1.皮膚にかゆみや違和感がある
犬が自分の体をしつこく舐めているとき、皮膚にかゆみや炎症を起こしている可能性があります。私たち人間がかゆい部位を掻くように、犬も気になる部分を舐めたり噛んだりすることがあります。
アトピーやアレルギーによって皮膚にかゆみや炎症を起こしていることもありますし、足裏などに小さな傷ができていることもあります。犬が気にしている部分を一度チェックしてみて、皮膚に異常がないか確認してあげてください。
また、舐め続けることで炎症や傷が悪化してしまうことも多いので、できるだけ早く動物病院に連れていき、適切な対処をしましょう。
2.ストレスや不安を感じている
犬が自分の体を舐めるのは、身体的なトラブルだけでなく精神的なものの影響も考えられます。特に不安やストレスを感じているときに、体を舐めることが多いとされています。
自分の気持ちを落ち着かせるために手足を舐め続けることも多く、過度なストレスがかかると無意識にこのような行動をくり返してやめられなくなる「常同行動」につながってしまうこともあります。
愛犬がこうなってしまうと簡単にはやめさせることができなくなりますし、やめさせることでさらなるストレスがかかることも考えられます。
犬が無心に足を舐めていたり尻尾を噛んでいたりする場合は、不安やストレスを抱えていないか、よく考えてみてください。
3.グルーミングをしている
猫が自分の体を舐めて毛づくろいをすることは広く知られていますが、犬も自分の体をきれいにしたり整えたりするために舐めて「グルーミング」をすることがあります。
犬は元々きれい好きな性質を持つため、自分の衛生状態を清浄に保ちたいと考えるのも自然なことでしょう。
ただし、グルーミングの場合は短時間で終わることが多いので、しつこく同じ場所を舐め続けている場合などは何らかのトラブルや異変が起きている可能性を考えましょう。
4.病気の兆候
犬が自分の体を舐めるのひとつには、病気の兆候も考えられます。
そこでここからは、具体的な病気ごとにその理由について解説します。
関節炎や椎間板ヘルニア
犬が足の関節部分や腰などを舐めている場合は、それらの部位に痛みを感じているのかもしれません。足の関節が脱臼したり炎症を起こすことで、痛みが生じることはめずらしくありません。
また、加齢によって関節が痛むようになることも多く、自分の足を舐める老犬はたくさんいます。
さらに、椎間板ヘルニアを患う犬も多く、腰部に痛みを感じることもあるでしょう。
これらは放置するとどんどん症状が悪化してしまうことがあり、歩行など日常生活に支障が出るようになってしまう可能性も考えられます。犬が足腰を気にすることが増えたり、動きに変化があったりしたら、一度動物病院で相談してみてください。
泌尿器や生殖器、肛門の疾患
犬は異変が起きている部分を舐めて気にすることがあります。陰部を舐めているときは泌尿器系や生殖器のトラブルが起きているかもしれません。
なかには、生理が始まる兆候として陰部を気にするようになる犬もいます、
また、肛門を舐めているときは、肛門の左右にある肛門嚢が炎症を起こしてしまっていることなどもあるので、できるだけ早く動物病院に連れて行ってあげましょう。
内臓器疾患
犬が腹部など見た目には何もないような部分を舐めている場合、体の内部に痛みや違和感が生じていることが考えられます。
犬は腹痛や頭痛など、痛みを感じていてもそれを訴えることはできません。原因を考えることもできず、ただ痛みや違和感がおさまるのを待つしかありません。
犬が自分の体を舐めているのは、体に異変が起きているサインである可能性も考えてあげましょう。
まとめ
犬が自分の体を舐めているときは、心身に何らかのトラブルが起きていると考えて、一度しっかり全身をチェックしたり、生活を見直したりしてみてください。
犬が見せる仕草や行動は、言葉を話せない犬からのサインだと考えて、問題が大きくなる前に適切な対応してあげましょう。