犬と一緒に出かけたい飼い主の気持ちと犬自身の気持ち
犬と一緒にいろんな場所へお出かけできたらすごく嬉しいし楽しさも倍増しそうですよね。犬を迎える時もそんなことを想像しながら迎えた人も少なくないと思います。
しかし、そのためには犬がいろんな環境の刺激に対してなんでもないものなんだと認識できるよう、子犬のうちから社会化を十分にしておく必要があることを見落としてるケースが多いのです。
そのため、飼い主さんとしては愛犬と一緒に出かけたい、寂しがるから一緒に連れていきたい、という気持ちで行動をしますが、肝心の愛犬の気持ちはどうでしょう。
飼い主さんだけが楽しんでしまっていないかよく考える必要があります。
犬のコミュニケーションサインをよく観察してみよう
犬はノンバーバルコミュニケーションがメインな動物です。
人間のように言語を使って会話をするわけではないため、顔の表情・身体の動きや向き・筋肉の緊張やリラックス状態・呼吸の速度などを観察して、心の状態を読み取る必要があります。
愛犬と出かけたい、一緒にいろんな体験をしたい、といったことを思うのは愛犬を想う飼い主としては当たり前のことです
。
しかし、連れて行った場所や対面する人や他の動物といった環境に対して犬がどのような反応を示しているか?示す可能性があるか?といったことも考えてあげなければ、飼い主だけが楽しんでいるという一方通行状態になってしまいます。
ボディランゲージ、コミュニケーションサイン、カーミングシグナル、など色々な呼ばれ方をしている犬が示す気持ちのサインですが、いずれもコミュニケーションを取るためのサインなので私はコミュニケーションサインと呼ぶようにしています。
このコミュニケーションサインは1秒ごとにどんどん変化を示すため、前後で起こっている環境を文脈として考えながら読み取るなど読む練習が必要ですが、1つでもサインが見つけられるようになると対応の仕方も変わってくるはずです。
犬にとっての環境によるストレスレベルを考えよう
例えば犬がストレス環境に身をおいているとき、次のようなサインが複数見られます。
- 目線を対象からそらす
- 口角をぎゅっと後ろに引いている
- 呼吸が早くなりパンティングをする
- 耳を後ろに引いている
- 小刻みに震える
- 飼い主にしがみつく
- 落ち着きがなくきょろきょろしている
他にもいろんなサインがありますが、飼い主さんが観察するなかで気づきやすいサインとしてこれらがあるでしょう。
そしてストレスレベルが高ければ高いほどこうしたサインが同時に複数見られるようになるため、そうしたサインが出てしまうような環境には連れて行かないというのが一番の選択になります。
特にお祭りなど外でのイベントや花火など、人間にとっては楽しいイベントでも犬にとっては大きなストレスとなることがほとんどです。
「お家でお留守番させるのは可哀想」「ひとりだと寂しがってしまうから」という声はよく聞きますし気持ちもわかりますが、少なくとも家という日常の環境とどこを見渡してもストレスから逃げられない環境だとどっちのほうがいいか?
そうしたことを冷静になって自分の気持ちではなく犬の気持ちと立場になって考えてみることがとても大切です。
まとめ
愛犬とおでかけをするということはとても楽しいイベントになりますし、犬を迎えるにあたってそのような想像をしている人がほとんどだと思います。
もちろんそれ自体は素敵なことですし悪いことではありませんが、問題なのは犬にいきなり環境の変化を与えストレスを無視してしまうということなのです。
愛犬と色んな場所に行きたい、楽しみたい、思い出を共有したい、と思うなら事前にコツコツと時間をかけて少しずつ無理のない範囲で練習を重ねていく必要があります。
そのためにもドッグトレーナーがいますので、問題行動があるかないか?ではなくこの先の可能性の準備のためにぜひ相談し練習してみてください。