犬が服を引っ張る理由・心理
犬が飼い主の服を引っ張ってしまうことってありますよね。犬はなぜあのような行為をしてしまうのでしょうか。
1.かまってもらえるから
犬が服を噛んで引っ張ると「やめて~」と相手をしてしまう飼い主さんは多いのではないでしょうか。
しかし愛犬に対してそのような態度をとってしまうと、飼い主は怒っていても、犬からするとかまってもらえるのが嬉しいですし、飼い主は喜んでいると誤解してしまっているようです。
いつも誰かと一緒にいたい、飼い主が大好き、甘えん坊な犬に起こりがちな行動です。相手をすると犬は(飼い主がかまってくれる♪)と認識して、ますます服を引っ張る癖がついてしまいます。
監修ドッグトレーナーによる補足
飼い主さんの服を噛んで引っ張る行動は、特に子犬期に多く見られる行動でもあります。
かまって欲しいだけでなく、服自体に興味を持ってしまうことも。ヒラヒラしている服などは噛みやすいこともあるため、着ている服にも注意すると良いでしょう。
2.退屈だから
犬にとっての口は、人間の手と同じです。退屈だから近くにあった服を引っ張ってみたら面白くて癖になった、という理由が考えられます。
飼い主が着ている服の裾を噛む場合、「ねえねえ遊んでよ」というつもりでやっているのでしょう。かまってもらえるから、という理由と似ています。
服を噛んではダメと教えることも必要ですが、退屈している犬には他にやることを与えるのも大事です。
3.服の噛み心地やニオイが好きだから
犬がかじってイタズラしやすいものには、木製の家具、衣類、トイレシートなどがあります。どれも家の中でよく見かけるものですが、素材はバラバラです。
タオルのような柔らかい感触が好きな犬もいれば、木のような硬いものが好きな犬もいて、好みは様々です。
家の中で見つけた飼い主の服が愛犬の好みで、気に入って噛んでいるのかもしれません。特に乳歯が生え変わる子犬は歯がかゆくなるので、イタズラもしたくなる時期です。
また服は飼い主のニオイがつくものであり、犬にとっては大好きな人のニオイがする安心できるものです。噛み心地もニオイも好きなので気持ち良いのでしょう。
犬が服を引っ張るのをやめさせる方法
では、愛犬が服を引っ張ってしまうのをやめさせるには、どうしたらよいのでしょうか。
犬と服を引き離す
犬が服を引っ張ってきたら、まずは服から引き離してください。口で言っても効かないときは、床や家具などを叩いて驚かすと良いです。
一度離れてもまた引っ張ってくるときは、ケージや別室に入れましょう。(服を引っ張ったら、ここに入れられてしまう…)とわかると、犬は引っ張るのをやめるようになります。
ただし、ケージをしつけに使っていたらその後犬がケージを嫌いになり、車移動などで何かと不便になります。しつけに使う場所は、一カ所に限定しない方が良いでしょう。
飼い主が離れてしまった方が早い場合はその場から立ち去り、犬をひとりにするというのも有効です。
監修ドッグトレーナーによる補足
犬はとても賢い動物ですが、数回で覚えてくれることは少ないでしょう。どんなしつけも時間を要します。愛犬がしっかりと覚えてくれるまでくり返し行うことがとても大切になります。
イライラして叱るのはNGです。時間をかけて覚えてもらうことがしつけの近道にもなります。
落ち着いてわかりやすく叱る
犬を叱るときは「ダメ」「いけない」など一言できつい口調にします。犬は表情を読み取るのが得意なので、できるだけ怖い表情をつくってみましょう。
飼い主の「やめて~」という反応や動きは犬には面白く見え、遊んでいると勘違いする犬もいます。できるだけ動きを止めて、わかりやすく叱ってください。
おもちゃを差し出す
犬が服を引っ張ってきたら「ダメ」と叱るだけでなく、引っ張っても良いおもちゃを差し出します。犬がおもちゃを引っ張って遊んでくれたら必ず褒めてください。
おやつをあげても良いので、褒めるときは笑顔で大げさに褒めます。「服よりおもちゃを噛んだら、飼い主は喜んでくれるんだ」と犬に学習させます。
まとめ
今回は、犬が飼い主の服を引っ張ってしまう理由・心理と、やめさせる方法について解説しました。
犬が飼い主の服を引っ張ってしまうのは、「噛む」という行為に執着している可能性があります。そのため、子犬や若犬であれば、物を噛む時期だと思っておもちゃを複数用意しておきましょう。おもちゃは犬が前足で挟みやすい、長さや大きさのあるものがおすすめです。
他にも充分な運動をさせる、なるべく犬に留守番をさせない、部屋を片付けるというような、ストレスを発散させて自然にイタズラをしなくなるような環境づくりもすることをおすすめします。