愛犬がご飯の器をひっくり返す心理とは?
食事のたびに、愛犬からご飯の器をひっくり返されるとイライラしてしまいますよね。せっかく準備したご飯が散らかってしまえば、つい声を荒げてしまいたくなるものです。
ただし、このときに行ってほしいことは、犬がご飯の器をひっくり返す理由を探ることです。
ただ頭ごなしに叱るよりも、理由に適した対処を行った方がより効果的にやめさせることができますよ。
そこで今回は、犬がご飯の器をひっくり返す3つの心理を解説します。愛犬がどのケースに当てはまるか、ぜひ探ってみてください。
1.飼い主の気を引くため
犬がご飯の器をひっくり返すよくある理由として、「飼い主の気を引くため」というものがあります。もしかすると以前、偶然器がひっくり返ったときに新しいご飯を入れてもらった経験を覚えているのかもしれません。
それ以外にも、「大きな音を立てると飼い主の注意を引くことができる」と覚えている可能性もあります。ご飯の準備を忘れた飼い主に向かって器を投げつけ、「ご飯ちょうだい!」とばかりにアピールする犬も少なくはないです。
犬がご飯の器を口にくわえて飼い主の元に持ってくる、というパターンもありますね。それだけ犬にとって食事は、1日の中で楽しみにしている時間であるのでしょう。
2.好奇心でやっている
犬が食事の器を手でひっくり返したり、鼻で押したりするなど落ち着かない様子がみられるなら、好奇心で遊んでいるだけかもしれません。まだ子犬であれば「自分の食事」と認識ができず、器をおもちゃにしてしまうことがよくあります。
成犬であれば、器をひっくり返すのがひとつの遊びになっている可能性も考えられるでしょう。食事の器をひっくり返したときに飼い主が笑ったことを覚えてしまい、食事と遊びの区別が付かなくなっているのかもしれません。
3.好きなご飯じゃないから
犬が不満気な顔や態度でご飯の器をひっくり返すのは、それが好みではないご飯である可能性が高いです。食欲がなかったりすると、皿を鼻で押すこともあります。
たまにあるのが、薬やサプリをご飯に混ぜて食べさせようとしたら犬に気づかれてしまい、それ以降器をひっくり返して抵抗されてしまうというケースです。これは、犬が飼い主に対する信頼を失い、抵抗している態度です。
それ以外には、味やニオイが苦手、噛みにくい、角度や高さが合わないといった問題も考えられます。「犬のわがままに振り回されている」と感じてしまいがちですが、根本的な食事の原因をぜひ見直してみてください。
監修ドッグトレーナーによる補足
好き嫌い以外にも、「フードは一粒ずつ食べるもの」と思っている犬もいます。この場合は、同じフードでも大量に出されると食べ物だと認識せずにお皿をひっくり返してしまうこともまれにあります。
わがままと決めつけず、愛犬がどのような行動を取るのかまずは注意深く観察してからフードや与え方を工夫しましょう。
犬がご飯の器をひっくり返す際の対処法
犬が食事の器をひっくり返す行為は、飼い主としてはすぐにやめさせたいですよね。ただ、頭ごなしに叱って注意するのは得策とは言えません。前項でお伝えした犬の心理を確かめた上で、以下でまとめた対処法を行ってみましょう。
その都度注意する
食事の器をひっくり返すのはしつけ上よくないことなので、犬に「だめ」「いけない」とその都度注意していきます。犬に「これはよくないこと」と教えるには、注意するタイミングを大切にしましょう。
ご飯の器を置いた瞬間から犬から目を離さないようにして、ひっくり返そうとする瞬間に「だめ」「いけない」と注意をするのが効果的です。そして、ひっくり返さずに食事ができたら「いいこ」としっかり褒めてあげてください。
適した器と食事に変える
子犬ややんちゃな犬が器をひっくり返してばかりでお困りなら、重みのあるタイプに交換してみるのもひとつの手です。重い陶器製の器もありますが、割れる危険がないタイプを選んでください。
とくに力の強い大型犬などが相手であれば、安全性を重視して器を選んでみましょう。そして、犬が楽な姿勢で食事ができる角度や高さにも注目を。シニア犬になると下に屈んで食べる行為が苦痛になるので、適切な高さに調整してください。
食事内容に不満があると考えられる場合は、年齢や犬の好みに合う内容に変更をしてみましょう。もし犬が食事をしなくなり、何が原因なのかわからない場合は専門家に相談することをおすすめします。
監修ドッグトレーナーによる補足
少量ずつフードを入れるのも方法のひとつです。1回の量を4回位に分けて与えてみて、それでもひっくり返してしまう場合は、他に原因があるのかもしれません。
あまりにも食べない場合は、病気なども考えられるため一度動物病院に相談してみましょう。
まとめ
せっかく用意したご飯の器を愛犬からひっくり返されると、ついカッとなってしまうものです。
しかし、犬がそのような行為をするのには、何らかの理由があることをぜひ思い出してください。
そして今回お伝えした心理に当てはまるものがなく、なぜか食事をしたがらない場合であれば、いち早く獣医師や専門家に相談してくださいね。