犬がご飯の「だらだら食べ」をする理由
食べることが大好きな犬にとって、食事時間はなによりも楽しみな時間のはず。しかし、その時の気分や性格によっては、与えられたその時に食べずに、ちょっとずつ食べたり後から食べたり、というような行動をとる場合があります。
この「だらだら食べ」は、すぐにやめさせるべきなのでしょうか。そこで今回は、犬が「だらだら食べ」をする理由と対策について解説します。
1.病気の可能性が高まる
人間もそうなのですが、食事の間隔をあけずに「いつでも食べられる」「今は食べたくない」という状態でだらだら食べを繰り返すと、脳が「空腹状態」を感じなくなっていきます。常にある程度高い血糖値を維持し続けてしまうため、正常値まで下がらずに高血糖状態になってしまうのです。
血糖値が高い状態を維持し続けると、膵臓からはインスリンという血糖値を下げるホルモンが出続けてしまいます。それが続くと膵臓が疲弊し、インスリンの分泌が少しずつ下がっていくことでますます血糖コントロールができない状態になってしまうのです。
これはいわゆる「糖尿病」という病気です。
糖尿病になってしまうと、細胞にエネルギー源となるブドウ糖が供給されなくなり、重篤な合併症を引き起こす可能性や死んでしまう可能性が高くなってしまうため注意が必要です。
2.偏食が進む
好きなものや美味しいオヤツなら食べるけれど、ドッグフードはだらだら嫌そうに食べたり残す、という「だらだら食べ」の場合は要注意です。だらだら食べることで、偏食が助長される可能性があります。
ご飯を残していたからお腹が減っているだろう、とオヤツや好みの果物、嗜好品などを愛犬に頻繁に与えていると、犬は「ドッグフードを食べないほうがお得」と覚えてしまいます。すると、ますますドッグフードを食べなくなってしまうのでとても危険です。
もしこのような状況になっているとしたら、まずは愛犬に「だらだら食べ」をさせずに、ご飯を出してから一定の時間が時間が過ぎたらさっさと片付けてしまいましょう。フードを食べなければ当然オヤツは無し、です。
そのように対応することで、「今食べておかないと、しばらく何も食べられない」ということをしっかり教えてあげましょう。
また、オヤツや嗜好品ばかりを食べていると、それらはカロリーが高いものが多いので、肥満の原因になります。さらに偏った食生活を続けると、アレルギーを引き起こす可能性もあるため注意が必要です。
犬の「だらだら食べ」をやめさせるための対策
犬の「だらだら食べ」への対策はただひとつ、『食事の時間を決め、一定の時間が経ったら残っていても片付ける』ことです。
お残しが多いと勿体ないと思ったり、あるいはお腹が減ってかわいそうと思ってしまったりするのですが、心を鬼にして時間が経ったら片付けてください。犬へ「お腹が空いた、今食べないと食べられない」ということをしっかり教えてあげるのです。
またお残しをしている場合、オヤツは与えないようにしましょう。(オヤツが食べられるからいいや)と犬に思わせてしまうのはいけません。嗜好品や人間の食べ物で満足してしまうのを防ぐためです。
犬の様子を観察し、一回の食事量が多すぎないかも確認してあげましょう。食が細くフードが多すぎて食べきれていない場合、一回の量を減らして回数を2回から3回に分けて与える方法もあります。犬の様子に応じて対応してあげましょう。
まとめ
室内飼育が増えたせいか、犬の「だらだら食べ」に悩まされる飼い主さんも増えたような気がします。
なかなかお皿が片付かない、不衛生だということもありますが、なにより犬の健康に害があるということに注目すべきです。
愛犬にご飯の「だらだら食べ」をさせないように、おやつや嗜好品も含めた食事管理をきっちりすることが大切ですね。