1.グレート・デーン
個体として「最も大きい犬」としてギネスに登録されているのは、グレート・デーンです。
2011年にはアメリカ・ミシガン州の「ゼウス」というオスのグレート・デーンが世界最大の犬(体高部門)としてギネスに記録されました。体高(肩までの高さ)は111.8cm、立ち上がったときの高さが223cm、という非常に背の高さを誇ります。これは、ロバの平均的な体高とほぼ変わりません。
ゼウスは2014年に亡くなっており、2016年には新たにオスのグレート・デーン「フレディ」が「生存中の世界一背の高い犬」としてギネスに認定されました。体高(肩までの高さ)は103.5cmで、立ち上がると226センチもあったと記録されています。
グレート・デーンはドイツ原産の大型犬で、なめらかな短毛を持つ犬種です。体高は70cm~80cm、体重はオスが54〜90kg、メスが45〜68kgとされています。しかし、体高が100cm前後になる個体も少なくありません。
非常に大きい上、筋骨隆々の引き締まった体を持つため、一見怖そうな印象を持たれがちです。しかし、性格はとても温和で、控えめ、親しい相手には甘える様子もよく見せる可愛らしい犬です。比較的友好的な態度で接することが多いため、「優しい巨人」と称されることもあります。
我慢強い気質もありますが、必要に感じれば攻撃行動に出ることもあります。人間の力では止められないこともあるため、十分な配慮や注意は必要です。
2.アイリッシュ・ウルフハウンド
「世界一大きな犬」として、ギネスに記録されている個体はグレート・デーンですが、犬種として大きいと認められているのはアイリッシュ・ウルフハウンドなのです。
アイリッシュ・ウルフハウンドは体高が非常に高く、スタンダードとして定められている体高が最も高いため、「全ての犬の中で最も大きい種類」と認定されています。
アイリッシュ・ウルフハウンドはその名の通り、アイルランド原産の大型犬です。体高は76〜81cm、体重はオスが54〜70 kg、メスが48〜61kgとされていますが、グレート・デーン同様に体高が100cmを超えることもめずらしくありません。
体は大きいものの、性格はとても穏やかで優しいのが特徴です。おっとりとしていて辛抱強い犬種ですが、小動物などに対して狩猟本能を見せることがあります。
3.マスティフ(イングリッシュ・マスティフ)
「世界で最も体重が重い犬」としてギネス認定されたのは、イギリス・ロンドンで暮らしていたマスティフ(イングリッシュ・マスティフ)の「ゾルバ」です。
マスティフは元々がっちりとした体型ですが、ゾルバの体型はとくに大きく、1987年の計測時には142.7kgを記録しています。また、1989年に再計測がおこなわれたときは156kgで、自らの記録を更新しました。
ただし、現在では「最も重い犬」の記録は掲載されなくなっています。これは、ギネス記録を目指す飼い主が、故意に愛犬を太らせることがないようにするためです。太りすぎは健康を害するため、配慮がされているのです。
マスティフは平均的な体高が70cm以上、体重が75kg以上と、重量感のある体格をしています。豊かな筋肉が特徴的で力強さが感じられますが、穏やかで愛情深い性格を持っています。
4.ボルゾイ
ボルゾイはロシア原産の大型犬で、流線型の骨格と長い脚、小さな頭が特徴です。「俊敏」を意味する犬種名の通り、走るのが得意で時速50kmに達することもあります。貴族に飼われていた犬種で、オオカミ狩りで活躍しました。
体高は75~85cmと大きいのですが、比較的細身で体重は34~47kg程度とされています。
やや長めの被毛をなびかせて走る姿は、とても優美で気品の高さが感じられます。しかし、狩猟本能も強く、繊細な気質のため、しつけやコミュニケーションが一筋縄ではいかないことも多くあります。
まとめ
今回は「最も大きな犬種」を紹介しましたが、冒頭でも書きましたように、世界にはさまざまな犬種が存在しています。
体が大きくても優しかったり、小さくても気性が荒かったり、犬は犬種によってさまざまな面を見せてくれます。
今回の紹介した「最も大きな犬種」以外にもさまざまな特徴を持った犬種が存在しますので、、ぜひたくさんの犬種を知り、犬への理解を深めてくださいね。