犬の『舐める行動』に隠された心理とは
犬を飼っている方なら、愛犬が何かを舐めている姿を一度は見たことがあるでしょう。一生懸命ペロペロしている愛犬を見て「可愛いな」「お腹が空いているのかな?」と思った方もいるかもしれません。
しかし、実は犬の「舐める行動」にはさまざまな意味があり、なかには「可愛い」だけでは済まされない理由が隠れている場合もあるのです。
ここでは、犬の「舐める行動」に隠された意味や心理を解説します。愛犬には当てはまりそうなものがあるか、チェックしてみてください。
コミュニケーションを取りたい
犬は相手とコミュニケーションを取るために「舐める行動」をすることがあります。
多くの動物にとって「舐める行動」は仲間とコミュニケーションを取るための大切な方法であり、群れで行動する習性がある犬も例外ではありません。
言葉が話せない犬達にとって、舐める行動は飼い主や他の犬に自分の気持ちを伝えるための手段の一つなのです。
ストレスを感じている
犬は強いストレスを感じた時にも「舐める行動」をとる場合があります。ストレスを感じると、自分の手足や身体を舐めることがあります。
舐めることで自分を落ち着かせ、ストレスを軽減しようとしているのです。
匂いが気になる
気になる匂いを発見した時、犬は舐めることで対象物の情報を確かめようとします。
人間に比べて犬の味覚はあまり発達していませんが、嗅覚だけでは足りない情報を舐めることでカバーしようとしているのでしょう。
怪我や病気
犬が自分の体をしつこく舐めている時は、何らかの原因でその場所に痛みや痒みを感じている可能性が高いです。
舐めた部分は炎症を起こして症状が悪化しやすいので、早めに動物病院で治療を行いましょう。
舐める場所によっても異なる犬の心理
犬にとって「舐める行動」にはさまざまな意味があることをご紹介しましたが、ここからはさらに詳しく舐める場所によっても異なる犬の心理について解説します。
飼い主の体
愛犬が飼い主の顔や口元、手を舐めている時は、「愛情表現をしたがっている」「何かを催促している」「匂いが気になる」という心理が考えられます。
野生時代の犬は子犬が母犬の口元を舐めて餌をねだっていたため、現代の犬達も飼い主に対して愛情表現や催促として同じ行動をしているといわれています。
飼い主が食事したばかりなら「ご主人の口や手から良い匂いがする!」と、単純に匂いが気になって舐めるということもあるでしょう。
自分の体
犬が自分自身の体を舐めている時は、「毛づくろい」「暇つぶし」「怪我や病気」「ストレス」が考えられます。
舐めるのが短時間であれば毛づくろいや暇つぶしの可能性が高く、心配する必要はありません。
ずっと舐め続けている、皮膚や体調に異変が見られるなどの場合は、早めに動物病院で相談したほうが良いでしょう。胃もたれや車酔いなどで不快感がある時は、自分の口周りをペロペロと舐めまわすこともあります。
床や家具などの物
犬が床や家具など物を舐めている時は、「匂いが気になる」「暇つぶし」「ストレス」などが理由として考えられます。
舐めて欲しくない場所や物を舐める場合は、犬が苦手な味がするスプレーを使うのがオススメです。
床などを長時間ずっと舐め続けている場合は、ストレスによる行動が心配なので、一度獣医師に相談してみてください。
まとめ
犬の「舐める行動」には、さまざまな意味や心理が隠されています。
舐める場所や犬の様子によって「なぜ舐めているのか」を判断し、適切な対応ができるようにしておきましょう。