ワガママな性格に育ててしまう「飼い主の甘やかし」
家族に迎えた犬は、どんなにワガママでもとてもかわいく見えてしまいますよね。何をしていてもかわいく思えてしまい、つい愛犬のやりたい放題にさせている方も多いのではないでしょうか。
しかし、子犬のうちからなんでもいう事を聞いていると、犬はどんどんワガママな性格に育ってしまいます。
そこで今回は、愛犬をワガママな性格に育ててしまう「飼い主の甘やかし」について解説したいと思います。愛犬のためにも、今一度確認してみてくださいね。
1.愛犬の要求にすべて応えている
犬はよほどの大型犬でない限り人間より小さく、つい愛犬に対して、小さな子供や赤ちゃんに接するような態度をとってしまいます。一声鳴けば「どうしたどうした?」と構い、おやつをあげたり遊んであげたりしてはいないでしょうか。
なんでも愛犬のいう事を聞いてあげて、犬の要求を優先した行動をとってしまうと、犬は(この人間はなんでも自分の言うことを聞いてくれるぞ)と勘違いして学習します。
そしてそのように育ってしまった愛犬は、人間が構ってあげられない場面で困ったことになります。何かにつけて要求吠えを繰り返したり、人間が言うことを聞かないと吠えたり噛んだりというような問題行動を起こすようになってしまうのです。
2.愛犬のワガママをしつけず放置している
犬は人間社会の善悪を知りません。そのため、人間社会でともに暮らす場合は「しつけ」として人間のルールを覚えてもらわなければいけません。
しかし飼い主が最低限のしつけもせず、「かわいいから」と愛犬のすべての行動を許してワガママを放置していると、犬は人間界で快適に暮らすためのルールを覚えることができません。
さらに、噛んだり吠えたり走るものを追いかけたり、というような犬本来の行動は、人間と一緒に暮らす社会の中では困ったことになる場合もあります。
飼い主が甘やかし、人間に対してしてよいこと・悪いことを教えないままにしていると、飼い主以外の人間に対しても同じような態度をとるようになってしまいます。
3.しつけ方が間違っている
「うちは甘やかしていない」「きちんとしつけをしている」という方でも、実はその方法自体が間違っている場合があります。
犬は人間の言葉が分からないので、態度と行動で「良い・悪い」をきちんと教えてあげる必要があります。
犬が吠えたり噛んだりというような人間社会ではいけないことをした場合、多くの方は「ダメ」と教えようとするでしょう。
その際の声音が、優しい声だったり高い声だったりする場合、犬には「いけないことだ」とは全く伝わりません。むしろ高い声を出した飼い主が「喜んでいる」と勘違いすることが多いのです。
また、長く言い聞かせながら落ち着かせようと、体を撫でてしまうことも間違いです。犬は長く叱られても叱られている内容は分かりませんし、体を撫でられていることで褒められていると勘違いしてしまうことがあります。
ワガママになっている時の改善方法
愛犬をワガママな性格に育ててしまった場合の改善方法は、飼い主や家族が一貫して毅然とした態度を示すほかありません。一度ワガママになってしまった場合はなかなか根気がいりますが、愛犬に「ワガママを言っても通じない」ことをしっかり教えてあげましょう。
まず、ご飯や散歩、遊ぶ時間などはしっかり人間側のタイミングで行うように心がけましょう。時間にならなければご飯やおやつは与えない、散歩も行かないと決めて行動をします。
このとき、犬は吠えても要求が通らずも怒り出すこともあるでしょう。勢い余って噛んでしまったり、物を壊したりすることもあるかもしれません。その場合は短く「いけない・ダメ」などと声をかけて、犬をケージやクレートに入れてその場から離れましょう。
要求が通らないことに最初はいらだつ犬も、これを繰り返すことで「吠えても噛んでも無駄だ」と学習します。人間が「いいよ」と言ったときは相手をしてもらえる、ご飯がもらえるのだということを、今一度学習し直してもらうのです。
なお、遊びやトレーニングの最中に、愛犬に指示したことがちゃんとできたときは、きちんと褒めてあげることを忘れずに。褒めるときは思い切りオーバーに、叱る時は「その場で・短い言葉で」を心がけてみてください。
まとめ
「犬がかわいくて叱れない」「ついワガママを聞いてしまう…」という方は、実際本当に多くいらっしゃいます。あのつぶらな瞳で見つめられたら、確かになんでもいう事を聞いてしまいたくなりますが、そこはぐっと我慢してください。
犬は人間と一緒に生活するためには、人間のルールを守るう必要があります。また飼い主さんのいうことをきちんと聞くことで問題行動を抑制し、その結果犬自身が守られるという事にもつながります。
愛犬のワガママの度合いによっては、個人で対応できない場合もあります。その場合は、早めに動物病院や愛護センター、トレーナーさんなどに相談してみてくださいね。