1.何かに注目している
犬が前足を片方だけ浮かせたまま立ち止まるのは、何かに注目している時や期待している時にする行動です。
狩猟犬が、狩りの時に前足を上げて獲物をジッと見つめている様子をイメージしていただけると分かりやすいでしょう。
飼い主さんがおやつやオモチャを持っている時に「貰えるかな?」と犬が期待するような場面や、初めて見る物に少し警戒心を持つ時にこの行動はよく見られます。
犬は、片足を浮かせることで興奮を自制しようとしているのです。
ちなみに、狩猟犬の一種である「ポインター」という犬種の仲間は、前足を上げてハンターに獲物の場所を知らせることを得意としています。
2.ストレスを感じている
犬は、ストレスを感じている時にも前足を片方浮かせたままにすることがあります。
何かに注目している時と同じように、片足を浮かせることで犬は自らの動揺をおさえようとしているのです。ストレスが原因の場合は、苦手な犬に出会った時や、動物病院など苦手な場所にいる時に足を浮かせる行動がよく見られるでしょう。
愛犬が前足を浮かせて緊張している様子があれば、優しく声をかけたり撫でて安心させてあげましょう。
3.仮病
愛犬が足を浮かせていると「怪我をしているのでは?」と心配になりますが、実は犬は「仮病」、つまり演技で足を浮かせていることも時々あります。
仮病を使う犬は、以前足を傷めた時に飼い主に優しくされたり、かまってもらえた経験があるはず。そういった犬は「足を痛がっていればご主人が優しくしてくれる」と覚えてしまい、飼い主の気を引くために仮病を使うことがあるのです。
仮病かどうかは、以下の点に注目して見極めると良いでしょう。
- 足を浮かせるだけで痛がる様子がない
- 浮かせる足が左右で変わる
- おやつやオモチャを見せると普通に歩く
上記に当てはまっていれば、仮病の可能性が高いです。
愛犬が仮病を使っている様子があれば、足を浮かせてアピールしていても構わないでください。叱るのもNGです。愛犬と遊んだりスキンシップを取ってコミュニケーションを増やすことを意識しましょう。
見極めが難しく、本当に仮病なのか不安だという場合は、獣医さんに診てもらってください。
4.足に痛みがある
愛犬が片足を浮かせたままにしている時、次のようなサインがあれば足に痛みがある可能性が高いです。
- 足を全く地面につけようとしない
- 震えている
- 出血している
- 足が腫れている
- 足に触られることを嫌がる
- 動こうとしない
愛犬が足を痛がっている時は、まずは安静にさせて動物病院に連れて行きましょう。
なお、足に痛みや違和感が起きる原因として考えられるのは「爪や足先の異常」「関節の痛み」「外傷」「しびれ」などです。いつから足を浮かせているのか、他に症状はないかなどを獣医さんに正しく伝えて、適切な治療を受けられるようにしましょう。
まとめ
愛犬が片足を浮かせたままにしていたら、まずは痛みがあるかどうか確認してください。仮病なのか、本当に痛いのか確かめるためには、飼い主が日頃から愛犬の様子を観察して見極める必要があります。
もし痛みや違和感がある場合や、仮病かどうか見極める自信がない時は動物病院を受診しましょう。
また、「仮病だと思ったけど何日も足を浮かせたままにしている…」という場合は、一度診察を受けておいたほうが安心です。