犬が他人の顔を舐める理由
犬が他人に会ったときに顔を舐めるのは、いくつかの理由があると考えられています。今回はその理由について解説したいと思います。
あいさつをしている
他人にも友好的なタイプの犬は、初めて会った人であっても顔を舐めようとすることがあります。また、慣れ親しんだ人に対してだけ、顔を舐める行為をする犬もいるでしょう。
犬が相手の顔、特に口元を舐めるのは、「こんにちは!」とあいさつをしたり、「仲良くしようよ」と親愛の情を示したりしていることが考えられます。
ポジティブな感情で顔を舐めているときは、尻尾をぶんぶん振っていたり、飛びついてきたりといった楽しそうな様子が見られます。
相手を落ち着かせようとしている
犬は会った人に対して敵意がないことを示したり、落ち着いてもらおうとしたりするときにも、相手の顔を舐めることがあります。
犬が姿勢を低くして、尻尾を下げ気味にしながら近づいたときや、人の顔を下から見上げるようにして舐める場合は、「敵意はないよ」「喧嘩はやめよう」と伝えようとしているのかもしれません。
甘えている、遊びたい
子犬は母犬に対して、ご飯をもらったりお世話をしてもらったりするために顔を舐めることがあります。そのような習性から、甘えたいときやかまって欲しいときに相手の顔を舐める犬もいます。
また、顔を舐めたときに相手の人が笑ったり、なでてもらったりした経験がある犬は、遊んでもらいたくて顔を舐めることもあるでしょう。
においが気になる
嗅覚が優れている犬は、人の顔からするにおいに興味を持つことも少なくありません。特に多いのは、食事をしたあとの口元から食べもののにおいがして、舐めようとするという行動です。
ガムやタブレットなどを食べる習慣がある人は、それらのにおいが口内に残っていることも多いので、余計に興味をひくでしょう。
また、歯磨き粉やうがい薬、化粧品などのにおいを気にして口元を舐める犬もいます。
犬に他人の顔を舐めさせないための対策
犬に顔を舐めさせないようにするためには、まず犬を落ち着かせて座って、あいさつやスキンシップをするように促すことが大切です。
人が好きでかまって欲しい犬の場合は、しゃがんでなでようとすると顔が近づいて舐めようとしてしまいます。舐めようとしてきたらさっと立ち上がって、落ち着くまでかまうのはストップします。
少し時間を置いてからまたなでるなどして、犬が舐めてきたらまたスキンシップをやめます。こうした対応をくり返すことで、「顔を舐めるとかまってもらえなくなる」「舐めなければたくさんなでてもらえる」という学習をさせてあげてください。
犬が顔を舐めることはいけないこと?
犬が人の顔をペロペロ舐める行為は、一見可愛らしいものではありますが、あまり望ましいものではありません。
特に他人の場合は、犬を可愛いと思っていても、舐められることには抵抗を感じるという人も多くいます。犬の飼い主であっても、舐められるのは苦手という人も少なくないでしょう。
また、犬の口内には様々な菌が繁殖しています。強力な胃酸を持つ犬にとっては害のない菌であっても、人間にとっては悪影響を及ぼす菌も。特に、自分の口や鼻などの粘膜部分を犬に舐めさせることは避けた方がいいでしょう。人畜共通感染症が移る可能性もあるので、注意してください。
反対に、犬が人間の顔を舐めることで悪影響を受けることもあります。特に日焼け止めやリップを使っていたりメイクをしたりしている場合、頻度が多いと多少なりとも影響が出ることも考えられます。
まとめ
犬はあいさつをするためや敵意を持っていないことを示すため、気になるにおいの元を探るためなど、様々な理由から人の顔を舐めようとします。
しかし、犬が人の顔を舐めることはお互いにとって身体的な悪影響を及ぼす可能性があるため、できるだけ控えた方がいいと思います。特に家族以外の他人や初めて会った人などの場合は、舐められること自体に抵抗を感じる人もいるので、家族以外にはしないように教えておくことも必要です。
人と会ったときのあいさつの仕方やスキンシップの取り方は、基本的なしつけとしてしっかり教えてあげましょう。