犬にも『乾燥』は大敵!乾燥による4つの悪影響や保湿する方法・意識すべきポイントを解説

犬にも『乾燥』は大敵!乾燥による4つの悪影響や保湿する方法・意識すべきポイントを解説

冬は寒さだけでなく、「乾燥」にも注意が必要です。この記事では、乾燥が犬に与える悪影響や適切な対処法について紹介するので、ぜひチェックして取り入れてみてください。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

1.皮膚がカサカサになる・かゆくなる

体を掻いている犬

飼い主さんも寒い時期になると実感すると思いますが、冬は皮膚が乾燥しますよね。それは犬でも同じで、空気が乾燥する季節には皮膚がカサカサになってしまうのです。
皮膚が乾燥するとかゆみが発生し、それを掻くことで皮膚が傷ついたりフケが発生したりします。

元々犬の皮膚はとても薄く、人間の約1/3程度しかないとされています。表皮は外部からの刺激を守る働きを持ちますが、乾燥したり傷ついたりするとバリア機能が低下してしまいます。そうすると外部刺激に負けて皮膚が炎症を起こしたり、細菌やウイルスの進入を許してしまったりします。

ただし、皮膚が乾燥するだけでなく、アトピー性や細菌性の皮膚炎などを発症したり悪化したりすることがあるので、十分なケアをしなければなりません。

また、空気が乾燥すると、足裏にある肉球も乾燥します。パサパサになってハリや弾力を失うと、石や草などによる傷がつきやすくなってしまいます。さらに、乾燥が重度になるとひび割れてしまうこともあるので、そうなる前に保湿する必要があります。

2.被毛がパサつく

ブラシされているレトリバー

空気の乾燥は、皮膚だけでなく被毛の水分も奪ってカサカサ、パサパサにしてしまいます。内部の水分を失った被毛は、パサついていてつやがなく、見た目もあまりいいものではありません。

犬の皮膚は人間に比べて薄いと説明しましたが、その分被毛が皮膚も守る機能を持っています。寒さや乾燥といった外部刺激から皮膚を守り、さらに皮膚が保持している水分や体温を維持する働きもするのです。

犬をなでたときに被毛がパサついている場合は、皮膚も乾燥している可能性があると考えましょう。被毛をかき分けて皮膚を見て、ふけやかさつきがないかをチェックしてみてください。

3.口臭が強くなる、歯周病リスクが上がる

歯のチェックをされている犬

「口内が乾燥すると、口臭が強くなる」と言われています。口内の水分が不足することで粘つきが発生して、生臭いようなきつい口臭がするようになってしまうのです。

また、口内がねばついていると、雑菌や歯周病菌なども繁殖しやすい環境になってしまうため、口腔内の疾患やトラブルが発生しやすくなります。

4.呼吸器系疾患にかかりやすくなる

伏せてマズルを押さえる犬

気温が下がって空気が乾燥すると、喉や鼻の中も乾燥してしまい、粘膜が弱くなってしまいます。すると粘膜が持つ不要なものの排出・排除機能も低下してしまい、ウイルスや細菌が体内に侵入しやすい状態になってしまいます。

特に風邪のような症状を引き起こす疾患や呼吸器系疾患は、寒い季節に広がりやすく、人間も犬もリスクが高まります。愛犬が咳やくしゃみをするようになったら、悪化することがないかしっかり観察してください。

放置すると症状が悪化して、肺炎などを引き起こすこともあるので、気になる症状が見られたら一度動物病院で診てもらうことをおすすめします。

効果的な「乾燥」対策や保湿方法

肉球にクリームを塗られている犬

ではここからは、上記のような「乾燥」の状態に対してすべき対策や保湿方法について解説します。

加湿器で適度な湿度をキープする

乾燥による様々なトラブルを防ぐためには、犬が過ごす部屋の湿度を管理することが大切です。加湿器などを利用して、50〜60%程度を目安に湿度をコントロールしておきましょう。

湿度30%を切るとかなり乾燥が進んでおり。70%を超えると湿度が高いと考えられます。

湿度が高すぎると、カビの発生などほかのトラブルが発生するので、適度な湿度をキープするようにしてください。

水分を摂りやすい食事を与える

体の水分は、皮膚の外側から補給するだけでなく、体の中に摂りこむことも大切です。

しかし、犬は「乾燥しているから水を飲もう」と意識的に行動できないため、飼い主さんが水を飲むように促す必要があります。

とはいえ、水を飲ませようとしても必要量与えられないことも多いので、食事で自然に水分を摂取させられるようにすることをおすすめします。

特に、野菜や果実など生の食材に含まれる水分は体内での吸収率が高いため、積極的に食事に取り入れましょう。

保湿剤を使用

犬の皮膚や被毛の乾燥を防ぐためには、保湿剤を利用しましょう。被毛の乾燥を防ぐためには、シャンプー時に保湿力の高いトリートメントを使用したり、乾燥したときにミストタイプの保湿剤を使うのがおすすめです。

全身の皮膚の乾燥が気になる場合は、ややとろみのあるローションタイプの保湿剤がぴったりです。べたべたしてしまい犬が気にしてしまう場合もありますので、様子を見てください。ローションタイプの保湿剤を使用した後にしきりになめたり、こすりつけたりする場合は向かないかもしれません。

部分的にひどい乾燥が見られる場合は、無添加のベビーオイルを使うといいでしょう。また、肉球の乾燥には、犬が舐めても安全な成分で作られた肉球用クリームなどを使ってください。

まとめ

痒い犬

空気の乾燥は、犬の皮膚や被毛、呼吸器などに様々な悪影響を与える可能性があります。

重大な疾患やトラブルは起こりにくいため、あまり意識していない飼い主さんも多いかもしれませんが、愛犬が冬も快適に過ごせるようにしっかり乾燥対策をしましょう。

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