犬の体を温めることで得られるメリット
少しずつ季節が変わって冬に近づいていくと、愛犬の体は冷えていないでしょうか。犬にも「隠れ冷え性」な子がいるそうです。
愛犬の手を優しく握ってみてください。肉球が冷えているときは、体も冷えていることがあります。肉球があまりにも冷たいときは、冷え性である可能性も考えることができます。
お散歩や運動の後は一時的な体温の上昇によって、肉球がホカホカしていることがあります。雨上がりの濡れた地面や雪の上を歩いた後は、肉球が冷え切っていることがあります。愛犬の手を握るタイミングは、お家の中でリラックスしているときがよいでしょう。
愛犬の体温を毎日測定し、平熱を把握しておくことも大切だと思います。いつもより体温が低下してしまっているときは、体を温めるべき目安にもなるでしょう。
冷え性や体温の低下に関わらず、犬の体を温めることにはメリットがあります。必要性に応じて、愛犬の体を温めてあげましょう。
1.冷えによる心臓病を防ぐことができること
犬の体を温めることで得られるメリットは、冷えによる心臓病を防ぐことができることです。
犬の体が冷えると、血管が収縮し、血圧が上昇します。その分、心臓には負担がかかり、心臓病のリスクが高まります。
シニア犬の場合、寒い季節のお散歩で体が冷え、心臓に負担がかかり、急な体調不良を起こすことがあります。心臓に持病のある犬の場合では、さらに病状を悪化させてしまうこともあるでしょう。
寒い季節のお散歩は、防寒服を着せるなど、体を冷やさないための対策をするようにしましょう。
暖かい室内と寒い屋外との温度差も心臓に負担をかけます。日差しのある暖かい時間帯にお散歩や運動に出かけるようにしましょう。
2.関節痛を和らげることができること
犬の体を温めることで得られるメリットは、関節痛を和らげることができることです。
寒さや冷えによって関節が硬くなると、負荷が大きくなります。普段、関節に問題がなく健康な犬の場合でも、関節に痛みが生じることがあります。関節に痛みや持病がある犬の場合では、負荷が大きくなることでさらに痛みが増し、歩行が困難になる場合があります。
関節の周りには血管も筋肉も少ないため、血行が悪くなりやすく、冷えやすい部分です。関節に痛みがある場合には、関節を中心に体を温めるようにするとよいでしょう。
3.免疫力の低下を防ぐことができること
犬の体を温めることで得られるメリットは、免疫力の低下を防ぐことができることです。
体が冷えると、免疫力が低下します。犬も体調を崩しやすくなり、風邪をひくことがあります。自律神経が乱れ、腸の動きが早くなったり、反対に鈍くなることで便秘や下痢になってしまうことがあります。
また、犬風邪とも呼ばれる「ケンネルコフ」にも感染しやすくなります。呼吸器の病気で、気温が低くなる季節、空気が乾燥する季節に蔓延しやすくなります。
感染を予防するための混合ワクチンの接種はお済かと思いますが、体の冷えによって免疫力が低下しているときほど感染しやすいです。十分に注意して過ごすようにしましょう。
犬の体の温め方と注意点
犬の体が冷えてしまったときの体の温め方は主に2つあります。
- 室内の温度を適切に管理すること
- 温かい寝床を用意すること(ケージ、クレート、ベッドなど)
部屋には室内温度計を置き、室内の温度を20℃くらいに保つとよいと思います。年齢や健康状態によって異なるため、愛犬に合わせて管理してあげてください。
温かい寝床を用意してあげることで、犬が寒さや冷えを感じたとき、寝床で体温を維持したり温めたりすることができるようにしてあげましょう。
ただし、いくつか注意点があります。
お散歩の後はこたつに入る、という犬もいると思いますが、犬の冷えた体を温める方法として、こたつは不要です。長時間こたつに入ったままでいると、脱水症状を引き起こす恐れがあるため注意しましょう。
ヒーターやストーブの前で暖を取る犬もいると思いますが、火傷に注意することはもちろん、目の粘膜が乾燥しすぎて結膜炎になってしまう恐れがあるため注意しましょう。
まとめ
犬の体を温めることで得られるメリットを3つ解説しました。
- 冷えによる心臓病を防ぐことができること
- 関節痛を和らげることができること
- 免疫力の低下を防ぐことができること
注意点でも解説しましたが、健康状態が良好な犬であれば、基本的には、温かい寝床があれば犬の体が冷えることはありません。体温を維持したり、冷えた体を温めるため、温かい寝床を用意してあげてください。
人間の体の温め方と犬の体の温め方は異なる、ということを理解してあげることが大切だと思います。