犬が噛む・唸るといった行動は大切にしてほしいコミュニケーションサイン
犬が噛む・唸るといった行動を問題と考えてしまう気持ちもわかりますが、しかしそれは大切にしてほしい犬のコミュニケーションサインであることをまずは知っていてほしいのです。
犬は人間との共通言語を持つ動物ではなく、ノンバーバルコミュニケーションをメインに会話をする生き物。
顔の表情や筋肉の動き、体重の掛け方や耳や顔が向いている方向、尻尾の位置など全身を使って気持ちを表現し、さらに吠えるや唸るといった声を使ったコミュニケーションが入ってきます。
犬が噛む・唸るということをするのは決して悪いことではなく、むしろしっかりと気持ちを伝え争いになる前に警告を出しているに過ぎないためありがたいことなのです。
また、噛むという一見攻撃的な行動もほとんどの場合はまだまだ警告レベルであることがほとんどです。
これを犬の牙が当たり顎の強さによって傷を受けてしまうため、人間は「本気噛みされた!」と言いますが、犬の本気噛みは肉が裂け骨が見え切断してもおかしくないレベルですので犬からしたら決して本気とは言えません。
しかし、こうした人間と犬との間で物事に差があるからこそ人間は驚きまた飼い主にこんなことをするなんて…!と許せない気持ちになる人もいるのだと思います。
ですがそれは人間側が犬を学び知ることでその差を埋め、さらにはそのようなトラブルを防ぐことにもなるためコミュニケーションサインは基礎知識としてもっておきましょう。
犬が噛む・唸るといった行動の原因を考えよう
犬が噛む・唸るといった行動をとったときに悪い犬だとラベルを貼るのは間違いです。
なぜなら犬が噛む・唸るといった行動をとるのには必ず理由があり、犬はただ単に「やめてほしい、放っておいてほしい」と伝えているだけだからです。
逆の立場で考えてみてください。もしもあなたが嫌だといくら伝えていても繰り返し不快に思うことを誰かにされたらどうしますか?
恐らく声をより大きくして伝えたり、逃げたり、最終的には手を出して攻撃してでも身を守ろうとするはずです。
そうした行動が犬にとっては唸る・噛むという行動なのですから、犬は何も悪くないということがわかると思います。
では何がいけなかったのか?それを犬ではなく外側である環境に目を向けて考えてみてください。
何か犬が唸る・噛むといった警告を出さなければいけなかった理由が必ずあります。
犬が噛む・唸るといった行動の考えられる原因に合わせた対処をしよう
犬が噛む・唸るといった行動をとる場合はその原因を探り知ること、そしてそれに合わせた対処をとることが重要です。
また、その対処法とは決して犬を罰するのではなく環境を改善し犬を苦痛から解放するためのポジティブな取り組みに限ります。
例えばもしどこか特定の場所を触ろうとすると噛むのであれば、犬がどこかに痛みなど不快を感じている可能性もあるためまずは動物病院で診察をしてもらいましょう。
診察をしたうえで異常が認められなければ次はどんなときにそうした行動が見られるのかを観察し、だいたいでもいいので把握します。
そうすることで噛む・唸るという行動の出現する条件を知ることができるので、もしその条件となるようなことを人間がしなくて済むものであれば、それをしなければいいのです。
そうすれば犬も唸る・噛むという行動をしなくて済みお互いに平穏に過ごすことができます。
しかし、それだけでは済まずすでにお互いの生活において危険や不具合が生じているまたはそうなりかけているといった状態であれば、早急にプロに相談することを強くおすすめします。
もちろんそうなってしまう前の早い段階で予防の意味でもコミュニケーションサインを読む方法を学び、どのように接していくほうがいいのかをプロから教えてもらったほうが望ましいのですが、そのタイミングをとうに過ぎてしまっているのであればなおのこと独自でどうにかしようとするのは悪化をたどるだけなので危険です。
犬に脅威や恐怖を感じさせずに安心してもらうことは、結果として人間にとっても穏やかな日々を送ることにも繋がるため、原因を知りそれに合わせた対処をするためにもプロに相談しましょう。
まとめ
犬が噛む・唸るといった行動をとるときしつけをすることで改善させよう!しつけをすれば改善できるだろうか?と考える人が多いです。
しかし、それはあまりにも短絡的な考えであり犬を悪者にしていることにどうか気づいてほしいと思います。
犬の噛む・唸るというのは大切なコミュニケーションサインです。
どうかその意味を知り、どうすれば双方にとって安心して暮らすことができるかを考えてみてください。