犬の性格は何で決まるのか
犬の性格は何で決まるのでしょうか。両親からの遺伝、もしくは犬種の歴史が起因しているのでしょうか。
『子犬の頃にどのような経験をしたかが性格に影響する』とも言われていますし、『生活環境や飼い主の育て方が犬の性格を形成する』とも言われているなど、様々な説があります。
では実際には、どのようなタイミングで犬の性格が形成されているのでしょうか。
実は犬の性格形成には、「遺伝的な要素」が深く関係しているとされています。
「この犬種は、このような性格の犬です」とよく耳にしますが、その犬種独自の遺伝子を繋いできたことによって、その犬種によくみられる性格も受け継がれてきたのかもしれません。
また、「ドーパミン受容体D4遺伝子」「セロトニントランスポーター遺伝子」「アンドロゲン受容体遺伝子」は犬の神経伝達やホルモン伝達に関与しており、これらの遺伝子が犬の攻撃性や服従性にも関与しているのではないかとされています。
そして、これらの遺伝子が、犬の性格を形成にも関与しているのではないかとも言われています。
犬の性格が形成されるタイミング
犬の性格が形成されるタイミングとして、「社会化期の経験」が挙げられます。
犬には、生後4週齢~13週齢までの「第1社会化期」と呼ばれる期間、生後13週齢~1歳半までの「第2社会化期」と呼ばれる期間があります。そしてこれらの期間にどのような経験をしたのかが、犬の性格の形成に深く影響を及ぼすとされています。
第1社会化期に「お散歩が楽しい」「他の犬と遊ぶのが好き」「人と触れ合うのが嬉しい」というような経験をした犬は、第2社会化期でさらに行動範囲を広げ、より深く多くの経験を積んでいくことになるでしょう。
第1社会化期に「外に出るのが怖い」「他の犬や人が怖い」というような経験をした犬は、第2社会化期に問題行動が見られやすいようです。「お散歩を嫌がる」「他の犬や人に吠える」などの行動がそれに当たります。
犬を育てるためのコツ
では、上手に犬の性格を形成していくために、犬を育てるためのコツについて確認しておきましょう。
『叱らず褒める』を意識する
犬を正しく叱ることは、意外と難しいものです。間違った叱り方は、犬の性格の形成にも影響を及ぼします。
正しく叱ることに自信がない場合、叱らず褒めることを意識することが大切です。
遊びながらしつけトレーニングをする
犬の性格の形成には、しつけトレーニングも影響するのではないかと考えられます。
しつけをされていない犬は、飼い主の言うことを全く聞かず、わがままし放題です。飼い主や家族にも手を付けられなくなってしまうことがあり、周囲の人に被害が及ぶこともあります。
しつけは決して難しいものではありません。難しく考えるほど、しつけに厳しくなり、犬を叱ったり怒ったりすることが増えてしまいます。
飼い主も楽しみながら取り組めるよう、犬のモチベーションを上げながら取り組めるよう、遊びながらしつけトレーニングをできるような心の余裕が必要です。
他の犬や人と交流させる
初めて犬を飼うとき、愛犬を他の犬や人と交流させることに不安を感じる飼い主は多いものです。(怪我をしたらどうしよう)(成犬に咬みつかれたらどうしよう)と、つい余計な心配ばかりしてしまいますよね。
もちろん初めて交流する相手には慎重になる必要があると思います。しかし、早い段階でより多くの犬や人と交流することによって、愛犬をフレンドリーで犬好きかつ人好きな犬に育てることができます。
混合ワクチンの接種を終え、お散歩デビューをしたらすぐに他の犬や人と交流させてみましょう。
まとめ
犬の性格は何で決まるのか、犬の性格が形成されるタイミングを2つ解説しました。
- 遺伝的な要素
- 社会化期の経験
犬の性格は、成犬になった後の経験にもよって変化します。年齢を重ねるごとに穏やかな性格に変化する犬も多くいます。
犬からも人からも、誰からも愛される性格の犬になってほしいなと思われるのであれば、家族に迎えたその日から、様々な経験をさせてあげるとよいと思います。