️わんこにとって背中とは
私たち人間の感覚だと「背中を向ける」という言葉には、どうしてもネガティブな印象を抱きがちです。
相手に背中を向けるというのは時に「相手と敵対する」「相手の存在を無視する」ということを意味したり、あるいは「相手に失礼な行いをする」という意味で使われるからです。
そのため愛犬に背中を向けられると、「自分の存在をむげにされている」と感じてがっかりしてしまったり悲しくなってしまったりします。
ですがわんこにとって、と言うよりも多くの動物にとって「背中を向ける」という行為はネガティブなものではないのです。
背中を見せるのは油断しているから
多くの動物にとって背中というのは「死角」であり、最も無防備な部位です。天敵が近づいてきていたとしても感知することができない、かなり危険なポイントとも言えます。
つまり、本来であれば自分の身の安全を確保するために背中は見せてはいけない部位、そして極力見せたくない部位なのです。その背中をあえてさらけ出すということは、すなわち油断している証拠に他なりません。
監修ドッグトレーナーによる補足
私たち人間は、相手に背を向けられると「嫌われているのかな」と感じてしまいますが、犬などの動物から見ると意味合いは全く逆で、信頼できる相手だからこそ弱点である背中を見せているのです。
️背中を向けるのは信頼の証♡
つまり、わんこが背中を向けているときというのは「無防備な姿をさらしても危険がない」状況であると判断して、心から油断しているときというわけです。それは相手のことを「自分に危害を与えてくることは絶対にない存在だ」と信頼している証とも言えます。
愛犬が背中を向けてくるということは、それだけ愛犬との絆ができていて、信頼を勝ち得ているという証拠なのです。そう思うとわんこの背中に対する見方が180度変わってきませんか?
監修ドッグトレーナーによる補足
犬は、信頼できる相手に対してのみ背中を向けるという行動をとります。愛犬があなたに対して背中を向けたなら、それは愛犬の信頼を勝ち取った証と言えます。
背中を「預けている」と考えて
もう1つ、わんこが背中を向けているときというのは、ボディガードよろしく飼い主さんを護衛しているつもりで「こっちは僕が警戒しているから安心してくださいね」と意思表示していることが考えられます。
愛犬が自分を守ろうとしてくれているなんて、それだけで感動してしまいますよね。またこういうときは同時に「自分はこっちを警戒しているので、自分の背中は飼い主さんにお任せします」とも考えている場合があります。
日本語でも信頼し合った関係のことを表す慣用句に「背中を預けられる仲」という言葉がありますが、わんこは飼い主さんをまさにそういった「相棒」的存在と捉えているのかも知れません。
️まとめ
いかがでしたでしょうか?背中を向けるのと同様の意味を持つ行為に「お尻をくっつける」というものがあります。これも人間の感覚で言うとネガティブな意味に誤解してしまいがちなのですが、信頼関係ができているからこその喜ぶべき行動です。
人間の感覚だけで一喜一憂してしまわずに、野生動物の本能や感じ方を深く考えてみることが愛犬の深層心理の理解につながります。愛犬があなたに背中を向けて座っていたら、その尊い背中を頼もしく、そして愛おしく思ってあげてくださいね。
可愛いお顔を拝めないのは少し残念に思えるかもしれませんが、後ろ姿を見られることこそ、信頼関係で結ばれた飼い主の特権なのだと思えば誇らしくなること間違いなしですよ。