たくさんの動物に囲まれて暮らしたい!
2023年4月5日に亡くなったムツゴロウこと作家の畑正憲さんは、その著作はもちろんですが、ムツゴロウ動物王国の設立やそこでの生活のドキュメンタリー番組などで人気を博しました。
そんなムツゴロウさんの著作や映像に親しみ、動物好きになったという方も少なくないはずです。その後も、たくさんの動物たちと暮らしている方がよくメディアに取り上げられていますので、多種多様な動物と暮らしたい方は多いことでしょう。
しかし現実問題として、多種多様な動物と一緒に暮らすことはとても難しいです。
そこで今回は、すでに犬と一緒に暮らしている方が新たに迎え入れる場合に考慮しなければならない「犬との同居に不向きなペット」や、それでも迎え入れたい場合に注意しなければならないことをご紹介したいと思います。
犬との同居に向かない動物とは
では、具体的にはどのような動物は犬との同居に向かないのでしょうか。その理由やどうしてもお迎えする場合の注意点を解説します。
1.ハムスター
人と暮らしてきた歴史が長い犬は、穀物や野菜も食べられるようになりました。しかし基本的には肉食です。そのため、小さくて素早く動く小動物を見ると狩猟本能が刺激され、追いかけて捕まえたいという衝動に駆られてしまいます。
つまり、小さくて素早く動くハムスターは、犬の狩猟本能を刺激する際たる動物だといえるでしょう。
もちろん、毎日ドッグフードを必要なだけ食べている犬の場合、本気でハムスターを食べようとはしないでしょう。しかしちょっかいをかけられたハムスターが、怪我をしたり命を落としたりする危険は高いです。
2.爬虫類
ハムスターと同様に、お迎えする予定の爬虫類が犬よりも小さい場合は、こちらも犬の狩猟本能を刺激してしまう可能性があります。
また逆に、小型犬と大型の蛇の組み合わせだと、小型犬が丸呑みされてしまうこともあり得ます。
普段はケージなどに入っていても、逃げ出してしまった場合を考えると、決して同居に向いているペットとは言えません。
3.両生類
両生類も、爬虫類と同じ理由で犬との同居に向いているとはいい難いペットです。
4.小鳥
ハムスターや爬虫類、両生類と比べると、小鳥は飛べるため犬から身を守る術を持っています。
ただし、怪我をしたり命を落とす危険がないわけではありません。特に、鳥猟に使われていたポインター、セター、スパニエル、レトリーバーなどの犬種は、危険度が高いです。
5.フェレット
フェレットは、犬とは比較的仲良く暮らせると言われています。しかし、犬の狩猟本能を刺激する可能性が高いことには変わりません。
また、フェレットはイタチ科の動物なので、イタチ猟で活躍していたビーグル、ウィペット、テリアなどの犬種とは、特に相性が良くないと考えられます。
6.うさぎ
うさぎも犬と仲良くなれると言われていますが、フェレットと同様に犬の狩猟本能を刺激する可能性があります。また、ビーグル、ウィペット、テリアなどの犬種は、イタチだけではなくうさぎ猟でも活躍していたため、特に注意が必要です。
さらにうさぎはメンタル面がとても繊細なため、犬の存在だけでも大きなストレスになることでしょう。
7.フクロウ
フクロウは肉食で、かつ鋭い爪やくちばしを持っています。
そのため、小型犬は襲われる可能性がありますし、中大型犬でもじゃれた時に爪やくちばしで怪我をする恐れがあります。
8.猫
意外に感じる方もおられるでしょうが、先住犬がいる場合、後から成猫を迎え入れると同居が難しいことが多いです。
犬も猫も捕食動物で、かつ縄張りを持つ動物なので、縄張り争いが生じてお互いに相容れないケースが多いのです。
ただし、迎え入れる猫が子猫の場合や、先住猫がいる家に子犬を迎え入れる場合は、うまくいくケースもあります。
それでもどうしてもお迎えしたい場合の注意点
上記で犬との同居が向かないペットについて解説しましたが、それでもお迎えしたい場合もありますよね。こちらでは、そのような場合の注意点について解説します。後で悔やんでしまうことのないように、しっかりと確認しておくことをおすすめします。
事前準備を万全に整える
先住犬の犬種特性や性格をしっかりと把握していること、そして迎え入れる動物の習性を事前に勉強し、共存できるような環境を整えておくことは、最低限必要な準備です。
例えば猫の場合、犬と縄張りを棲み分けられるように、高い場所を猫のために開放しましょう。
新しい動物を迎え入れた後も、動物たちと向き合う時間を十分に確保し、環境の改善を積み重ねることが欠かせません。そのためには、時間の他にも体力や経済力が必要になる場合もあります。
愛犬のしつけが十分にできている
迎え入れる動物の種類にもよりますが、基本的には先住犬が迎え入れた動物を襲ってしまうリスクが高いため、飼い主さんの言う事に従えるようにしつけておくことが必須条件です。
特に、制止の指示にはしっかりと対応できることが大切です。
生活空間を分けられる
被食者となり得る動物を守ることが大切です。そのためには、捕食者と被食者の生活空間を分けてください。
ケージや水槽、カゴなどに入っているからと安心せず、少なくとも飼い主さんの目が届かないときには、生活空間をしっかり分けられるようにしておきましょう。
必要な予防医療を受けさせる
異なる動物種の間でも、感染してしまう病気があります。すべての動物に対して、必要な予防医療を受けさせましょう。
例えばフェレットは、ジステンパーワクチン、ノミ・ダニ駆除、フィラリア予防など、犬との共通点が多いです。
まとめ
体格、習性、適した生活環境などが異なる別種の動物たちを同居させるのは、簡単なことではありません。皆がストレスを感じずに暮らせるようにするためには、飼い主さんの勉強と工夫が欠かせません。
また先住犬がいるご家庭が新しいペットを迎え入れたい場合、まず先住犬に社会性があるか、他の動物種ともうまくやっていけるかの適性を見極めてください。適性がない場合、どんな動物種でも同居は難しいでしょう。