1.甘えている
犬が飼い主さんや親しい人の体に頭を押しつけるときは、甘えたい気持ちがあるのかもしれません。犬は大好きな人とスキンシップをとることに幸福を感じるので、頭や体をくっつけて、愛情を伝えようとしていることが考えられます。
飼い主さんの体に頭をこすりつけるだけでなく、そのまま体重を預けるように寄り掛かったり、体を乗せてきたりすることもあるでしょう。とてもわかりやすい愛情表現のひとつだと思います。
監修ドッグトレーナーによる補足
相手との距離=心の距離かもしれません。犬は警戒する相手からは距離を取り、攻撃する場合は距離を近くしますが、相手を信頼して甘えたいと思っているときも距離が近くなります。
愛犬が体の一部を押しつけてくるのは最大の愛情表現でしょう。
2.気を引きたい、かまって欲しい
大好きな飼い主さんの愛情を伝えるために頭を押しつけることもありますが、それだけでなく「かまって!」「頭をなでて」という気持ちで頭を押しつけることもあります。
飼い主さんがテレビやスマホに夢中になっているときや、家族と話し込んでいて犬の方に目を向けていないときなどに「もっとこっち見てよ!」「私も仲間に入れてよ」と思っているのかもしれませんね。
犬は飼い主さんの気を引くために、様々な行動をとります。はじめは静かにジーッと飼い主さんを見つめて気がついてもらおうとしますが、それではかまってもらえないとわかると、頭を押しつけたり前足をかけたりといった直接的なアプローチに発展します。
それでもわかってもらえないと、吠えたりいたずらをしたりといった飼い主さんが困るような行動をして気を引こうとすることもあるのです。
忙しくしているときに限ってこのような行動が見られる場合は、犬が寂しさを感じている可能性も。日頃のコミュニケーションが足りているか、今一度見直してみてくださいね。
監修ドッグトレーナーによる補足
過度なワガママでなければ、愛犬の甘えのお願いは聞いてあげましょう。
お仕事などで忙しくても、毎日愛犬とのコミュニケーションの時間を短くても作ることはとても大切ですよ。
3.伝えたいことや要求がある
飼い主さんのことが大好きでスキンシップをとるために、頭を押しつけてくるというのはとても可愛らしい行動だと思います。
しかし、ただ愛情を伝えるためではなく、何か要求したいことがあるときにもこのような行動をとることがあるのです。
「おやつが食べたい!」「散歩に行こうよ」など、して欲しいことがあるときや欲しいものがあるときに、飼い主さんを気を引いて理解してもらおうとします。頭を押しつけることで自分に注目を集めてから、玄関先に歩いていって散歩に誘ったり、キッチンに行ってご飯を求めたりする犬もいます。
犬からの要求に気がつくことは、愛犬の気持ちを理解するためにとても大切なことです。しかし、気がついたからといってそのすべてに応える必要はありません。すべての要求に従うことで、犬が「なんでもいうことを聞いてもらえる」と勘違いして、わがままになってしまうこともあります。
4.頭にかゆみや違和感がある
犬がぐいぐいと強い力で頭を押しつけてきたり、ぐりぐりこすりつけるような仕草をしたりする場合は、甘えや要求とは異なる理由が隠れている可能性があります。
このようなときは、犬が頭にかゆみや違和感を感じている可能性があり、飼い主さんの体だけでなく、床や壁などにも頭を押しつける様子が見られることもあります。頭そのものではなく、耳や鼻、首などに異変が起きている可能性もあるので、こうした様子が見られたら一度全身のチェックをしてあげてください。
あまりにも強くこすりすぎると、皮膚を痛めてしまったり毛が切れてしまったりすることもあるので、行動が続くときは動物病院で相談してみるといいでしょう。
監修ドッグトレーナーによる補足
皮膚などに異常がある場合、頭を押しつけるだけでなく前足や後足で必要以上に掻いたり、床などに患部を押しつけることも。
愛犬にそれらの行動が見られたら、早めに動物病院を受診することをおすすめします。
まとめ
犬が飼い主さんに頭を押しつけてくるときは、多くの場合が「甘えたい」「なでて欲しい」「かまって欲しい」という気持ちを持っていることが考えられます。
そんな気持ちを抱えての行動は、とても可愛らしく愛おしいものですが、犬の要求や要望に応えすぎてしまうと思わぬトラブルの原因になってしまう可能性もあります。
日頃の関わり方や愛犬の性格などを考えて、適度なコミュニケーションとスキンシップを図るようにしましょう。