老犬になるとかかりやすくなる病気
犬と暮らしていると、老犬になったときのこと、介護が必要になったときのこと、重い病気にかかったときのことなど、若く健康である今だからこそ、考えてしまうことがあるかもしれません。
老犬が病気にかかりやすくなるのは、体の機能が低下するからです。そのため、どのように体の機能が低下するのか、どのような病気にかかりやすくなるのか、対策法などの知識を身につけておくことで、安心した暮らしができると思います。
そこで今回は、老犬になるとかかりやすくなる病気、その病気にかかりやすくなる理由、対策法など解説しますので、愛犬の健康管理にぜひお役立てくださいね。
1.白内障
老犬になるとかかりやすくなる病気には、白内障があります。
タンパク質が変性することによって、本来は無色透明である水晶体に白い濁りの症状があらわれます。濁りのある水晶体は光を透すことができず、視力が低下します。水晶体の全てが白く濁ってしまったとき、完全に目が見えなくなります。
対策法は、犬が壁や家具にぶつかってしまわないよう、工夫することです。ぶつかりやすい場所には、クッション材を取り付けるとよいと思います。
また、つまずきやすい段差にも要注意です。階段にはペットゲートを設置し、立ち入れないようにしましょう。
2.気管支炎・肺炎
老犬になるとかかりやすくなる病気には、気管支炎や肺炎などの呼吸器系の病気があります。
免疫力の低下により、ウイルスや細菌に感染しやすくなったことが原因なのではないかと考えられます。乾いた咳が出るという特徴があり、かるい咳の症状にも注意が必要です。
対策法は、混合ワクチンの接種によって予防することです。また、タバコ・アロマオイル・芳香剤・香水・化粧品などの化学薬品による悪影響からも守ってあげることが大切です。
消毒用のアルコールによって、気管支炎や肺炎の症状が出る犬が増えています。老犬に限らず、全ての犬に配慮してあげる必要があります。
3.心不全
老犬になるとかかりやすくなる病気には、心不全があります。
実は、我が家の12歳の愛犬も心不全と診断され、投薬が欠かせない生活になりました。老犬になると心臓の筋肉も低下するため、負担がかかりやすくなり、心不全にかかりやすくなるとのことでした。
対策法は、安静時の呼吸数に注意することです。1分間の呼吸数が、小型犬では20回以下、大型犬は15回以下であることが正常です。30回を超えると呼吸数が多めであり、40回を超えると異常に多いです。
投薬が必要な場合は、獣医師の指示に従って服用させること。定期的な検査を受けること。食事や運動に気をつけるなども大切なことです。
4.認知症
老犬になるとかかりやすくなる病気には、認知症があります。
脳が委縮してしまうこと、脳に障害が起きてしまうことが主な原因です。認知機能が低下することによって、排泄の失敗・夜鳴き・ぐるぐる回る・狭い場所に入って出られなくなるなどの症状が見られます。
排泄の失敗への対策法は、トイレを大きくする、床にトイレシートを敷き詰める、おむつを着用するなどです。夜鳴きへの対策法は、昼の活動量を増やし、夜によく眠ってもらい、昼と夜を逆転させないことです。
ぐるぐる回ることへの対策法は、円形のサークルに入ってもらうことです。滑り止め対策もしっかり行ってください。狭い場所への対策は、入ることができないようにすることです。
また、認知機能の低下を防ぐための対策法として、毎日お散歩にでかける、知育おもちゃを使って遊ぶ、飼い主や家族以外の人や犬と触れ合うなどもおすすめできます。
まとめ
老犬になるとかかりやすくなる病気を4つ解説しました。
- 白内障
- 気管支炎肺炎
- 心不全
- 認知症
老犬になるとかかりやすくなる病気の予防は、うんと先回りにして行うことが大切だと思います。
ただし、どうしても加齢や体の機能の低下によって、防ぐことができない病気や症状もあります。
やむをえず愛犬が病気にかかってしまったときは、なるべく症状が軽いうちから対策してあげることで、愛犬の健康と安全を守ってあげてくださいね。