犬のやる気を奪ってしまう飼い主の行動5つ!絶対にすべきではないことに「なるほど」「気をつけよう」

犬のやる気を奪ってしまう飼い主の行動5つ!絶対にすべきではないことに「なるほど」「気をつけよう」

犬には、年齢や性格、興味などに合った適切なトレーニングを適切なタイミングで行う必要があります。また一度覚えたからとやめてしまわずに、継続することも大切です。しかしトレーニングで何より大切なのは、愛犬のやる気をうまく引き出し、それを持続させることです。今回は、飼い主が気をつけるべき、犬のやる気を奪ってしまう行動をご紹介します。

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犬のトレーニングの考え方

しつけ中の飼い主と犬

愛犬と一緒に暮らしていくためには、家の中や外、人前など人間社会の中で暮らすために「やって良いこと」と「いけないこと」を教えなければなりません。

ルールを覚えた子は、ご家族と一緒の時はもちろんですが、何らかの事情で離れてしまっても幸せに暮らしていけるでしょう。

飼い主さんが愛犬に「やって良いこと」「いけないこと」を学習させるのは、トレーニングの大きな目的のひとつです。

この好ましい、もしくは好ましくない行動を学習する際の犬の思考回路は、主に下記だといわれています。

  • 普通の状態 → 行動A → 嬉しいことが起こる → 行動Aが増える
  • 不快な状態 → 行動B → 不快要素がなくなる → 行動Bが増える
  • 普通の状態 → 行動C → 不快なことが起こる → 行動Cが減る
  • 快適な状態 → 行動D → 快適要素がなくなる → 行動Dが減る

「不快な状態」とは、退屈しているとか怖い思いをしている、などというような状況のことです。「快適な状態」とは、楽しいとか居心地の良い場所で安心していられる、というような状況のことです。そして特に快適でも不快でもない状態が、「普通の状態」です。

犬は、自分が受けた刺激を、その直前の自分の行動と結びつけて覚えます。そのため、ある行動の直後に良いことがあれば自分の意思でその行動を増やし、何か嫌なことがあればその行動を自分の意思で減らそうとするのです。

愛犬のトレーニングを上手に行える飼い主さんは、この行動を増やしたり減らしたりするための「刺激」を、愛犬にとても上手に与えることができます。逆に、これが上手にできない飼い主さんは、どんなにトレーニングを続けても効果を上げることが難しいのです。

犬のやる気を奪ってしまう飼い主の行動

叱られてシュンとなる犬

犬にとってのトレーニングの考え方が分かったところで、ここからは犬のやる気を奪ってしまう飼い主の行動について解説します。

犬のやる気は、なにもトレーニングの時だけに発揮されるわけではありませんが、トレーニング時に愛犬のやる気をいかに引き出せるか、またはやる気を奪ってしまうかによって、その成果は当然異なります。絶対にすべきではない行動を確認しておくことで、上手に愛犬のやる気を引き出せるようになっておきましょう。

1.頓珍漢なご褒美を与える

飼い主さんは愛犬にふさわしいご褒美を用意しているつもりでも、愛犬にとってはそうではない場合があります。

よく使われるご褒美の代表が「おやつ」でしょう。確かにおやつは外発的動機付けとして効果的なご褒美です。しかし、愛犬の行動の真の動機が内発的だった場合は、あまり効果を発揮できません。

例えば、おもちゃを使って「モッテコイ」を教えようとした場合、愛犬はそのおもちゃで飼い主さんと一緒に遊びたいと思っているのかもしれません。その場合、愛犬はおやつをもらっても一緒に遊んでもらえなければ、あまり「嬉しい」とは思えないでしょう。

2.楽しくさせない

基本的に、犬は飼い主さんと一緒に楽しく過ごしたいと思っています。ですから、トレーニングも飼い主さんと一緒に楽しく過ごせる時間であることが理想です。

トレーニングがなかなかうまくいかないからと叱ってばかりいると、愛犬は楽しくなくなり、やる気が削がれてしまいます。こうなってしまうと、どんなにトレーニングを行っても効果はなかなか上がらないでしょう。

3.ご褒美の魅力を意識しない

愛犬にとって、ご褒美は魅力的でなければなりません。しかし飼い主さんの無意識の行動が、ご褒美の魅力を下げてしまうことがあります。

例えば、いつも使っていたおやつが切れていて、身近にある別のおやつで代用することがあるでしょう。もし代用おやつのほうが愛犬にとって魅力的な風味だった場合、その後はそれまでのおやつがご褒美にはならなくなってしまうかもしれません。

逆に愛犬の好みを見極められれば、難しいことを新たに教える時にはより愛犬好みのおやつを使うことで、高い効果を上げられるでしょう。

4.過剰な期待

愛犬へのトレーニングは、段階を追って行う必要があります。

「うちの子は賢いから」と、過剰な期待をして高い目標のトレーニングを行ってしまうと、なかなか褒めてあげることができません。

たとえ叱られなくても、なかなか褒めてもらえないトレーニングでは、愛犬のやる気を削いでしまいます。

5.犬ではなく自分中心

ここまで説明してきたとおり、愛犬のトレーニングは、愛犬の能力を見極めたり適切な動機付けの要素を見つけたりと、愛犬中心に考える必要があります。

しかし、飼い主さん中心にトレーニングをしてしまうと、愛犬のやる気を削いでしまうことが多いです。

例えば、思い通りにトレーニングが進まない場合、「これができたら終わりにしよう」といつまでもトレーニングを続けてしまうことがあるのではないでしょうか。

実は、犬の集中力は5分程度しかもちません。いつまでもトレーニングを続けていると、愛犬の集中力は途切れてしまい、やる気も削がれてしまいます。

大切なのは犬の動機付け

ご褒美をもらう犬

人もそうですが、犬にも効率よくトレーニングを行うためには「やる気」を引き出すことが欠かせません。やる気のある犬は集中力を高めて真剣に学習しようとしますが、やる気のない犬はトレーニングに集中できず、教えたこともほぼ身につかないでしょう。

やる気を引き出すために必要なのが、適切な「動機付け」です。動機には外発的なものと内発的なものがあります。

外発的動機付けとは、自分以外からの刺激でやる気が引き起こされることで、「ご褒美をもらう」ことが該当します。内発的動機付けとは自分の中にある欲求でやる気が引き起こされることで、「一緒に遊びたい」といった要求が該当します。

愛犬のトレーニングを成功させるためには、犬が学習する際の思考回路を理解し、愛犬のやる気を最も引き起こせる動機付けを行うことが大切です。

ただし、これらを十分に満たしていても、失敗することがあります。それは、飼い主さんの行動が知らず知らずのうちに愛犬のやる気を奪ってしまうことがあるからです。

まとめ

少女にいやいやつきあう大型犬

飼い主さんにとって、愛犬へのトレーニングも大切な役割のひとつです。しかし飼い主さん中心に行っていても、なかなか成果は上がらないでしょう。

犬の思考回路を理解し、愛犬の性格も考慮した上で真の動機付けとなる要素を探し、愛犬のやる気を削ぐことなくトレーニングに臨みましょう。

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