犬がトイレを失敗しても叱ってはいけない理由
これは何度でもお伝えしますが、犬がトイレを失敗したからといって決して叱ってはいけません。
まず目指している目標は『犬がトイレと決められた場所でトイレシーツの上で排泄をしてくれるようになること』ですよね。
しかし、犬の立場からするとトイレシーツというもので排泄をするという概念はそもそも持ち合わせてはいませんので、それで叱ってしまうと「排泄をすると嫌なことが起こる(叱られる)から見つからない場所でしなければ」となってしまうのです。
これでは当初の目標である目的を達成するどころか犬が隠れて排泄をしてしまうという新たな問題を生み出してしまい、それに対してまた対策を考えていかなければいけないため人間にとっても大変なことです。
犬にとっても隠れてしなければ自分の身が危ないと思っているため、双方にとってデメリットしかないため叱る(ネガティブな刺激を与える)ということはしないようにしてください。
犬がトイレを失敗するのではなく成功しかできない環境を人間が作る
犬が失敗をしても叱らないということは基本原則として徹底したうえで、犬がトイレシーツではない場所で排泄をしてしまったらきれいに清掃・消毒をしましょう。
実はこれはすごく重要な意味があり、衛生管理をしっかりするという意味ももちろんありますが、排泄のニオイを残さないためという意味もあります。
犬はそこにおしっこをしたニオイが残っていると、そこでまたおしっこをするという習性があるため、そうした行動を誘発してしまわないようにするためにもきれいに掃除をするようにしましょう。
そして次にやることは、どこで排泄をしても問題ないような環境を作るということです。
もしも同じような場所で排泄をするのであれば、そこにトイレシーツを敷いてトイレにしてしまってもいいでしょう。
また、行動範囲が広すぎて目が行き届かないという場合には広々とした犬専用のスペースを用意してそこにトイレシーツを敷き詰めます。
そうすればその中であればどこであってもトイレの成功しかできない環境になるため、失敗というもの自体が起こらなくなります。
このようにして失敗しようのない環境を作ることができれば『トイレシーツで排泄ができたら褒めましょう』という機会だらけになり、「トイレシーツの上で排泄をするといいことがある」という犬側の学習も進むため結果早くトイレを覚え失敗をかなり減らすことができるのです。
犬がトイレの場所を理解できるように少しずつ場所を限定する
犬の学習が進み「トイレシーツの上で排泄をするといいことがあるんだ」と認識してくれていると、明らかにトイレシーツの上を選択して排泄をしてくれる様子が見られるようになります。
犬がトイレシーツの上を選択して排泄をしているだろうという仮説を確かめるために、少しずつトイレシーツの範囲を狭くしてみてください。
いきなりたくさん狭めるのではなく、数枚ずつ減らして様子を見るのです。
また、おしっこをしたあとのニオイを目標とする場所やその付近に移して誘導できるような仕組み作りを合わせてするのもいいかもしれませんね。
そうして観察を続けていくと、その子がいまどのように認識しているのか?もっと工夫したほうがいいのか?などさまざまな情報を得ることができます。
そうして得た情報をもとに工夫を続け、少しずつトイレシーツの場所を限定的にしていくことで目標は達成できるため、焦らず少しずつ進めていってみてください。
まとめ
犬のトイレ失敗の問題は多くの飼い主さんが必ずといっていいほど悩むものですが、まず叱るということをしていると犬は身の安全のためにも隠れてしてしまうようになるため絶対に叱ってはいけません。
そして、犬は自分のやったことの結果にメリットがあるとわかるとその行動を繰り返すようになるため、トイレシーツの上で排泄をするといいことがあるんだという意味で必ず褒めてあげるようにしましょう。
また、その機会が多ければ多いほど早く覚えてくれますので、そうした環境を整えてたくさん褒める機会ができるように工夫してあげてください。