犬は『視線』で気持ちを伝えようとしているって本当? シチュエーション別に読み取る6つの心理

犬は『視線』で気持ちを伝えようとしているって本当? シチュエーション別に読み取る6つの心理

犬と会話ができたら良いなぁと感じている飼い主さんは少なくないはずです。しかし犬は、全身を使って自分の気持ちを飼い主さんに伝えようとしています。特に犬は、人と一緒に暮らしてきた長い歴史の間に、アイコンタクトというコミュニケーション手段を築いてきました。犬が「視線」で私たちに伝えようとしている気持ちについて、ご紹介します。

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「視線」は犬が飼い主に気持ちを伝えるための手段

犬の目のクローズアップ

人が自分の気持ちを他の人に伝えたいと思った場合、大抵は言葉を駆使します。しかし、犬は人と同じ言葉を使うことができません。その代わりに、表情、仕草、行動、鳴き声などを使って、自分の気持ちを飼い主さんに伝えようとしています。いわゆる「ボディランゲージ」です。

特に人と犬は、とても長い年月をかけて現在の関係を築いてきました。その中で培ってきた大切なコミュニケーション手段に「アイコンタクト」があります。人とアイコンタクトで意思疎通を図れる動物は、実はとてもごくわずかしかいないのです。

飼い主さんと愛犬は、お互いの目を見つめ合うことで意思疎通を図れるだけではなく、お互いの愛情や信頼の気持ちを深められることも分かっています。つまり犬にとって視線は、飼い主さんに自分の気持ちを伝えるための大切なツールだといえるでしょう。

そこで今回は、犬が視線を使って伝えようとしている気持ちについて、シチュエーション別に考えてみたいと思います。

シチュエーション別「視線」で読み取れる犬の心理

足元に座り飼い主を見つめる犬

ここからは、シチュエーション別に、「視線」で読み取れる犬の心理について解説します。

1.笑顔を浮かべて見つめてくる

犬が柔らかい表情の目をしながら口角を上げている顔を見ると、まるで笑っているように感じます。感じるだけではなく、この表情は犬が人に向かって見せてくれる笑顔なのだといわれています。

愛犬が笑顔を浮かべながら飼い主さんのことをじっと見つめている場合は、愛犬からのラブコールだと考えて良いでしょう。飼い主さんへの愛情や信頼の気持ちを、じっと見つめることで伝えようとしているのです。

2.少し離れた場所からじっと飼い主さんの行動を観察している

笑顔を浮かべていなくても、少し離れた場所からじっと飼い主さんの行動を観察している場合も、愛犬からの愛情表現だと考えられます。人も、気になっている大好きな人の行動を思わず目で追ってしまうことがあると思います。その気持は、犬も同じなのです。

飼い主さんのことを母親のような存在に感じている犬が多いですが、中には飼い主さんを我が子のように思っている犬もいます。その場合は、親心で心配しながら見守っている場合もあるようです。

3.目をうるませながら上目遣いでじっと見つめてくる

飼い主さんの足元に座り、少しうるんだような目をしながら上目遣いでじっと見つめられているときは、愛犬が飼い主さんに何か要求をしているときだと考えられます。

例えば以前、食事中の飼い主さんの足元で同じことをしていたらおすそ分けをしてもらった、窓から外を見つめている飼い主さんに同じことをしたら散歩に連れて行ってもらったなど、過去に成功体験を持つ犬ほど、この「要求」視線を送るようになります。

4.身を低くした姿勢で上目遣いにそっと見つめてくる

柔らかい表情ではなく、少し不安そう、または悲しげな表情を浮かべながら身を低くした姿勢で上目遣いに見つめてくるのは、警戒をしているときに見せる行動です。要求しているときとは異なり、低い体勢を取っていることがポイントです。

気持ちが高ぶっている場合は、尻尾を振っていることもあります。尻尾を振るのは喜んでいるときだけとは限りません。マイナスの感情であっても、興奮していると尻尾を振りますので、ボディランゲージを読む際には必ず尻尾の様子も観察しましょう。

5.鼻にシワを寄せながら睨みつけてくる

鼻にシワを寄せている、歯がむき出しになっている、低い声で唸り声を出しているなどの様子を見せながら睨みつけてくるときには、飼い主さんに対して「嫌だ」という気持ちを伝えようとしています。

大好きなおやつやおもちゃを取り上げられそうだとか、苦手な動物病院に連れて行かれそうだといった気配を察知したときなどに見せることがあります。飼い主さんに対して軽く威嚇をして「やめて!」と警告しているのです。

6.見つめ返したら視線を外された

犬のコミュニケーションは、見つめるだけではありません。わざと視線を外すこともあります。例えばどうして良いか分からずに困ったとき、目の前の出来事から逃げ出したいときなどです。

先程の例でいうと、動物病院に連れて行かれそうな気配を察知して威嚇していたら飼い主さんに見つめ返された場合、連れて行かれたくない、逃げ出したいという気持ちから視線を外す事があります。また飼い主さんに叱られているときに、叱られている理由が分からず困り果て、自分自身を落ち着けようと視線を外すこともあります。

こういう場合はくどくどと叱り続けずに、だめだということを示したらさっと切り上げる方が良いでしょう。

愛犬と飼い主の間には固有のコミュニケーション手段が確立される

リビングで寛ぐ飼い主と犬

犬は社会性のある動物なので、大勢の人や動物たちとの交流を持っている犬も多いでしょう。しかし、最も長く同じ時間を過ごしているのは、何と言っても飼い主さんです。

犬はとても賢いので、過去の経験からどうすれば飼い主さんに自分の気持ちを伝えられるのかを学習し、愛犬と飼い主さんとの間にだけ通じる、オリジナルなコミュニケーション手段を確立していくことがあります。

飼い主さんもそのつもりで愛犬との交流を図ることで、より深くお互いの思いを伝え合うことができるようになるはずです。ぜひ、愛犬とのオリジナルなコミュニケーション手段を確立してください。

まとめ

アイコンタクトで意思疎通する少女と犬

犬は、視線を使って自分の気持ちを飼い主さんに伝えようとすることがあります。多くの場合は「じっと見つめる」という方法を使いますが、場合によっては「視線を外す」場合もあります。

愛犬が飼い主さんを見つめているときや視線を外したときのシチュエーション、同時に見せている仕草や行動なども含め総合的に判断することで、愛犬からの「愛情」や「おねだり」、「不安」などの気持ちに気付いてあげることができるようになるでしょう。

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