愛犬が過ごす部屋で『加湿器』を使う時の注意点3選 ダメな使い方や快適に過ごしてもらう方法とは?

愛犬が過ごす部屋で『加湿器』を使う時の注意点3選 ダメな使い方や快適に過ごしてもらう方法とは?

乾燥しがちな冬に欠かせない加湿器ですが、使い方によってはトラブルを招くこともあります。この記事では、犬がいる部屋で「加湿器」を使うときに注意すべきことを解説します。

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記事の監修

  • 獣医師
  • 平松育子
  • (AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター )

獣医師・AEAJ認定アロマテラピーインストラクター・ペットライター
山口大学農学部獣医学科(現:共同獣医学部)卒業。2006年3月~2023年3月 有限会社ふくふく動物病院 取締役・院長。ジェネラリストですが、得意分野は皮膚疾患です。
獣医師歴26年(2023年4月現在)の経験を活かし、ペットの病気やペットと楽しむアロマに関する情報をお届けします。

1.火傷や怪我の危険性がない機種を選ぶ

加湿器とくっついている犬

加湿器には様々な種類があります。加湿器に入れた水に熱を加えて蒸発させるスチーム式のものをはじめ、超音波式や気化式、ハイブリッド式などがあり、使う場所などによって使い分けている家庭も多いと思います。

この中で、犬がいる部屋で使う加湿器として注意したいのが「スチーム式」のものです。ごく一般的なタイプで多くの家庭で使われていると思いますが、出口付近の蒸気は非常に熱く、触れると火傷してしまうこともめずらしくありません。

人間の場合は「加湿器の蒸気は熱いから触らないように」と気をつけることができますが、犬の場合はそのような注意を払うことはないでしょう。そのため、何気なく近づいてしまったり、興味を持って蒸気をあえて触れてしまったりすることもあるのです。

そのため、犬がいる部屋ではできるだけスチーム式の加湿器は使用しないようにしましょう。使用する場合は、犬が絶対に触れられない高い台の上に置いたり、飼い主さんが同じ部屋にいられないときはスイッチを切ったりといった配慮をするようにしてください。

また、これは加湿器だけに限ったことではありませんが、加湿器のコードに犬が引っかかって倒してしまうことがるので注意しましょう。コードが足に引っかかると、犬が転倒したり本体に入っている水がこぼれてしまったりするだけでなく、感電してしまうリスクもあります。

加湿器の中には、転倒事故防止のために、本体とコードのつなぎ部分がマグネットになっているものもあります。マグネットプラグであれば、引っかかったときに簡単に外れるため、本体が落ちたり倒れたりする危険性が低くなります。

2.毎日お手入れをして古い水を残さない

ネブライザーを使っている犬

近年、加湿器が原因で感染症やアレルギーを発症するリスクがあると、注意喚起がされるようになっています。

特に注意したいのが「加湿器肺炎」と呼ばれるもので、加湿器内で発生したカビやレジオネラ菌などが部屋中に広がり、それを吸い込むことで肺や気管支が炎症を起こす疾患です。

水は放置すると、あっという間にカビや細菌が発育してしまいます。加湿器内の水を完全になくならないうちに継ぎ足しをしていたり、カビが発生している状態で水を注ぎ続けたりすると、放置しているつもりはなくても、こうしたトラブルが起こる可能性があります。

犬がいる部屋では水を加熱するスチーム式は適さないとしましたが、実は細菌などによるトラブルはスチーム式以外の加湿器の方が多く起こりやすいのです。加熱することで一部は殺菌されますが、気化式の場合などは菌を含んだ水分がそのまま拡散されてしまいます。

どのようなタイプであっても、加湿器はこまめなお手入れをすることが必要です。水が残らないようにすべて捨て、内部は洗ったり拭いたりして清潔を保つようにしましょう。これは、犬にとっても飼い主さんにとってもとても大切なことです。

3.アロマオイルは使用しない

ラベンダーのアロマオイル

加湿器の中には、アロマオイルを入れて使えるタイプもあります。部屋を加湿できるうえ、いい香りが優しく広がるので人気のあるものですが、犬にとってはあまり心地の良いものではないと思います。

嗅覚が優れた犬には、人間が感じ取れるほどのアロマの香りは強すぎる可能性があります。刺激が強く不快感を感じたり、嗅覚を正常に働かせることができずストレスを抱えたりすることがあるのです。

部屋いっぱいにアロマの香りが広がるような加湿器は、犬と過ごす部屋ではできるだけ使わないようにしてあげましょう。

「加湿器」で快適に過ごしてもらう方法

加湿器とビーグル

ではここからは、加湿器を使うことで愛犬に快適に過ごしてもらう方法について解説します。

湿度40~60%を目安に調整する

寒く乾燥した環境では、様々な感染症の原因となるウイルスが生き残りやすいとされています。そのため、冬になると風邪やインフルエンザなどが流行するのです。

さらに、空気が乾燥すると、喉や鼻の粘膜も乾いて免疫機能が低下します。体内にウイルスが侵入しやすいうえ、抵抗力も落ちてしまうので、犬にとっても人間にとっても乾燥は大敵です

そのため、部屋の中では湿度を40~60%程度にキープすることが推奨されています。あまりにも高すぎると、カビが発生してしまいやすいので、50%前後を目安にするといいでしょう。

定期的に部屋の換気をおこなう

加湿器を使う時期は、部屋の中も外も寒く乾燥していると思います。そのため、暖気や湿度を逃がさないように、換気があまりおこなわれない傾向がありますが、体調管理のためにはこまめに換気をおこなうことはとても大切です。

まとめ

加湿器を見ている犬

寒く乾燥した季節には、加湿器を使う家庭が多いと思います。しかし、使う機種や使い方によっては、思わぬトラブルを招く恐れもあることを覚えておきましょう。

犬にとって安全な形で加湿器を使えているか、ぜひ一度見直してみてくださいね。

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