように連絡があり、愛犬とビデオ通話をしたことがありました。
愛犬の名前を呼ぶと、興奮したように鳴き出し、部屋をウロウロと歩き回り、探し回る愛犬の姿が映し出されました。(あの子は声だけで私だと分かるんだな…)と感じた出来事でした。
画面をジッと見つめている愛犬の顔のドアップも映し出されたのですが、しばらくするとまた部屋を歩き回り、私を探す様子でした。ということは、画面を見ても私の顔は分からないのかな…という印象でした。
音
犬は音で飼い主を判断することができます。
足音や車のエンジン音で飼い主の帰宅が分かる、ということをよく見聞きするのではないでしょうか。さらに驚きなのが、咳をする音・くしゃみをする音・呼吸をする音でも飼い主を判断することができるということです。
我が家の愛犬は、家族の中で私がくしゃみをしたときだけ心配そうに顔を覗き込みにやって来ます。お風呂場でくしゃみをしたとき、リビングから猛ダッシュで走って来てくれたことがありました。
ちなみに、家族の中で一番大きなくしゃみの音を出すお父さんには無反応なのです。これは、音の大小に関係なく、誰が発した音であるかを聞き分けられる聴力が備わっているということなのではないでしょうか。
体臭
犬は体臭で飼い主を判断することができます。
- 汗
- 皮脂
人間の体臭といえばこの2つが主ですが、柔軟剤の強い香りがする服からも飼い主の体臭を嗅ぎ取ることができます。
取り込んだばかりの洗濯物の上でくつろぐのが好きな犬がいますが、決して洗濯洗剤や柔軟剤の香りを好きなわけではありません。
ふんわりとして暖かく寝心地がいいのも理由のひとつですが、大好きな飼い主のにおいがすることの方が重要のようです。
逆に洗濯洗剤や柔軟剤は強い香りで気分を悪くしてしまうこともあるかもしれませんので、なるべく香りの少ないもの、無香料の洗濯洗剤や柔軟剤を使った方が愛犬は喜ぶでしょう。
犬が飼い主と他人を見分ける方法
飼い主を判断する方法と同じであると考えてよいと思います。
- 顔
- 声
- 音
- 体臭
どれも犬が飼い主と他人を見分けるために重要な要素です。しかし、視力が0.3程度であるとされている犬にとって、顔で見分けることは困難な場合もあるでしょう。
体臭は、その場にジッとしているだけでも放つものですから、犬が飼い主と他人を見分けるときに最も重要な要素なのではないか、と考えることができます。
まとめ
ドッグランで迷子になり、すぐそばにいる飼い主を必死に探し回る犬もいることから、姿や顔はハッキリと見えていないのではないかと感じます。
キョロキョロと探し回るのは、においを頼りにしているからなのではないでしょうか。空気中に漂う無数のにおいの中にも飼い主のにおいを感じることができるとされています。
名前を呼べばパッとこちらを向き、猛ダッシュで駆け寄る姿からは、やはり声で飼い主だと分かるんだな、判断しているんだなということも分かります。
顔では認識できない、認識していないということではないと思いますが、視覚よりも優れた聴力や嗅覚を持つことから、顔で認識することは犬にとって重要なことではないのかもしれません。