犬がマーキングをするのは本能
「犬がマーキングをして困る」というお悩みはよく聞きますが、もしまだ犬を迎えていない方がこちらの記事を見ているのであれば、犬はマーキングをする動物なのだということをまずは知っておいてほしいと思います。
また、すでに犬を迎えていてマーキングをしているという方であれば、そのマーキングは犬の本能であり習性なので「やらないようにさせる」ということはできないという事実を受け入れてもらう必要があります。
例えば睡眠欲というものが人間にもありますが、これも立派な本能です。
しかし寝られたら困るから眠らないようにしつけてくれと言われた場合どう思いますか?
「そんなの無理だ、眠るというのはしつけ云々ではなく当たり前のことだろう!」と思うのではないでしょうか。
まさしく犬のマーキングもそれと全く同じですので、しつけでどうにかしようとするものではないのです。
マーキングをしても問題ない環境づくりをしよう
とはいえ、犬がマーキングをしていて困っているのだからその解決方法が知りたいのだと思って検索をかけているのも事実でしょう。
そこで『やめさせる』という視点ではなく、『マーキングをされても困らない』という視点に切り替えることをおすすめしたいです。
マーキングをする場所が外であれ室内であれ、足を上げておしっこをされることが困るのであれば足を上げておしっこされてもいいようにトイレシートを貼り付けることがまずひとつの案です。
もうひとつの案としては、外で他所の犬のおしっこのにおいをトイレシートに移し、それをおしっこをしてほしい場所にセットします。
犬は他の犬が足を上げてマーキングをした場所に重ねてマーキングをしますが、そのときより高い場所におしっこがかかるように足をあげるため、逆に低い場所におしっこのにおいがあれば足を上げずにおしっこをする可能性もあります。
その可能性にかけて他の犬のおしっこのにおいを移したトイレシートを床にセットすることで、座り姿勢でおしっこをしてくれる可能性もあるのです。
もしそれでうまくいったら排泄後すぐに褒めてトリーツを提供すると、それを繰り返すことで「トイレシートの上で座り姿勢で排泄をするとおいしいものがもらえる」と学習されるので、マーキング姿勢での排泄を減らすことが可能です。
とはいえ、あくまでも本能や習性を利用して考えられる策なので、これがうまくいく!とは一概には言えません。
まずはどうすればお互いに困らない環境にできるかを考えるようにしましょう。
マーキングが発現する前に去勢をすることで対処が可能
マーキングは犬が持つ本能であり習性ではありますが、マーキングを覚える前に対処することでマーキング行動をほぼ発現することがないようにする手段はあります。
それは、小型犬であれば生後6ヶ月〜を目安に去勢手術をすることです。
マーキングは大人のオスとしてのホルモンが関係していますが、去勢手術をすることでそのホルモンが出る器官を取り除きますので、結果としてマーキングを防ぐことができます。
よく子供を望まないなら去勢手術をおすすめしますというお話を聞くと思いますが、それ以外にもこのようにマーキングや生殖本能によるストレスといったものも取り除くことができるため、人も犬も穏やかに過ごしやすくなるのです。
まとめ
すでにマーキング行動で困っているという場合、マーキングをされても困らない環境を作ることで困ることは減るはずです。
それでも限界があり困っているということであれば、足を上げる必要がないもしくは高く上げる必要がない(少し上げる程度でいい)といったように思ってもらえる工夫をする、といった取り組みをしてみましょう。
もちろんここでご紹介した内容はひとつの提案でしかありませんので、もしもっといい方法があればどんどん試してみて、どんな方法であればお互いにとってよさそうか確かめてみるのがベストです。
もしまだ犬を迎えていない、または子犬の段階でまだマーキング行動が発現していない、という方であれば時期が来たら去勢手術を検討するほうが確実です。
人間ではない動物と生活をするということはそうしたことも含めて受け入れながら工夫することですので、マーキングに限らずたくさんの学びを深めていきましょう。